キュートなSF、悪魔な親友

月那

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キュートなSF、悪魔な親友

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 玄関の扉を閉めた瞬間、田村が鹿倉を後ろから抱きしめた。
「…………」
 鹿倉も、さすがにそれが愛おしくて、黙ったまま田村の腕に手を重ねた。
 ほぼ一か月。触れ合ってなかったから。それに、ただの“性欲”だけじゃない感情も湧いてきたから。
 あの後、堀が笑って田村に鹿倉を任せた。堀が何を考えているのかはわからない。ただ、暫く一緒にいなかったことで田村が取り乱している事実だけは感じていたようで。
「……ソラ、寂しがってた?」
 気まぐれなソラが出迎えにも来ない、ということで鹿倉が問うと。
「かぐのことなんか、忘れてんじゃないの?」
 珍しく、嫌味なんて言う田村が。
 おかしくなって、鹿倉がくふくふ笑った。
「田村、呑んでないだろ? 呑みなおそっか」
「……今は、そっちじゃない」
 素直に言った田村の、自分に絡みついている腕に力が入るのを感じて、鹿倉はその腕を軽くポンポン叩く。
「ここじゃ、なんだし」
「ここでもいい」
 田村が食い気味に言う。そのまま本気で脱がせるつもりなのか、鹿倉のネクタイに手をかけた。
「いやいや、ちょっと待とうよ。さすがに廊下じゃ、ヤだよ」
「逃げない?」
「逃げない、逃げない。ほら、ドアそこなんだから、ベッド、行こ」
 数メートル歩けば寝室の扉があるから、鹿倉は田村の腕を解いて正面に向き直るとそう言ってキスした。
 久しぶりのキスが、熱を高める。
 そのまま壁に押し付けられ、唇を割って入ってきた田村の舌がいつもよりずっと攻撃的で。鹿倉は田村の肩に腕を回し、応えるように舌を絡ませた。
 両脚の間に田村の膝が割って入る。右足の腿で鹿倉の下半身を弄る。
 そうしながら鹿倉のネクタイを解き、ジャケットを脱がせ、もどかしそうにカッターシャツのボタンを外す。
 薄いTシャツの上から鹿倉の胸の突起を指でつまんだ。
 指先でそれを弄る。
「待ってって……ね、部屋、行こうよ?」
「やだ。ここでする」
 唇の間で抗議した鹿倉に、短く答えて再び口を塞いだ。
 さすがに、ここまで情熱的に求められたから。鹿倉もくふ、と笑うと田村のベルトに手をかける。
 そうしてお互いにお互いの衣服を総て脱がせ、裸になると、その脱ぎ散らかした服の上に鹿倉を寝かせた。
「変な感じ」
「も、限界だから」
 田村が言って、鹿倉のモノを握った。
「んっ……」
「先、イかせるから」
「え?」
 言うとキスで口を塞ぎ、有無を言わせない勢いで鹿倉のソレを扱く。
 実際、一か月程完全に禁欲状態だった鹿倉のソレは、根元を扱かれ先端を弄られればすぐに弾けてしまって。
「……っもうっ……なに、すんだよっ」
 そうされることはいつも「イヤ」と主張している鹿倉が、眼の縁を少し赤くしながら田村を睨んだ。
「誰とも、してなかった?」
「しねーわ。んな暇あるかよ、ばか」
「でも堀さんと寝たんじゃないの?」
「……あの人、男なんか抱かないって、何回言ったらわかんのさ?」
「だって、よっくんなら誰だって抱けるじゃん」
「んなことあるか」
 嫉妬されている、なんてあまり経験がないせいで面白いけれど。鹿倉は小さく息を吐くと。
「とにかく。今日なんかもーおまえ、おかしいから。明日俺やっと休めるし、別に今夜はいくらでも抱かれてやるから、ちょっと落ち着かない?」
「……俺、おかしい?」
「うん、おかしい。忙しかったし、相手してやんなかったのは謝るけどさ、誰か他に抱かせてくれるコいなかった?」
「……俺、おまえと違ってモテねーし」
「本気出しゃ、いくらでも捕まえられると思うけど」
「よっくんじゃないし」
 随分と弱気になっている田村が面白いほど可愛くて。鹿倉はまたくふくふと笑った。
「しょーがないな。おまえのもヌいてやるよ」
「いや、いい。俺、よっくんの中に出したい」
「はあ? ずるくね?」
「いいから。挿れさせて」
 真剣な目で、はっきりと欲情にまみれたことを言うから。
「……もお。わかったよ。好きにしな」
 諦めて、鹿倉は再び田村の首に腕を回すと深く口づけた。
 田村の手が鹿倉の肌の上をさわさわと這い回る。
 暫く触れていなかったから、掌がその感触を欲しがっていて。鹿倉の背を辿り、柔らかな臀部を撫で、一番好きな内腿を指先で確かめる。
 一度放ってはいるけれど、鹿倉のモノが硬さを取り戻すのはすぐで。
 けれど、今度はそこには触れないでM字に立てさせた両脚の間に顔を埋めると内腿に舌を這わせた。
「んっ……」
 舌の感触に、鹿倉の声が小さく上がる。
 モノへの刺激がないことよりも、早く後孔への感触が欲しくて腰を上げる。
「あ……待って。ローション取ってくる」
 鹿倉が言ったけれど、それよりも先に田村の舌がソコへと辿り着いていて。
「やっ……やだ。さすがに、それは……」
 シャワーもなしにそのままソコを舐められるのは恥ずかしい。
「いいよ。もう、そんなんどうでも」
 田村は舌を尖らせて一度ソコを刺激したけれど、さすがにそれだけでは解せなくて。
 指を舐めるとそれで周囲をやわやわと撫で、鹿倉の喘ぎ声と共に緩んだ孔へと突きたてた。
「んんっ……」
「余裕ないから、ナマで挿れるよ?」
 指を刺して少しだけ解すと、そう言って先走りの滑りを使って自身をソコに宛がい、ぐっと腰を入れた。
「んあっ! ……っあっ」
 久しぶりに感じる圧迫感に、鹿倉の声が高くなる。
 先端を、抵抗に逆らって入れ込むとあとはずぶずぶと抽挿しながら押し進めて。
 本当に余裕がない田村だったから、鹿倉の脚を抱え上げると一気に中を突き上げた。
「あっ……はっ………ああっ……」
「よっくん……すごい……イイ」
 絡みつく内壁がキュウキュウと締め付ける感覚が、田村の快感を全身に伝える。
 鹿倉が田村の腰の動きに合わせて悦びの声を上げてくれるから、より一層腰を振って中を掻きまわす。
 自分の体液でじゅぷじゅぷと音を立てる接合部が、普段と違う廊下という場所に妙に響くからより一層淫猥で。
「んあっ……ああっ……イイっ……リュウっ……」
 奥を突かれ、たらたらと涎を垂らしているモノに左手で触れると鹿倉は耐えられなくなって。
「あっ……やっ……い、イくっ!」
 腹の上に放ってしまう。
「やっ……んっ……」
「いいよ、何回でも。いっぱいイかせてあげる」
「ああっ……んっ……」
 田村が何度も突き上げて、鹿倉の快感を絶え間なく煽る。
「やあっ……リュウ……も、……イってよ……っんっ」
 快感に溺れた鹿倉が目尻に涙をにじませながら言うと。
「うん、イくよ。大丈夫、今夜は寝かせないから」
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