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第二部 人間に戻りました
49 青空と白い鳥
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「じゃあそろそろ行きますね。お世話になりました!」
翌日、私たちはターニア様の部屋に全員集合していた。帰りは私の転移魔法を使えるので、船に乗る必要はないのだ。皆で手を繋ぎ、ターニア様、ティティンさん、ロンダさんに別れを告げる。
「リノ、体力作りもちゃんとやりなさい。怠けるとすぐに老けますよ」
「うっ……き、肝に銘じます」
「皆さん、お世話になりました。アタシ頑張ります!」
「またいつでも遊びに来てくださいね」
ロンダさんとティティンさんに笑顔でお辞儀して、私は叫んだ。
「行きますよ! ――転移!」
ふっと体が沈み込む感覚があり、次の瞬間には懐かしいお城に到着していた。緑の森と、キラキラ光る湖。懐かしさに泣いてしまいそうだ。お城の門の辺りで待っていたセル様と親ビン達が走ってくる。
「みんなぁー! お帰りなさい!」
「セルディス……!」
「セル様!」
セル様は走ってきた勢いそのままに私とハル様に抱きついた。久しぶりに会ったけれど、やっぱりセル様の可愛さは格別だ。目元に光る涙なんて宝石みたいだ。
三人で抱き合って再会を喜んでいると、親ビンたちがはしゃいで『帰ってきたかァ!』、『今夜はパーティだナ!』と吠えながらぐるぐる回りだした。レティ姐さんはそれを若干冷めた目で見ている。「これだから犬は」とでも思っていそうだ。
それにしてもペペは何処に行ったんだろう――と考えていると、レゲ爺さんがしぼり出すように声を震わせた。
「や、やっと南大陸に到着じゃあ……! ワシャもう帰って来れないかと……!」
「泣いてるんですか。大げさです、先生」
「でも気持ちは分かるぜ……。いくら美人でも、執着されたらちょっと怖いよな」
爽真が呟いたとき、上空から「ママー!」と叫ぶ子供の声が聞こえた。まさかと思って空を見上げれば、大きな白い鳥が飛んでいる。
「ペッ、ペペ!? 飛べるようになったの!?」
「ママぁ!」
ペペはふわりと地上に降りたち、私の方へ走ってきた。飛んでる時は優雅だったのに、歩くとドスドスと音が出ている。かなり重くなった様子だ。身長なんてハル様ぐらいに伸びているけど、やっぱりふわふわの羽毛はそのままでほお擦りされると気持ちがいい。
「お、大きくなったね……?」
「ペペ、飛べるようになったペエ!」
「兄上たちが東大陸に行ってから、ずんずん背が伸びたんだよ。食べる量もすごくてさ、五人分ぐらいの料理を一日に六回も食べてるの!」
「五人分……六回……!?」
半端ない食事量。貴族じゃないと養うの無理じゃない? 普通のご家庭では破産するよね? 私を拾ったのがハル様で良かった……!
しかし大きくなってもやはり中身は子供のようで、甘えるようにすりすりしてくる。
「ペペ、霊山まで飛べるようになったペエ! でも一人は寂しいペ……。まだママ達のとこにいてもいいペエ?」
「いいよ。ペペが大人になるまで一緒にいてあげる」
「いずれ霊山に帰ってしまうんだろうけどな……。俺とセルディスも見守ってるから、ゆっくり大人になれよ」
「ペエ!」
私たちが見守る中、ペペは嬉しそうに鳴いて空に舞い上がった。青い空に羽ばたく聖獣の姿は本当にきれいだった。
おわり
翌日、私たちはターニア様の部屋に全員集合していた。帰りは私の転移魔法を使えるので、船に乗る必要はないのだ。皆で手を繋ぎ、ターニア様、ティティンさん、ロンダさんに別れを告げる。
「リノ、体力作りもちゃんとやりなさい。怠けるとすぐに老けますよ」
「うっ……き、肝に銘じます」
「皆さん、お世話になりました。アタシ頑張ります!」
「またいつでも遊びに来てくださいね」
ロンダさんとティティンさんに笑顔でお辞儀して、私は叫んだ。
「行きますよ! ――転移!」
ふっと体が沈み込む感覚があり、次の瞬間には懐かしいお城に到着していた。緑の森と、キラキラ光る湖。懐かしさに泣いてしまいそうだ。お城の門の辺りで待っていたセル様と親ビン達が走ってくる。
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セル様は走ってきた勢いそのままに私とハル様に抱きついた。久しぶりに会ったけれど、やっぱりセル様の可愛さは格別だ。目元に光る涙なんて宝石みたいだ。
三人で抱き合って再会を喜んでいると、親ビンたちがはしゃいで『帰ってきたかァ!』、『今夜はパーティだナ!』と吠えながらぐるぐる回りだした。レティ姐さんはそれを若干冷めた目で見ている。「これだから犬は」とでも思っていそうだ。
それにしてもペペは何処に行ったんだろう――と考えていると、レゲ爺さんがしぼり出すように声を震わせた。
「や、やっと南大陸に到着じゃあ……! ワシャもう帰って来れないかと……!」
「泣いてるんですか。大げさです、先生」
「でも気持ちは分かるぜ……。いくら美人でも、執着されたらちょっと怖いよな」
爽真が呟いたとき、上空から「ママー!」と叫ぶ子供の声が聞こえた。まさかと思って空を見上げれば、大きな白い鳥が飛んでいる。
「ペッ、ペペ!? 飛べるようになったの!?」
「ママぁ!」
ペペはふわりと地上に降りたち、私の方へ走ってきた。飛んでる時は優雅だったのに、歩くとドスドスと音が出ている。かなり重くなった様子だ。身長なんてハル様ぐらいに伸びているけど、やっぱりふわふわの羽毛はそのままでほお擦りされると気持ちがいい。
「お、大きくなったね……?」
「ペペ、飛べるようになったペエ!」
「兄上たちが東大陸に行ってから、ずんずん背が伸びたんだよ。食べる量もすごくてさ、五人分ぐらいの料理を一日に六回も食べてるの!」
「五人分……六回……!?」
半端ない食事量。貴族じゃないと養うの無理じゃない? 普通のご家庭では破産するよね? 私を拾ったのがハル様で良かった……!
しかし大きくなってもやはり中身は子供のようで、甘えるようにすりすりしてくる。
「ペペ、霊山まで飛べるようになったペエ! でも一人は寂しいペ……。まだママ達のとこにいてもいいペエ?」
「いいよ。ペペが大人になるまで一緒にいてあげる」
「いずれ霊山に帰ってしまうんだろうけどな……。俺とセルディスも見守ってるから、ゆっくり大人になれよ」
「ペエ!」
私たちが見守る中、ペペは嬉しそうに鳴いて空に舞い上がった。青い空に羽ばたく聖獣の姿は本当にきれいだった。
おわり
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