天災の奇病戦闘医

月宮神楽

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第一章 家族編

4話 決意と覚悟

 進路相談が終わると僕は早退した。なんとなく居心地が悪かったからだ。僕の日課が少し早まる。姉のいる病院へ向かう。

「姉さん、調子はどう?」

 病室の戸を開けるといつも通り窓の外を眺めている姉がいた。姉は少し驚いたがすぐにお得意の微笑みを返す。

「あれ、トーリ?いつもより早いね、どうしたの?」
「ん、ああ早退してきたんだよ」
「調子が悪いの?」
「違うよ、気分が悪かっただけだから。」
「…そう」

 さすが僕の姉。察してくれたのだろう。

「姉さん、あのね僕姉さんを担当してるレッダー…伊角さんから」
「大丈夫知ってるよ。ありがとう」
「じゃあ」
「ええ頑張ってね」
「うん、絶対に姉さんの奇病を治す薬を作るよ。」
「それは楽しみだね」

 姉は目を細めて笑った。この顔は“微笑ましいなあ”と思っている顔、成長した我が子を見る母親の顔だ。僕はどんどん美しかった母親に似ていく姉を感じてなんとも言えない感情になるのと同時に時はゆっくりと確実に進んでいく現実に胸が締められた。

「じゃあまた来るね。伊角さんによろしくお願いしますって伝えておいてくれる?」
「任せて」

 太陽の位置はまだ高くジリジリと肌を焼いてくる。日陰を探すも見つからない。

「はあ」

 僕はレッダーになりたい。けど簡単ではないことなどわかっている。何も理由なしに推薦された僕を良く思わない人もいるだろうし、僕が薬を作るための障害もあるだろうから。

「はあ…」

 連続した溜め息は余計暑さを感じさせるのだった。
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