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憐
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「…ええ。御手洗陽介さん…」
その男の問いに、私は力の無い声で返事をした。御手洗陽菜の兄・陽介と私は、中学校の校庭を歩きながら話をした。十三年前、私は陽介に何度も土下座をした。許してもらえるとは思っていなかったが、ただ謝り続けるしかなかった。そして十三年ぶりに再会した今も、私はまた謝罪した。
「草居くんよぉ…俺は、陽菜が屋上から自殺したことについて、君を責めてるわけではない。あのときは陽菜も君も、死にたくてそうした。陽菜が死んで、つらいのは君も同じだったんだろう?陽菜の死は、君だけのせいではない。俺が許せないのはそこじゃないんだ。なぜ君はそのあと…あの女とくっついたのか…」
陽介は、右手のこぶしを強く握った。血管が浮き出ている。
その男の問いに、私は力の無い声で返事をした。御手洗陽菜の兄・陽介と私は、中学校の校庭を歩きながら話をした。十三年前、私は陽介に何度も土下座をした。許してもらえるとは思っていなかったが、ただ謝り続けるしかなかった。そして十三年ぶりに再会した今も、私はまた謝罪した。
「草居くんよぉ…俺は、陽菜が屋上から自殺したことについて、君を責めてるわけではない。あのときは陽菜も君も、死にたくてそうした。陽菜が死んで、つらいのは君も同じだったんだろう?陽菜の死は、君だけのせいではない。俺が許せないのはそこじゃないんだ。なぜ君はそのあと…あの女とくっついたのか…」
陽介は、右手のこぶしを強く握った。血管が浮き出ている。
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