僕らの10パーセントは無限大

華子

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傘不要の降水確率と、チャップリンの名言と

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 あ、いた。テメさんだ。

 小橋の欄干に両手をつき、身を乗り出してみても橋の下は見えなかったが、昨日のように階段を下りれば、彼の姿は確認できた。

 東から、朝陽が斜めにさす時間帯。橋の下にも、光が届いている。

 悲しい場所だと昨夜は感じたけれど、今日はそんな雰囲気、一切感じられなかった。

 グレーの壁に背を預け、手元のウクレレをいじっているテメさんに、わたしはおもむろに近付いた。

 べつに驚かすつもりは毛頭ないのに、わたしは彼に気付かれぬよう足音に注意して、クノイチのように歩いていた。

 あと数十センチ、というところまで距離を縮めたところで、テメさんの顔がガバッと跳ね上がる。

「うわあ!びっくりしたあ!」

 ポロポロロン!

 テメさんの顔が上がると同時に、ウクレレから聞こえたそんな音。これは出し抜けに登場したわたしに喫驚したテメさんの手元が狂ったからなのだろうけれど、わたしにはその音がウクレレの悲鳴に聞こえたから、思いきり笑えてしまった。

 まるで楽器にも感情があるみたい、と。

 お腹を抱えてしゃがみ込み、次から次へと抜けていく笑い声をアスファルトへと落としていると、目の前のテメさんもくすっと笑った。

「おはよう、おだんごちゃん。また会ったね」

 名前は昨日教えたはずなのに、今日もわたしのことを、『おだんごちゃん』と呼ぶテメさん。

 しゃがみ込んだまま、彼に視線を投げるわたし。

 陽のあたる、明るい場所で改めて彼を見てみれば、昨日気付けなかった色々に気付く。
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