僕らの10パーセントは無限大

華子

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傘不要の降水確率と、チャップリンの名言と

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 なにしに外へ出てきたんだっけ……
 ああ、そうだ。コンビニへ行こうとしてたんだ。

 川沿いの階段を上って、わたしは当初の目的通りコンビニへ向かうことにした。

 店へ辿り着く頃にはもう、お昼時。しかし特に飲みたいものも食べたいものもなかったわたしは、なんとなしに店内を歩くだけ。

 あ、これってテメさんが昨日くれたやつだ……

 ただ開けっぱなしにしてあっただけのふたつの目。それ等に目的をくれたのは、たまたま発見したココアサイダー味の飴だった。

 パンツポケットへと突っ込んだ手で、無造作に取り出す飴玉一粒。Tシャツを変えただけで、昨日とほぼ同じ服装の己に小さく笑う。

 テメさんの格好を気にする前に、自分の身なりを気にかけなさいっつの。

 ポケットの中にその飴玉を戻したわたしは、陳列されていたココアサイダー味の飴袋に手を伸ばす。

 おもむろに取って、パッケージを眺め入る。ふと目線を上げてみると、棚の上方には

『今世紀初!不思議な味わい!甘くて酸っぱいココアサイダー味!』

 と、カラフルなペンで描かれたポップがでかでかと飾ってあった。

「今世紀初、ねえ……」

 と言うか、もっと時代を遡ってもない気がするけれど。

 そう思ったから、わたしはスマホで『ココアサイダー味』と入力し、検索をかけてみた。すると数件のサイトがヒットしたので、白目を広げた。

「うっそ……」

 意図せずとも、こぼれる声。

 解せぬそのサイトのひとつをタップして、アクセスした。
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