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原田くんは、赤信号みたいな人だ
赤色が似合う原田くん7
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バレンタインデーまで一週間をきった月曜日。体育の授業中に、美希ちゃんから話しかけられる。
「今日の瑠夏、元気ないじゃん」
「そお?」
「原田翔平と、またなにかあった?」
元気ない。そう言われて考える。どうしてわたしは、元気がないのだろうかと。
今日の給食は、大好物の揚げパンだったし、今朝のニュースで見た星占いは、一位だったのに。それなのに一体何故、わたしの心はこんなにも落ち込んでいるのだろうか。
「あ、あそこにもいるよ。なんだか元気ないやつ」
美希ちゃんはそう言って、校庭の一角を指さした。彼女の指先を目で追う。
「原田翔平、サッカーしてるみんなのこと見てるだけで、自分は突っ立ったままボーッとしてる。いつもは我先に、ボール追っかけているのに」
クラスの男子たちがギャハハと騒ぎはしゃいでいる中、原田くんだけがその空気に一切馴染めていない気がした。哀愁をまとった背中を見て、心がちくんと痛くなる。
「今日の瑠夏、元気ないじゃん」
「そお?」
「原田翔平と、またなにかあった?」
元気ない。そう言われて考える。どうしてわたしは、元気がないのだろうかと。
今日の給食は、大好物の揚げパンだったし、今朝のニュースで見た星占いは、一位だったのに。それなのに一体何故、わたしの心はこんなにも落ち込んでいるのだろうか。
「あ、あそこにもいるよ。なんだか元気ないやつ」
美希ちゃんはそう言って、校庭の一角を指さした。彼女の指先を目で追う。
「原田翔平、サッカーしてるみんなのこと見てるだけで、自分は突っ立ったままボーッとしてる。いつもは我先に、ボール追っかけているのに」
クラスの男子たちがギャハハと騒ぎはしゃいでいる中、原田くんだけがその空気に一切馴染めていない気がした。哀愁をまとった背中を見て、心がちくんと痛くなる。
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