【完結】知られてはいけない

ひなこ

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エピローグ

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「……莉々亜(りりあ)?お父さん、莉々亜が!」
 気づくと、わたしは病院のベッドにいた。
 まっ白なベッド、まっ白なかべ。まどからはうっすらと光がしていた。
「おかあ、さん?」目を開くなり、お母さんがわたしにかぶさった。 
「良かった!莉々亜。目をましてくれて!」お父さんと二人で泣きだした。 

 わたしは玄関げんかんで倒れて、四日眠ったままだったらしい。
 黒い封筒ふうとう跡形あとかたもなかったと言う。

 ベッド横のテレビがニュースを流している。
 意識不明いしきふめいの子たちが、全国各地かくちで見つかっていたと言う。
 それもこの数日すうじつで目を覚ましたと。きっとゲームの参加者さんかしゃたちだろう。

 みんな、自分の場所ばしょに戻ったんだよね?準(じゅん)も、円(まどか)も。
 
 円をたおしたことが、みんなをこの世界に返したのかどうかは……わからない。
 でも、きっとあがいたことはムダじゃない。そう信じたい。泣いたり笑ったり、必死ひっし知恵ちえを振り絞って全力で時間を過ごした。現実世界げんじつせかいに帰るためにがんばってたけど、本当に帰れるかはわからなかった。
 今だって、これは現実げんじつなんだろうか?
 
 準の顔……だめだ。声しか思い出せない。
 仮想空間かそうくうかんが消えたと同時に、記憶きおくもあやふやになってる部分がある。
 でもいい。知らないところで、元気でいるなら。


 テレビの話題わだいが変わった。
 ”では街角まちかどインタビューの時間です。今日のテーマは、「あなたの大切なものは?」”

「それは……」
 わたしはテレビにこたえようとして……口をつぐむ。

 言わないよ。
 もう、不用意に人に明かすことはないだろう。
 そのせいで、何日も身も心も震えて人をうたがって、結局はそれを奪い合う羽目はめになった。あんな思いは二度としたくない。してはいけない、もうだれも。

   仮想空間かそうくうかんとは言いながら、たった四日間わたしはたくさんの人に出会い、やさしさもにくしみも、けも別れも味わった。い思い出は、今でもむねを熱くするけれど。

 それでも。
 大切なものは、だれにも知られてはいけないんだ。
 決して。

          ☆

<六月二十二日開始分・ゲーム名簿めいぼ 答えリスト>
1 中村えり 女 中一・勇気ゆうきをくれる本
2 島田圭吾 男 中二・でたとこ任せ
3 加川準  男 中二・家族円満かぞくえんまん
4 宮内紗英 女 中一・なし(空白スペース)
5 長谷川 祐紀 男 中一・歴史上の偉人いじん
6 木野まなみ 女 中二・イケメンと恋愛
7 三村一紀 男 中二・一発必勝いっぱつひっしょう
8 近藤 七瀬 女 中一・小説家
9 遠野莉々亜 女 中一・(文字化けで読めず) 
10 高山郁生 男 中二・知識
11 笠倉 未央 女 中一・平和な世界
12 恩田桜 女 中二・信じ合える仲間
13 浜野孝彦 男 中一・こたつでゲームする
14 渡部ライアン 男 中三・スリルある人生
15 庄司佳奈 女 中一・チャンスをつかむ

16 加川円 女 中一(過去勝者しょうしゃ)・自分の弱さとたたか

           (「知られてはいけない」・終わり)
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