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旅
冒険者登録完了
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三人と一匹は冒険者教会に戻った。
「待っていたぞ。」
オーナーが腰に手を当ててそう言った。
「まさかずっと待っていたの?」
「な訳ないだろう。お前達の気配を察知した。」
「おぉ!」
ツバキが拍手をしながら声を上げる。
「お前にはこれを覚えてもらうんだからな?」
「う、うん!頑張る。」
ツバキは決して否定的なことは言わなかった。
「宿はこっちで見つけた。アハマに案内してもらえ。アハマ?」
周りを見渡してもアハマの姿がなかった。
「どこ行ったんだ?」
「探してくるよ。サクラとツバキは冒険者について聞いておいて。」
「あ!お兄ちゃん逃げるの?」
「人の話を聞くのは苦手。あとで簡潔に教えてくれ。」
そ言って、何も聞かずに歩き出した。サクラとツバキはオーナーに「入れ」と言われ教会の中に入った。
アハマを探すため、路地に入った。ところで腕を引かれた。
「君とお話がしたかったんだ。」
「・・・アハマ。」
「お!呼び捨てか。まぁいい。キク。ツバキって子に何か隠しているんじゃ?」
「なんのこと?」
「ツバキは君のことをお兄ちゃんと呼んでいる。姿を見る限り、君は弟の方に見える。」
「・・・それは姿を見ただけで決めたことなら、僕は妹に背を越されたんだと言うよ。」
「そうだろうね。でも、冒険者登録をする際に、年齢を見た。ツバキは18歳。君は・・15歳だ。明らかだろう?」
「はぁ、あまり、ぺちゃくちゃ話したくないんだけどな。」
「誰にも言わないと約束しよう。」
キクはアハマに転生してきたことを伝え、ツバキは前世の妹だと話した。
「前に賢者様が言っていた。」
「賢者様?」
「あ、賢者様はこの国の英雄様。賢者様は年に一度、他の星から人を移す技があると。でも、それは難しくて記憶は受け継ぐことは難しい、そう賢者様は言っていた。それなのに、お前は記憶を持っている。しかも妹までもが・・妹はそのままの姿で。」
アハマは否定することなく、顎に手をおいてそうぶつぶつ呟く。
「賢者様とかは知らないが・・僕はこの世界で幸せになると決めた。もし、邪魔するようなら・・」
アハマは手をあげた。
「邪魔なんって。しないしない。疑問があるとすれば・・サクラに何か魔法をかけたみたいだね。何か聞いても?」
「・・どうしてかけたのが僕だと思う?三人の中で、一番魔力があるのはツバキだよ。まずはツバキを怪しむんじゃない?」
「君はいいところ付くね。魔力の色が違ったんだ。俺は少し特殊なことができてね。持っている魔力は色で区別できるんだ。ツバキは綺麗な水色。サクラの周りを囲んでいたのは灰色。その色は君の魔力と似ている・・いや、同じだ。だから、何かしらサクラに魔法をかけていると思ったんだけど・・その様子だと言ってくれないね。」
今にも殴りに行きそうな氷狐をキクは首根っこを掴んで止めていた。
「なんで、精霊様が怒っているのか俺は分からないけど、あの二人を不幸にすることは考えないであげなね。」
アハマは「じゃ」と言って路地からいなくなった。
「氷狐。僕は冒険者記録カードを受け取ったらあの二人の前から居なくなろうと思ってるんだけど・・氷狐はサクラと一緒にいる?」
【・・・】
氷狐はキクの手から逃げてクツっと一回りした。精霊の姿に戻った。
【我は、サクラと一緒にいたいと思ってキクについてきたわけではない。我はキクについて行くぞ。面白いことを知ってしまったしな。】
「面白いこと?」
【あぁ、キクといると精霊使い様に従わなくても体罰を受けないことをな。我はキクの側に居れば、自由なんだぞ。こんな好奇逃す手はない。それで、どこに行こうって言うんだ?】
「まだ、そこまでは考えてない。」
【なら、最初にある場所に行こう。あそこなら歓迎される行く場所は夜になったら教える。まずは夜になるまで、サクラとツバキにバレないようにしないとな】
「・・ありがとう。氷狐。」
【なっ!照れるじゃないか!】
氷狐は小さな手でキクの肩を叩いた。
氷狐が狐に戻り、キクは教会に戻った。
「あ、なんで、アハマさんの方が早く帰ってきてるの!」
教会に入り最初にツバキに言われた。」
「氷狐が何か食べたいって言ったから・・」
【何!我になすりつけるのか!】
「キク。オーナーさんがキクに話があるみたい。」
「・・・サクラ。氷狐。預かってて。」
「うん。」
【なんだと!我をおいて行くのか!】
「置いてく。」
そのまま氷狐を無視してオーナーの部屋に行った。
「・・キクと言ったな。座りなさい。」
「・・・・」
「・・お前さんは転生者なのだろう?」
「アハマとの話を?」
「多少な。最後までは聞いてない。アハマはお前さんに言わなかったみたいだが、賢者様が言った言葉には続きがあるんだ。」
オーナーの顔の表情が変わった。
「賢者様は言った。もし、転生者に記憶がそのまま受け継がれていたらその転生者は賢者様の生まれ変わり」と。
「待っていたぞ。」
オーナーが腰に手を当ててそう言った。
「まさかずっと待っていたの?」
「な訳ないだろう。お前達の気配を察知した。」
「おぉ!」
ツバキが拍手をしながら声を上げる。
「お前にはこれを覚えてもらうんだからな?」
「う、うん!頑張る。」
ツバキは決して否定的なことは言わなかった。
「宿はこっちで見つけた。アハマに案内してもらえ。アハマ?」
周りを見渡してもアハマの姿がなかった。
「どこ行ったんだ?」
「探してくるよ。サクラとツバキは冒険者について聞いておいて。」
「あ!お兄ちゃん逃げるの?」
「人の話を聞くのは苦手。あとで簡潔に教えてくれ。」
そ言って、何も聞かずに歩き出した。サクラとツバキはオーナーに「入れ」と言われ教会の中に入った。
アハマを探すため、路地に入った。ところで腕を引かれた。
「君とお話がしたかったんだ。」
「・・・アハマ。」
「お!呼び捨てか。まぁいい。キク。ツバキって子に何か隠しているんじゃ?」
「なんのこと?」
「ツバキは君のことをお兄ちゃんと呼んでいる。姿を見る限り、君は弟の方に見える。」
「・・・それは姿を見ただけで決めたことなら、僕は妹に背を越されたんだと言うよ。」
「そうだろうね。でも、冒険者登録をする際に、年齢を見た。ツバキは18歳。君は・・15歳だ。明らかだろう?」
「はぁ、あまり、ぺちゃくちゃ話したくないんだけどな。」
「誰にも言わないと約束しよう。」
キクはアハマに転生してきたことを伝え、ツバキは前世の妹だと話した。
「前に賢者様が言っていた。」
「賢者様?」
「あ、賢者様はこの国の英雄様。賢者様は年に一度、他の星から人を移す技があると。でも、それは難しくて記憶は受け継ぐことは難しい、そう賢者様は言っていた。それなのに、お前は記憶を持っている。しかも妹までもが・・妹はそのままの姿で。」
アハマは否定することなく、顎に手をおいてそうぶつぶつ呟く。
「賢者様とかは知らないが・・僕はこの世界で幸せになると決めた。もし、邪魔するようなら・・」
アハマは手をあげた。
「邪魔なんって。しないしない。疑問があるとすれば・・サクラに何か魔法をかけたみたいだね。何か聞いても?」
「・・どうしてかけたのが僕だと思う?三人の中で、一番魔力があるのはツバキだよ。まずはツバキを怪しむんじゃない?」
「君はいいところ付くね。魔力の色が違ったんだ。俺は少し特殊なことができてね。持っている魔力は色で区別できるんだ。ツバキは綺麗な水色。サクラの周りを囲んでいたのは灰色。その色は君の魔力と似ている・・いや、同じだ。だから、何かしらサクラに魔法をかけていると思ったんだけど・・その様子だと言ってくれないね。」
今にも殴りに行きそうな氷狐をキクは首根っこを掴んで止めていた。
「なんで、精霊様が怒っているのか俺は分からないけど、あの二人を不幸にすることは考えないであげなね。」
アハマは「じゃ」と言って路地からいなくなった。
「氷狐。僕は冒険者記録カードを受け取ったらあの二人の前から居なくなろうと思ってるんだけど・・氷狐はサクラと一緒にいる?」
【・・・】
氷狐はキクの手から逃げてクツっと一回りした。精霊の姿に戻った。
【我は、サクラと一緒にいたいと思ってキクについてきたわけではない。我はキクについて行くぞ。面白いことを知ってしまったしな。】
「面白いこと?」
【あぁ、キクといると精霊使い様に従わなくても体罰を受けないことをな。我はキクの側に居れば、自由なんだぞ。こんな好奇逃す手はない。それで、どこに行こうって言うんだ?】
「まだ、そこまでは考えてない。」
【なら、最初にある場所に行こう。あそこなら歓迎される行く場所は夜になったら教える。まずは夜になるまで、サクラとツバキにバレないようにしないとな】
「・・ありがとう。氷狐。」
【なっ!照れるじゃないか!】
氷狐は小さな手でキクの肩を叩いた。
氷狐が狐に戻り、キクは教会に戻った。
「あ、なんで、アハマさんの方が早く帰ってきてるの!」
教会に入り最初にツバキに言われた。」
「氷狐が何か食べたいって言ったから・・」
【何!我になすりつけるのか!】
「キク。オーナーさんがキクに話があるみたい。」
「・・・サクラ。氷狐。預かってて。」
「うん。」
【なんだと!我をおいて行くのか!】
「置いてく。」
そのまま氷狐を無視してオーナーの部屋に行った。
「・・キクと言ったな。座りなさい。」
「・・・・」
「・・お前さんは転生者なのだろう?」
「アハマとの話を?」
「多少な。最後までは聞いてない。アハマはお前さんに言わなかったみたいだが、賢者様が言った言葉には続きがあるんだ。」
オーナーの顔の表情が変わった。
「賢者様は言った。もし、転生者に記憶がそのまま受け継がれていたらその転生者は賢者様の生まれ変わり」と。
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