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無口な狼は魔王様と修学旅行に行かない

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「5月と言えば修学旅行!みなさんはもう3年生ですよね。今年は修学旅行が早めになりました。もう後3週間しかありません。だから、今日は班をきめまーす!班は基本的に自由に決めていいですが、転校生は優先的に決めることができます。白崎さん。誰と一緒の班がいいですか?」
「もちろん…怜です!」
5月。待ちに待った修学旅行が近づき、今日の1.2時限目は修学旅行の事についてだ。
「それじゃあ白崎さんは龍ヶ崎くんと同じ班ね。」
「怜!一緒の班よ!」
なんでこいつと同じなんだよ…絶対めんどくさいじゃん…
「龍ヶ崎くん、同じ班になりたいな…」
「龍ヶ崎くん同じ班にならない?」
「龍ヶ崎くんここの班空いてるから来なよー」
しまった。俺白崎以外に仲良いやついねえよ…
「白崎さん、同じ班にならない?ここなら龍ヶ崎くんと同じ班になりたい女の子もいるし。」
「じゃあ世田のところでいいよ。」
「い、いいの?」
「うん、ね?みんないいよね?」
俺はどこでもいいんだけどな…
「班が決まったら班メンバーの確認のため、自己紹介をお願いね。」
自己紹介いる!?
「はい、じゃあ、班長希望の、世田大翔(せた ひろと)です。よろしくね。」
世田の下の名前初めて聞いたわ…てか他のやつ興味ねえわ。
「えと、えと、白崎小梅です。よろしく。」
珍しく白崎がテンパってる。テンパるような奴じゃねえのにな。
「あー、龍ヶ崎怜です。よろしく。」
自己紹介とかまじめんどい。
「俺は班長やりたいんだけど、他にやりたいやつとか、副班長やりたいやついる?」
いねえだろそんなめんどいのやる奴。
「副班長私やる…」
手を挙げたのは大人しそうな女子。確か音成(おとなし)さんだっけ?そんな人。
「よし、じゃあ後は適当にやって、っとー」
どんどん係がが決まっていく。みんなやりたい係を決めいたようだ。
「残ったのは白崎さんと龍ヶ崎くん。2人とも別れるけどいい?」
「別に俺は構わないです。」
「わ、私もしょうがないから…」白崎も知らない奴に囲まれて少し戸惑ってるようだ。
「じゃあ、白崎さんが食事係、太田さんと同じで、龍ヶ崎くん1人で保健係でいい?」
こいつわざとか?俺を1人のやつにするとか…別にいいけど。
「は、はい。」
「大丈夫です。」
保健係か。一番めんどくないやつだわやった!
「それじゃあ修学旅行楽しもうね。」
「はい!」
「ん。」

「はいじゃあ次は班でめあてと時間等の確認をしてね~」
めあてとかいいだろそんなの。
「めあてかぁ…なんかある?」
「もう無難に協力して頑張って、楽しい修学旅行にしよう、で良いんじゃない?」
「俺もそれでいいと思う。」
「龍ヶ崎くん…!」
さっさと決めたくて賛同したらなんかトキメかれた…
「反対は無し?…じゃあ決まりね。」
次は確認だったな。持ち物とかもだよな。
「えっと、時間の確認の前に、持ち物の確認をしよっか。いるものは…」
ん?ちょっと待てよ…
「なぁ、白崎。確か部屋って…」
「うん?男女一緒だよ?」
げっ…まじか…寝てる間に白崎になんかされたら困るなぁ…
「龍ヶ崎くんはトランプ持ってる?」
「あるけど。」
「じゃあ、トランプ担当が龍ヶ崎くんね。じゃあそれで終わり。時間の確認するよー」
修学旅行と言ったら、トランプと枕投げか、それだけで時間潰せんな。あと夜みんなで遅くまで起きて話しとか?それは女子だけか。
「それじゃあ改めて、楽しい修学旅行にしようね!」
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