青春の静寂

和ノ國

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話題転換

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 私は入学そうそう友達ができませんでした。
 入学して、もう一ヶ月も経った今。
 この時に友達が出来ない、居ないなら、この三年間は青春を謳歌することは無理なのだろう。
 授業のチャイムがなり、俯いていた顔をあげて、目の前の教卓を見つめる。
 友達がいない分、遊ぶことよりも努力の行き先が勉強になっている。
 そのため、毎日帰宅してから勉強の日々だ。
 先生と目があい、問題の解答を示させられる。
 まあ、これも私はの宿命なのだろう。
 しまいには、一日中指名の時もある。
 授業が終わり、トイレに行き。
 時間を潰して。また、机の上でうつむく。
 その、繰り返しだ。

 一番難関な時間がきた。
 食事の時間だ。
 食事は好きだが、この環境下での食事はさほど好きではない。
 全てを否定しない理由は、私のとっておきの場所があるからだ。
ベランダの腰掛けに座り、弁当を食べる。
 時間をかけてゆっくりと。
 そして、時間どうりに、机に向かう。
 改めて、感じるだろう。
周りの静けさを。
 気にもされない。空気のような存在。
それは、悪いことではない。
よく考えてみたら、この空間に認められた存在ということだ。
あっても可笑しくなく。笑われない。
 私からすれば、下手に過剰に排除や異変を感じられより。
こちらの選択の方がましだ。

どんなに努力を積み重ねても最初に築いた人間関係以上の成果は期待出来ない。

幼馴染、同級生は入る隙がない程最強で。
顔見知り、知り合いなんて、ただそれだけでしかない。

私は今後も空気の存在としての三年間を乗り切る。
そして、次のステージで謳歌してみせる。
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