キスしてなんて言わないから

奏 -sou-

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誰か通訳を呼んで下さい。

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「そもそもの始まりは涼からだろ」

『本当に身に覚えがないんだけど、僕が坂東とキスでもしてたとこでもみたわけ?』

深藤と関係を修復したい訳じゃないけど、坂東のことはちゃんと訂正しとかないと僕のせいで要らぬ噂がたったら可哀想だ。

「何を根拠にそのようなことをおっしゃってるのか知りませんが、身に覚えのないことです。責任転換はよして下さい。あぁ、まだ先程の質問に答えてませんでしたね、その言葉そのままにこれからお返しさせていただきます。・・僕に関心を抱いていなかったのは貴方でしょう。」

『関心があったら浮気などするものか!!』という気持ちしかこもってない言葉そのまま伝われと念を送る

「・・・もともとくるもの拒まず去る者追わずが俺のスタンスだ、だがお前は別だ」 

いや、返信なってないよね
間があったにも関わらず、僕の話聞いてた?

「・・・それで?もう終わったんだから僕もそのスタンスの中の一人でいいよ」

もう敬語使うのしんどい

 「お前は別だといってるだろ。」

なにこれ、なんかまた無限ループ入りそうだよね
本当に勝手だよね、言葉のキャッチボールするのバカらしくなってきたや。

 「で、坂東は腐れ縁ごとくずっと幼少期からクラスも一緒で仲がいいだけの話だけど、それが今回の生徒会長様との別れ話となんの関係があるわけですかね?」

この言い方は僕なりの精一杯の皮肉。

「・・・腐れ縁通り越してできてんだろ?」 

この男の頭の中はどうなってるんだろうか、
割って見れるんなら割って覗いてやりたい。

「はあぁ?何いってんの?な訳ない。罰ゲームかなんかで僕の相手をすることになった君には悪いけど男にこれまで一度たりともなびかなかった僕の初めての男は知ってのとおり君だったし、ずっと一途に君を見てきたのに、なんで坂東との関係を疑ってんのか本当に理解できないんだけど」 

「っ俺が、本当にお前の初めての男なのか?」 

なんでそんな驚いてるわけ?
こっちが驚くよ、はじめてかを疑いたくなるほど僕のケツは緩いってこと?

それなら相当ショックなんだけど、ってか自分で緩くなる程の開発なんてしてないし。そりゃ、多少受け入れやすくする為に教室でチワワ達の飛び交う性事情を参考にしたけど、初めは自分でしてみても気持ち悪いだけだった。

それでも慣れてる君を煩わせたくなくて、処理も入口の慣らしも頑張ったのにさ、なんでこんな風に疑われなきゃいけないんだろ・・・

「それがなんなの?もう終わったことだよね。安心しなよ、別に初めてにこだわりとかないから」

何でもない風装って、今にも泣きそうな気持ちを震えたたせてるけど、そんなのはウソだよ。

本当は充分にこだわりというか、ハジメテってことに特別感はもちろんある。

「・・・終わっていない」 

その言葉に、さっきまでの今にも喰いかかってきそうな勢いはなく、今度は下を向いてどんよりしたオーラ身にまとって静かに否定してくる深藤

「・・そう。だけど僕の中ではもう終わってる」

僕も、目線の合わない深藤の目をまっすぐに見つめながら静かに答える。

「やっぱり俺のことからかってたのか?」

なんでそんな悲しそうな、悔しそうな表情で僕の目を見つめながら言うんだよ。

本気だったんじゃないかって、勘違いしちゃうじゃないか

埒が明かない上に捨てたはずの感情が自分の中にまだあったことに気付かされたような認めたくない苛立ちで、八つ当たりのように声を荒げそうになる

『落ち着け、落ち着くんだ』

軽く呼吸を整えようと、深藤と睨み合うように重なり合っていた目線を深藤越しの奥の方を何気なく見れば、斜め右手の少し離れた校舎の陰に向かう、あの日認識した見覚えある人物が視界の端に映る。

『あぁ、そういうことか』

わざわざ別れた話を掘り返して
謝ってくるどころか僕のせいにしてくる

信頼なんて最初っからしてなかったと僕の心の傷をえぐり返してくるくせに、まるで僕に未練がまだあるかの様な素振りを少し漂わせたりと

本当に君は何がしたいの?と混乱していた気持ちが、見覚えのあるその人物を認識し、その人物がこれからどういう行動をとるのか予測できたことで荒れていた気持ちは何事もなかったかのように静まった。

その代わりに憶測だけど、『あぁ、きっとそう言うことなのか』と目の前の深藤と少し離れたところと言えど声を少し張れば聞こえるような位置で隠れてる彼、二人を視界に

『そう言えば確か、深藤は僕のゲームという言葉に否定してなかったよな。』

きっとそれが、憶測の確信だと言っても過言じゃないんだと思う。と一人納得した。

となれば、だよね。
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