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ーキューピッドさんの真実ー 亡くなったお爺ちゃんと話させてくれた、キューピッドさんの本当の正体は…

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 皆さんは、「コックリさん」や、「キューピッドさん」、「エンジェルさん」などを信じていますか?これらの霊は、実在します。それは、紛れもない事実です。でも、中にはきっと「絶対信じない」「いるはずがない」と考える人も多いことでしょう。「絶対に信じろ」とは言いません。ただ、それを情報として頭に入れておいて欲しいのです。これは、私たちが実際に体験した物語です。

 コックリさんとは、「はい」と「いいえ」、その真ん中に「鳥居」を書き、「0~9」の数字と「あ~ん」、までの文字を書きます。そして、10円玉を鳥居に置き、質問をするとコックリさんが10円玉を動かして答えを教えてくれるという占いです。10円玉に2人以上が指を置き、「コックリさんコックリさんおいでください。もしおいでになられましたら「はい」へお進みください」と唱えて、「はい」に動いてから質問を始めます。キューピッドさんは、鳥居ではなく、ハート(または弓が刺さった)を書いてから、その上に赤いペンを2人以上で持ち、質問をするという点が違います。

ーキューピッドさんの好きな食べ物は、○○○○と、○○○!趣味は○○○!苦手なものはま  さかの○○○!そして、キューピッドさんの正体はー

 ある日の昼休みのことです。「Aちゃんのお兄さんが美人な女の子と付き合っている」という噂が立ちました。
「兄さんが付き合ってるらしいんだよ、マジでどっちから告ったんだろ…、もーホント気になる」
Aちゃんがニヤつきながら私に言ってきました。
「だからさ、キューピッドさんとかやって質問しない?」
私は、数年前に「エンジェルさん」をやったこともあり、オカルト系が好きなので、多くの情報を知っていました。キューピッドさんもやってみたかったので、
「あ、いいよ~やろやろ」
と、軽く答えてやることになりました。
「Aちゃん、iちゃん(私)、何するの?」
「Aちゃんが、お兄ちゃんのこと知りたいみたいで、キューピッドさんをやろうと思って」
話しかけてきたSちゃんと、Rちゃんは、
「じゃあ、私もやりたい!」
と2人も参加し、4人になりました。
 文字盤を書くと(ハートを書き忘れていたのですが)筆箱を持って、図書室に向かいます。図書室の奥にある大きな机を囲んで向かい合わせに座ります。文字盤を置いて、赤いペンを立ててから、私は改めて注意点を説明します。
「分かってると思うけど、とにかく赤いペンを離さないこと、力を入れないで軽く持つこと、あと、キューピッドさんを侮辱するようなことは言わないこと。例えば、「この占い、当たらない」とかね。いい?」
「うん」
皆んなが一斉に頷くと、赤いペンを握って、
「じゃあ、みんな呪文を唱えて。「キューピッドさんキューピッドさんおいでください。おいでくださったらYESへお進みください」ってね」
皆んなが呪文を唱えます。
「キューピッドさんキューピッドさんおいでください。おいでくださったらYESへお進みください」
そう数回唱えると、やっと赤いペンが動きはじめました。
「力入れてないよね?動かしてないよね?」
ともう一度確認をとります。皆んなは否定します。信じているのと、いないとの気持ちが五分五分だった私にしては、少し驚きました。なぜなら、コックリさんをやった時には10円玉は動かなかったからです。オカルト好きなのに、信じないというのは変に思われると思いますが…。
「一回当たり前の質問をして、当たってから質問するよ?例えば、「私は女ですか」みたいなすぐに分かる質問ね」
私は、答えが正確かを調べるために、あえてそうすることにしました。
「あ、じゃあ、私やるね、私は女の子ですか」
すると、赤いペンがYESの方に動いて○をつけました。
「当たってるみたいだね」
「うん、じゃあAちゃん質問していいよ~」
「Kちゃん(兄さんの彼女)と、兄さんは、どちらから告ったのですか」
すると、赤いペンはAちゃんのお兄さんの名前を答えました。
「うん、やっぱりそうだと思ってた笑」

 そんなことがあってから、私たちは中休みと昼休みにキューピッドさんを降霊して質問に答えてもらいました。帰ってもらうときには、常に「ありがとうございました」とお礼を言います。私たちは、キューピッドさんを怒らせることなく過ごしました。
 ある日の私は昨日のことで落ち込んでいました。私のことを気に入らない男子に、物を壊されたり、図工の時間に書いた絵を切り裂かれたり、しまいには大量の雪が机の上に乗せられていることもありました。日に日にエスカレートしていきます。
(学校に行きたくないなぁ…。でも、男子の嫌がらせに負けるのもなんか悔しいし…)
そう思い悩んでいたときに助けてくれたのがキューピッドさんでした。
 キューピッドさんをしているとき、私はキューピッドさんに告げ口しました。
「なんか、クラスの男子に、もの壊されたり、書いた絵を切られたりして…なんかこう、酷いな…って。質問になってないけど…、なんていうんだろう…」
すると、キューピッドさんは
「わ・た・し・も・そ・う・お・も・う」
(私もそう思う…え、凄い嬉しい…)
私は、キューピッドさんを味方にとれたことを嬉しく思いました。キューピッドさんは、ただの質問に答えてくれる霊、なんかじゃないんです。ときには寄り添ってくれる、そんな頼りになる存在でもあるんです。

 私は、ペンを握りながら皆んなに言いました。
「ねね、ひとつ聞きたいことがあるから、聞いてみていい?」
皆んなが頷くと、私は質問を始めます。
「キューピッドさんの好きな食べ物は何ですか?」
YouTubeでコックリさんの動画を見ているときに、好きな食べ物を質問していたことを思い出し、私も質問することにしたのです。
「よ・う・か・ん」
「ようかんか~日頃のお礼に持ってくるとしても、ようかんは無理だなぁ…」
すると、Rちゃんが私の代わりに質問しました。
「その他の好きな食べ物はありますか?」
「り・ん・ご」
「え、かわいい!」
「キューピッドさんって、案外かわいいもんだね」
「りんごなら給食で出るし、ギリギリ持って来れるかも」
そんな雑談を交わし、キューピッドさんのことをひとつ知れました。

 次に、趣味について聞くとこにしました!
「キューピッドさんの趣味はなんですか?」
何事もないように赤いペンが動きます。
「ぬ・り・え」
「塗り絵なんだ~♪」
「かわええ笑笑」
キューピッドさんの趣味って意外だなと思いました。

 そして、苦手なものについて質問します。
「キューピッドさんの苦手なものは何ですか?」
「お・ば・け」
「えーマジで?」
「www」
キューピッドさんは思ったよりかわいいです笑

 「私たちに伝えたいこととか、質問して常に思っていることはありますか?」
「i・よ・う」
「よう、っていう挨拶ね笑笑」
「かわいいやん」
かわいいしか思いつきません笑笑案外癒されます笑笑日々の支えですね♪

 最後に、聞いていいのかと思った質問です。
「キューピッドさんは、人間で言えば何歳ですか?」
私たちは、一体何歳なのか食い入るように文字盤と赤いペンを見つめます。0~9の数字が書かれているところにたどり着くと、7の部分に止まって丸をつけます。
「7歳…」
「小学一年生かぁ」
「え、じゃあ男の子ですか?女の子ですか?」
すると、
「お・と・こ」
「マジか!男の子なの」
「てっきり女の子だと思ってたwww」
「お前」や、「よう」など、男の子らしい発言も多数見られました!
これが、キューピッドさんの正体(!?)なのではないでしょうか?

 Aちゃんが、「前世」について質問をしました。そして、AちゃんとRちゃんは、前世でも仲間だったことが判明…。Sちゃんはスズメです。そして私はというと…
「お・わ・り」
私は「どういうことだろう?」と疑問ばかりが浮かびました。皆んなも動揺しているところで、私はやっと思い出したことがありました。
「なんか、いつまでも生まれ変わりがずっと続くんじゃなくて、限りがあるんだけど、その中で私の前世が最期の生まれ変わりだった…とか?そういうこと?」
すると、赤いペンはYESに動きます。
 次にAちゃんは、「クラスで前世が人間だった人」について質問しました。赤いペンは、クラスで頭がよく、しっかりしている女の子の名前を答えました。
「前世は何ですか?」
「せ・い・し・よ・う・な・ご・ん」
「せ、清少納言!?」
その途端、私たちは絶叫しました。
「誰も動かしてないよね!?」
確認をとり、もう一度本当か聞いてもYESに動き、私たちは本当に驚きました。

 ここまでキューピッドさんをしてきた中で、皆んなに何度動かしてないか確認したでしょうか?多分10回以上したと思います。一緒にやった友達も信頼しているから、動かしていないと思います。多くの人が、「誰かが動かしている」と考えていると思いますが、本当に誰も動かしていないのです。

 キューピッドさんをしている途中で、突然思い出したことがありました。
(もし、これが霊界と繋がることのできる ひとつの道具なら、亡くなった人との会話もできるんじゃ…)
「キューピッドさん、亡くなった人と文字盤を通じて会話することはできますか?」
赤いペンはYESに動きます。私のお爺ちゃんは、私が生まれる前に亡くなってしまっているので、お墓と写真しか見たことがありません。会話をしてみたいと思っていたのです。それは、亡くなった人がいる家庭でもそれを望んでいるのではないでしょうか?
 
 次の日のことです。私は文字盤を使って、お爺ちゃんを呼び出すことにしました。
「キューピッドさん、私の死んだお爺ちゃんと話させてください。キューピッドさんからお爺ちゃんに代わったら、YESに丸をつけてください」
数秒後、YESに丸がつきました。
「天国では何をしていますか?」
「お・ひ・る・ね・し・て・る」
「www……」
話すことが見つからない私は、それだけ聞いて結局返すことになり、またキューピッドさんを呼び出しました。
「私もお爺ちゃんと話したい!」
とAちゃんが言ったので、Aちゃんのお爺ちゃんも呼び出すことにしました。
「天国では、何をやっていますか?」
「ぬ・ま・の・ま・わ・り・を・お・う・ふ・く・し・て・た・い・り・よ・く・を・つ・け・て・る」
「沼の周りを往復して体力をつけてる!」
Aちゃんも
「じゃーねー」
と別れを告げると、Aちゃんのお爺ちゃんは
「A・も・げ・ん・き・で・な」
Aちゃんは、目に涙を溜めて喜んでいました。私も何処かグッときて、泣きそうになりました笑笑
 他にも、死んでしまった猫と話をして
「だ・い・す・き」
と言われた子も嬉しそうでした!
 
 突然ですが、私は算数が苦手です。だから、次の時間の算数のテストの時間に、1番最初の答えを聞いてみよう、というズル作戦を思いつきました。
「キューピッドさん、算数のテストの1番初めの問題の答えを教えてください」
「………………………………………No………」
「あ、こういうことは教えてくれないのね笑」
「キューピッドさん賢い笑笑」
結局、その日のテストはほとんど適当に書いて終わりました笑

 その日の昼休みに、終わった算数のテストの点数を聞こうと思いました。
(70点こえてればいい方かな笑笑)
「キューピッドさん、私の算数のテストの点数を教えてください!」
赤いペンが動き始めます。
(あ、もうちょっとで7にいく…)
というところで赤いペンは止まり…
「ちょっ…」
丸をつけた数字はまさかの5!次に止まったのは0で…
(嘘!?50点…)
世の中には、これほど頭が悪い人もいます笑笑

 次の日、算数のテストが返されると、本当にその点数で、点数を聞いたAちゃんもその通りの答えになりました!

ーキューピッドさんの好きな食べ物はようかんと、りんご!趣味は塗り絵!苦手なものはまさかのオバケ!キューピッドさんの正体は7歳の男の子ー

 私は、キューピッドさんを呼び出して、本当によかったと思うことが2つあります。1つ目は、死んだお爺ちゃんと話ができたことです。2つ目は、クラスの男子の嫌がらせが少し減ったということです。実は、Aちゃんと家で2人でやったのですが、今度は違うことについて告げ口しました。すると、
「お・ま・え・を・ま・も・る」
と言われました。そのおかげで嫌がらせも減りつつあるのだと思います。そんなキューピッドさんに、恩返しをしたくてこの物語を書きました。キューピッドさんのことを、より多くの人に知ってほしいと思ったからです。

 インターネット上では、「キューピッドさんを怒らせて、怖い経験をした」という体験談が載っていると思います。そのせいで情報の受け手に、悪い印象を与えているのではないでしょうか?でも、怒らせないように上手く振る舞えば、キューピッドさんは質問に答えてくれるし、亡くなった人と会話をさせてもらうこともできます。「霊界に関わってしまう怖いもの」ではなく、「関わることのできる大切なもの」と捉えて欲しいです。特にお悩みがある方には知り合いなどとやって悩みを聞いてもらうことをおすすめします。もちろん、恋愛関係も…、キューピッドさんにわからないことは「ない」そうです。
 ぜひキューピッドさんに質問してみてください!
(※1人で呼び出すことはできませんが…)

 後から聞いてわかったのですが、キューピッドさんの誕生日は6月の18日です。また、キューピッドさんにこの小説の事で何か書き加えて欲しいことや要望があるかを聞いたところ、「キューちゃん」と言って欲しいそうです!キューちゃんは、私たちの事をどう思っているか聞いてみたところ、
「お・と・も・だ・ち」
と言われました!
「お友達~♪」
友達になれたのがとても嬉しいです。

 このように、最近、私たちのクラスではキューちゃんがブームです!
(この間、面白い発言にツボって笑っていたら、キューちゃんに「落ち着いて」と言われました笑「可愛い、可愛い、可愛い!」と連発していたら、「怖いから依存しないで」と言われました。面白いし癒されます…(^O^))

 私たちがキューちゃんと触れ合う時間はこれからも続きます(^o^)

                               終わり

(※亡くなった方と話せる、なんて、もう夢物語ではありません。すぐそばにあります。紙とペンさえあればできるのですから)
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