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ニ四章
これぞ幻の郷土食
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「そんなことより部長。イベントの内容を早くつめましょう」
雪森がそう言ってくれたのでおれはホッとした。これでようやく本題に戻れる。
イベントを行うには荷物を運ぶための車もいるし、許可もいる。その点は鈴沢の親に頼んで準備万端、整えてもらった。さすが、日本有数の大劇団の座長だけあってそのあたりは手馴れたものだった。車も運転手つきで貸してくれたし、開催許可もとってくれている。あとはおれたちが実行するだけだ。
「うむ、そうだな。弟をからかうのは楽しいが、いつまでもやっているわけにはいかん」
最初からやるな!
にらみつけるおれの眼光など無視して陽芽姉ちゃんは金子に向き直る。
「さて、少年。イベント担当としての意見はどうだ?」
「まずまずというところでしょうな、お姉さま。ただ、料理内容がもうひとつというところでしょうか。何か、目玉となるものがあれば完璧なのですが」
「ふむ。目玉か」
陽芽姉ちゃんが腕組みして首をかしげ、考え込む。その点では実はおれに隠し球がある。
「ああ、それでみんなに試してもらおうと別に用意しておいた料理があるんだ。ちょっとまっててくれ」
と、おれは盆の上に並べたお碗をみんなに配る。陽芽姉ちゃんはお碗のなかを興味深そうに覗き込む。
「これは何だ、弟よ?」
「『ぐずもち』って言うんだ」
「ぐずもち?」
「そう。ゴボウ・ニンジン・ダイコンをすりおろしてトウガラシをくわえて味噌味仕立てにした汁に、田んぼや水路でとれる雑魚を入れて、モチと一緒に煮込んだものだよ。宮城の郷土食だとかでね。死んだじいさんが好物で、小さい頃よく作ってたんだ」
秋田県の例にしても美少女イラストを用いただけで注目を浴びたわけじゃない。魅力ある資源があったればこそだ。おれたちのイベントにしても、メイドさんやスクール水着だけで成功するはずがない。魅力ある商品が必要だ。だから、おれも必死に考えたのだ。そしていきついたのがじいさん直伝の郷土料理。これがおれのフェイバリットだ。
「ほう」
陽芽姉ちゃんは興味をそそられた様子で小さく声をあげた。お碗を口元に運び、まずは目を閉じて香りをたしかめる。それから一口、すすった。目を閉じたまま、眉間に軽くしわを寄せてじっくりと味わっている。その仕草が何だか料理番組に出てくるソムリエのよう。おれは審査を受けている気分で妙に緊張してしまった。
「ふむ」
と、陽芽姉ちゃん。目を開けてうなずく。
ドクリ、とおれの心臓が高鳴った。
「なかなかイケる」
よっしゃあ!
おれはガッツポーズして叫んだ。
「たしかにおいしい」
雪森も静かにうなずきながらそう言った。
「だけど……」と、鈴沢。
「郷土食なんて本当? ぐずもちなんていままで聞いたことない」
「いまではほとんど知られてないみたいだからな。じいさんが子供の頃にはよく食べられていて、じいさんも小さい頃は小遣い稼ぎに田んぼや水路で雑魚をとっては料理していたそうだ。これはその直伝なんだ。場所によってはドジョウばかり入れるそうだけど、じいさん直伝のこのぐずもちはドジョウに限らず、メダカでも、小ブナでも、ヌマエビでも、とにかく田んぼや水路でとれるものは何でも入れる。これを目玉にしようと思うんだけど、どうかな?」
「いいと思う。おいしいし」と、雪森。
「あんたの作ったものにしてはマシね」
鈴沢もそう言った。『マシ』というのは鈴沢にとっては最大級の褒め言葉だ。
「うむ。私も同感だ。『幻の郷土食』というのはこのイベントにはピッタリだ。何より、『死んだ祖父どのの直伝』というのが涙をそそるではないか」
「でも……」と、雪森。小首をかしげている。
「何で『ぐずもち』なんて言うの?」
「『ぐず』って言うのはもともと、『色々なもの(魚)が交ざっている』っていう意味らしいな」
「イベントの目玉にするには響きが悪いんじゃない?」
うっ、たしかに。意味を知らなければノロマを意味する『グズ』に聞こえてしまう。
「ならば、名前をかえればよいのですよ、お姫さま」と、金子。
「『田からのもの』という意味で『たからもち』と名づけてはいかがでしょう?」
「ふむ。たからもちか。『田から』と『宝』をかけているわけだな。よろしい。それでいこう。よい案を出してくれて感謝するぞ、少年よ」
「ははっ。お褒めくださり、光栄です、お姉さま」
「では、このたからもちをメインに据えてイベントを開く。企画と宣伝は任せるぞ、少年」
「ははっ、お任せください。何しろ、このイベントにはお姉さま方のスクール水着姿というとっておきがあるのです。それさえあれば客などいくらでもよってくるというもの。イベント成功は疑いなしですとも」
金子のその言葉におれはやはり不吉な気分になった。
「……なあ。本当にスクール水着でイベントやるのか?」
「いまさら何を言っている、弟よ。すでに決めたことではないか」
「だけど……」
「なによ、あんた。あたしや、陽芽ちゃんや、弥生ちゃんの水着姿になにか不満があるわけ?」
と、鈴沢がにらみつけきた。鈴沢にはそこまでする義理も理由もないはずなのにイベントの話を聞いたとたん、『あたしもやる』と自分から参加してきた。やはり、劇団の娘としてイベントと聞くと放っておけないのだろうか。
それはまあ、おれだって、この三人の水着姿は見たい。生徒会長ふう美人の陽芽姉ちゃん、クールミント雪森、お人形のような鈴沢。タイプは違えどそれぞれ学園ナンバー1を競う美少女ばかり。その三人がそろって水着姿になる様はさぞかし壮観だろう。なまじなグラビア雑誌など足元にも及ぶまい。宣伝効果としてはこれ以上のものはない。おれとしては本来、歓迎すべきことなのだが……女の子たちにそこまでやらせるというのは男としてどうも忸怩たるものが……。
――でも、言っても聞かないだろうなあ。みんな、すっかりやる気だし。
おれは困ってしまった。と、別の言い方を思いついた。
「けどさ。それってオタク男には効果あるだろうけど、他の客層には逆効果なんじゃないか? とくに子供連れなんかきてくれなくなりそうだし」
「一理あるわね」
と、雪森。口元に手を当てて考え込む。
「でも、それなら、水着姿でおかしくないイベントを盛り込めば解決できるわ」
「ふむ。水着姿になる必然性を作るわけか」と、陽芽姉ちゃん。
「具体的にはどんなものかな?」
「魚のつかみ取りなんてどう?」
「魚のつかみ取り?」
鈴沢がうさんくさげに眉をよせた。
「そう。浅い池を作って、魚を放して、子供たちに素手で捕まえさせるの。そういうことやってる所、あるでしょう?」
と、雪森がおれに尋ねてくる。農業雑誌もよく読んでいる雪森はそういうことにもくわしい。
「……たしかにそういう例もあるけど」
けっこう、人気らしいのでおれとしては複雑な気分だ。
「ふむ。なるほど。それなら水着姿でおかしくないわけだな」
「水着姿っていうなら」と、鈴沢。
「ビーチバレーなんてどう?」
「おおっ、それはおもしろい。せっかく田んぼがあるのだ。田んぼに入ってビーチバレーならぬ田んぼバレーというのも一興だな」
「……何だか、みんな泥だらけになりそうだけど」と、雪森。
「それが楽しいのではないか。土砂降りのなか、泥にまみれてフットボールに興じたことはないのか?」
「ない」
「いかん! いかんぞ、弥生。あの楽しさを知らないなど人生を半分は損している。よし。私がたっぷりと教えてやろう。人生の美しさを発見できること受け合いだ」
スクール水着をやめさせるために言ったのに逆に盛りあげてしまった。何でこうなる⁉ おれは思わず頭を抱えた。
陽芽姉ちゃんが立ちあがった。黒板に向かい、チョークを手に取った。
「では、まとめるぞ。祭りに出すのは田んぼの生き物の料理、魚のつかみ取り、田んぼバレー。この三つだな」
「田んぼの生き物を水槽に入れたセットなんかも人気だそうよ」と、雪森。
「では、それも取り入れよう。他に意見は?」
「魚のつかみ取りをするにはSEED水田はちょっと深すぎると思うぞ。それに、花見の邪魔にもなるし」
――せめて、少しでも考え直してくれれば。
ほのかなおれの希望はしかし、あっさり打ち砕かれた。
「それを言うなら田んぼバレーの方がずっと問題ね。ネットも張ってあるから転んだりすると危ないし」
雪森が言うと陽芽姉ちゃんが答えた。
「では、そのための池を新しく掘るとしよう」
「そんなに池を掘らせてもらえる?」
「何、お父上もいまさらダメとは言わんさ。なあ、弟よ?」
キラキラ光る目で見られておれは思わず顔をそらす。
「……まあ、たぶん」
たぶんどころか確実にOKを出すだろう。親父は妙に陽芽姉ちゃんが気に入っているらしく、やけに肩入れしているのだ。陽芽姉ちゃんが頼めば二つ返事で承知するにちがいない。
「では、今度の日曜には皆で池掘りだな。ショベルをもって乗り込もうではないか」
と、陽芽姉ちゃんが腕を突きあげて宣言する。
――五人そろってショベルをもってバスに乗り込んだりしたら、警察に通報されないか?
おれは思わずそう思ったのだった。
雪森がそう言ってくれたのでおれはホッとした。これでようやく本題に戻れる。
イベントを行うには荷物を運ぶための車もいるし、許可もいる。その点は鈴沢の親に頼んで準備万端、整えてもらった。さすが、日本有数の大劇団の座長だけあってそのあたりは手馴れたものだった。車も運転手つきで貸してくれたし、開催許可もとってくれている。あとはおれたちが実行するだけだ。
「うむ、そうだな。弟をからかうのは楽しいが、いつまでもやっているわけにはいかん」
最初からやるな!
にらみつけるおれの眼光など無視して陽芽姉ちゃんは金子に向き直る。
「さて、少年。イベント担当としての意見はどうだ?」
「まずまずというところでしょうな、お姉さま。ただ、料理内容がもうひとつというところでしょうか。何か、目玉となるものがあれば完璧なのですが」
「ふむ。目玉か」
陽芽姉ちゃんが腕組みして首をかしげ、考え込む。その点では実はおれに隠し球がある。
「ああ、それでみんなに試してもらおうと別に用意しておいた料理があるんだ。ちょっとまっててくれ」
と、おれは盆の上に並べたお碗をみんなに配る。陽芽姉ちゃんはお碗のなかを興味深そうに覗き込む。
「これは何だ、弟よ?」
「『ぐずもち』って言うんだ」
「ぐずもち?」
「そう。ゴボウ・ニンジン・ダイコンをすりおろしてトウガラシをくわえて味噌味仕立てにした汁に、田んぼや水路でとれる雑魚を入れて、モチと一緒に煮込んだものだよ。宮城の郷土食だとかでね。死んだじいさんが好物で、小さい頃よく作ってたんだ」
秋田県の例にしても美少女イラストを用いただけで注目を浴びたわけじゃない。魅力ある資源があったればこそだ。おれたちのイベントにしても、メイドさんやスクール水着だけで成功するはずがない。魅力ある商品が必要だ。だから、おれも必死に考えたのだ。そしていきついたのがじいさん直伝の郷土料理。これがおれのフェイバリットだ。
「ほう」
陽芽姉ちゃんは興味をそそられた様子で小さく声をあげた。お碗を口元に運び、まずは目を閉じて香りをたしかめる。それから一口、すすった。目を閉じたまま、眉間に軽くしわを寄せてじっくりと味わっている。その仕草が何だか料理番組に出てくるソムリエのよう。おれは審査を受けている気分で妙に緊張してしまった。
「ふむ」
と、陽芽姉ちゃん。目を開けてうなずく。
ドクリ、とおれの心臓が高鳴った。
「なかなかイケる」
よっしゃあ!
おれはガッツポーズして叫んだ。
「たしかにおいしい」
雪森も静かにうなずきながらそう言った。
「だけど……」と、鈴沢。
「郷土食なんて本当? ぐずもちなんていままで聞いたことない」
「いまではほとんど知られてないみたいだからな。じいさんが子供の頃にはよく食べられていて、じいさんも小さい頃は小遣い稼ぎに田んぼや水路で雑魚をとっては料理していたそうだ。これはその直伝なんだ。場所によってはドジョウばかり入れるそうだけど、じいさん直伝のこのぐずもちはドジョウに限らず、メダカでも、小ブナでも、ヌマエビでも、とにかく田んぼや水路でとれるものは何でも入れる。これを目玉にしようと思うんだけど、どうかな?」
「いいと思う。おいしいし」と、雪森。
「あんたの作ったものにしてはマシね」
鈴沢もそう言った。『マシ』というのは鈴沢にとっては最大級の褒め言葉だ。
「うむ。私も同感だ。『幻の郷土食』というのはこのイベントにはピッタリだ。何より、『死んだ祖父どのの直伝』というのが涙をそそるではないか」
「でも……」と、雪森。小首をかしげている。
「何で『ぐずもち』なんて言うの?」
「『ぐず』って言うのはもともと、『色々なもの(魚)が交ざっている』っていう意味らしいな」
「イベントの目玉にするには響きが悪いんじゃない?」
うっ、たしかに。意味を知らなければノロマを意味する『グズ』に聞こえてしまう。
「ならば、名前をかえればよいのですよ、お姫さま」と、金子。
「『田からのもの』という意味で『たからもち』と名づけてはいかがでしょう?」
「ふむ。たからもちか。『田から』と『宝』をかけているわけだな。よろしい。それでいこう。よい案を出してくれて感謝するぞ、少年よ」
「ははっ。お褒めくださり、光栄です、お姉さま」
「では、このたからもちをメインに据えてイベントを開く。企画と宣伝は任せるぞ、少年」
「ははっ、お任せください。何しろ、このイベントにはお姉さま方のスクール水着姿というとっておきがあるのです。それさえあれば客などいくらでもよってくるというもの。イベント成功は疑いなしですとも」
金子のその言葉におれはやはり不吉な気分になった。
「……なあ。本当にスクール水着でイベントやるのか?」
「いまさら何を言っている、弟よ。すでに決めたことではないか」
「だけど……」
「なによ、あんた。あたしや、陽芽ちゃんや、弥生ちゃんの水着姿になにか不満があるわけ?」
と、鈴沢がにらみつけきた。鈴沢にはそこまでする義理も理由もないはずなのにイベントの話を聞いたとたん、『あたしもやる』と自分から参加してきた。やはり、劇団の娘としてイベントと聞くと放っておけないのだろうか。
それはまあ、おれだって、この三人の水着姿は見たい。生徒会長ふう美人の陽芽姉ちゃん、クールミント雪森、お人形のような鈴沢。タイプは違えどそれぞれ学園ナンバー1を競う美少女ばかり。その三人がそろって水着姿になる様はさぞかし壮観だろう。なまじなグラビア雑誌など足元にも及ぶまい。宣伝効果としてはこれ以上のものはない。おれとしては本来、歓迎すべきことなのだが……女の子たちにそこまでやらせるというのは男としてどうも忸怩たるものが……。
――でも、言っても聞かないだろうなあ。みんな、すっかりやる気だし。
おれは困ってしまった。と、別の言い方を思いついた。
「けどさ。それってオタク男には効果あるだろうけど、他の客層には逆効果なんじゃないか? とくに子供連れなんかきてくれなくなりそうだし」
「一理あるわね」
と、雪森。口元に手を当てて考え込む。
「でも、それなら、水着姿でおかしくないイベントを盛り込めば解決できるわ」
「ふむ。水着姿になる必然性を作るわけか」と、陽芽姉ちゃん。
「具体的にはどんなものかな?」
「魚のつかみ取りなんてどう?」
「魚のつかみ取り?」
鈴沢がうさんくさげに眉をよせた。
「そう。浅い池を作って、魚を放して、子供たちに素手で捕まえさせるの。そういうことやってる所、あるでしょう?」
と、雪森がおれに尋ねてくる。農業雑誌もよく読んでいる雪森はそういうことにもくわしい。
「……たしかにそういう例もあるけど」
けっこう、人気らしいのでおれとしては複雑な気分だ。
「ふむ。なるほど。それなら水着姿でおかしくないわけだな」
「水着姿っていうなら」と、鈴沢。
「ビーチバレーなんてどう?」
「おおっ、それはおもしろい。せっかく田んぼがあるのだ。田んぼに入ってビーチバレーならぬ田んぼバレーというのも一興だな」
「……何だか、みんな泥だらけになりそうだけど」と、雪森。
「それが楽しいのではないか。土砂降りのなか、泥にまみれてフットボールに興じたことはないのか?」
「ない」
「いかん! いかんぞ、弥生。あの楽しさを知らないなど人生を半分は損している。よし。私がたっぷりと教えてやろう。人生の美しさを発見できること受け合いだ」
スクール水着をやめさせるために言ったのに逆に盛りあげてしまった。何でこうなる⁉ おれは思わず頭を抱えた。
陽芽姉ちゃんが立ちあがった。黒板に向かい、チョークを手に取った。
「では、まとめるぞ。祭りに出すのは田んぼの生き物の料理、魚のつかみ取り、田んぼバレー。この三つだな」
「田んぼの生き物を水槽に入れたセットなんかも人気だそうよ」と、雪森。
「では、それも取り入れよう。他に意見は?」
「魚のつかみ取りをするにはSEED水田はちょっと深すぎると思うぞ。それに、花見の邪魔にもなるし」
――せめて、少しでも考え直してくれれば。
ほのかなおれの希望はしかし、あっさり打ち砕かれた。
「それを言うなら田んぼバレーの方がずっと問題ね。ネットも張ってあるから転んだりすると危ないし」
雪森が言うと陽芽姉ちゃんが答えた。
「では、そのための池を新しく掘るとしよう」
「そんなに池を掘らせてもらえる?」
「何、お父上もいまさらダメとは言わんさ。なあ、弟よ?」
キラキラ光る目で見られておれは思わず顔をそらす。
「……まあ、たぶん」
たぶんどころか確実にOKを出すだろう。親父は妙に陽芽姉ちゃんが気に入っているらしく、やけに肩入れしているのだ。陽芽姉ちゃんが頼めば二つ返事で承知するにちがいない。
「では、今度の日曜には皆で池掘りだな。ショベルをもって乗り込もうではないか」
と、陽芽姉ちゃんが腕を突きあげて宣言する。
――五人そろってショベルをもってバスに乗り込んだりしたら、警察に通報されないか?
おれは思わずそう思ったのだった。
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