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第二部 絆ぐ伝説
第二話一五章 元奴隷の覚悟
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「チッ。ハルベルトの野郎、よくもやってくれやがったな」
ガレノアは忌々しさと、不満と、怒りをごった煮にしたような口調でそう吐き捨てた。
相変わらず、『おれは女だ!』と名乗れば、世界中の男たちが嘆きの声をあげそうないかつい風貌。たくましい体つき。右目には眼帯。肩には鸚鵡。『これぞ海賊!』と言いたくなるような姿で『海の女』号の甲板を歩きまわりながらの呟きだった。
一年前とかわらないいかつい風貌のままとは言え、その表情には少々くたびれたような印象が滲んでいた。ガレノアはすでに四〇代。海賊としてはかなりの高齢だと言っていい。
実際、海賊の多くは一〇代、二〇代の若い世代である。四〇過ぎまで現役の海賊でいるのことはめずらしい。ほとんどの海賊は四〇の坂を越える前に捕まって縛り首になるか、海賊同士の争いで死ぬか、襲撃した際に返り討ちに遭うか、はたまた浴びるように酒を飲みつづけたせいで体を壊して廃業するか……という運命を迎えることになる。
なかには、うまいことお宝を手にして一財産作り、どこかの港町で結婚して余生を過ごす……ということもあるにはあるが、それはあくまで例外である。ほとんどの海賊はやはり、惨めな最後を迎えるものだ。
それを思えば、すでに四〇代のガレノアがくたびれた様子を見せるのは無理はない。とは言え、ガレノアがそんな表情を浮かべているのは自分の年齢が原因ではなかった。
「くそっ、ハルベルトの野郎。ポッと出の若造のくせに生意気しやがって」
苛々とそう呟きつつ甲板を蹴ってみせる。
主の怒りに応じるように肩の鸚鵡が一声、鳴いた。
肩の鸚鵡の羽ばたきながらの一声。これは、『海の女』号の海賊たちにとって警報でもある。
肩の鸚鵡が鳴くときは決まってガレノアの機嫌が『いたって』悪いときであり、そんなときには近づかない方が賢明であることを『海の女』号の海賊たちは知っている。女とは思えないその太い腕でぶっ飛ばされたくないのなら。
四〇を超えてなお、気性の荒さでも、腕っ節の強さでも『海の女』号の頂点に立っているガレノアだった。だからこそ、船員たちが船長の任命権を握っている海賊船でも長年にわたって船長をつづけていられるのだ。
この状態のガレノアに自分から近づくものなど『海の女』号にはひとりしかいない。そのひとりがいままさに、甲板の上に姿を現わした。そのことに甲板で折れたマストと破れた帆の修理をしている船員たちはホッと胸をなでおろした。
そのひとり、コックのミッキーはよれよれの服にずぶ濡れの体という格好で不機嫌極まりない船長の前に現れた。なんとも情けなさそうな表情と声で報告する。
「……やれやれ。お頭、どうにか船に空いた穴はふさぎましたぜ。これで、なんとか沈まずにすみまさあ」
「……そうか。ご苦労」
むっつり、不機嫌、ピリピリという三拍子そろった様子で、それでもそう答えたのは相手がミッキーだったからだ。他の船員、とくに乗って間もないような新人だったら気晴らしがわりにぶっ飛ばされていただろう。
ただひとり『船長にぶっ飛ばされない』という特権をもつミッキーは、それでも遠慮がちに船長に告げた。
「ねえ、お頭。さすがにもういい加減、どっかの国と契約を結んだらどうですかねえ?」
「なんだと⁉」
ミッキーの言葉に――。
ガレノアはたちまち怒声をあげた。ミッキーはあわてて両手を前に出すと、叫んだ。
「ま、まったまった、お頭! おれをぶっ飛ばしたらうまい飯が食えなくなりますぜ!」
船でコックを敵にまわしてはいけない。そんなことをすれば船員すべてが敵になる。
そう言われている。
海の上での船の暮らし。
それは海に出たことのない人間が想像する以上に退屈なものだ。
もちろん、海には雄大な景色や大雨に強風、大嵐、さらには伝説の生き物をはじめとする様々な怪異との遭遇など胸躍る出来事も数多くある。海賊船の場合、これらに加えて商船や港町への襲撃、海賊同士での殺し合い、といった出来事も加わる。
それだけを聞けば退屈する暇などない刺激的な毎日を送っているように聞こえるだろう。しかし、それらの出来事がないときの船の暮らしは本当に退屈なものだ。せまい船室に閉じ込められ、日がな一日することもなくボウッとして過ごすだけ。
それを差してこうも言われる。
『海の上の一日は陸での二日に相当する』
そんななかでの唯一の楽しみが食事である。
そのためにうまい料理を作れるコックは重宝されるし、尊重される。『コックを敵にまわせば、その船の船員全員を敵にまわすことになる』と、そう言われるのはそのためだ。
ある意味、船長よりも船員たちに支持され、大きな権力をもっているのが『船のコック』という存在なのだ。
その『名コック』であるミッキーが相手とあっては、さすが荒くれもののガレノアと言えど勢いのままにぶっ飛ばす……というわけにはいかない。怪我でもさせて料理できなくさせてしまえば、まちがいなくすべての船員から恨まれる。
そしてなにより、自分自身がうまい飯が食えなくなる!
自分にも、欲望にも正直なガレノアにとって、うまい飯が食えなくなるのはなんとしても避けたいところだった。となれば当然、ミッキーに手をあげるわけにはいかない。
「……わかってらあ。うまい飯が食えなくなるのは勘弁だからな」
そう言ってしぶしぶ拳をおろした。
ミッキーはホッと胸をなでおろした。
だからと言ってガレノアの不機嫌が治ったわけではなく、相変わらずの不満顔。そんなガレノア相手にミッキーはなおも言葉をつづけた。
「このままじゃさすがにヤバいですよ。ハルベルトの野郎はこの辺り一帯の海域の制覇を狙っている。このままじゃずっと狙われますぜ」
「それがどうした。このガレノアさまがあんなポッと出の若造相手に引きさがってたまるか」
「ボッと出の若造って点には同意しますがね。あいつはあれでもローラシア貴族の端くれだ。ローラシアと契約して支援もふんだんに受けている。船は三隻。武器弾薬の補給もたっぷり。それに引き替えこっちは、船はこの『海の女』号ただ一隻。補給もないから大砲どころか小銃さえそうそう撃てない。これじゃあ、いくらおれたちが経験で勝ると言っても勝ち目なんざねえですよ」
「だから、なんだってんだ」
「いや、だからですね、お頭。おれたちもいい加減、意地張ってないでどこかの国と契約して……」
どあほう!
と、ガレノアは怒鳴った。その一声だけで船体がビリビリ震え、骨組みが壊れて沈んでしまうのではないか。そう思わせるほどの大声だった。
「陸のやつらに尻尾を振れってのか⁉ おれたちはなんで海賊なんぞになった? 陸のやつらに散々、痛い目に遭わされて、そこから逃げるために海の世界に飛び込んだんだろうが。それなのに、いまさら陸のやつらに尻尾を振れってのか」
「ですがね、お頭。事実として、もうおれたちだけじゃやっていけないってのがあるんですよ。北の大陸で戦争がはじまって以来、どの国も海賊を取り込もうと躍起になってる。金も弾薬もどんどん渡して傘下に入れようとしている。海賊も海賊で報酬目当てにどんどん契約している。そのなかで独立独歩なんて言ったって無理な話ですよ。このままじゃ国からたっぷり補給を受けている連中から狙い撃ちされて沈められちまう。現に、ハルベルトの野郎にはもう少しで撃沈されるところだったじゃないですか」
せめて、おれたちだって武器弾薬の補給ぐらいは受けないと……。
そう語るミッキーだった。
しかし、ガレノアは決して首を縦に振ることはなかった。
「ダメだ。ダメだ、ダメだ、ダメだ! おれたちはみんな自分を痛めつけた陸の世界に対抗するために海賊をやっているんだ。その陸のやつらに尻尾を振って傘下に入るなんざ出来ねえ」
そんな真似をするやつは陸の世界への恨みを忘れたイヌっころだ。
そう吐き捨てるガレノアだった。
「しかしね、お頭……」
ミッキーはさらに船長を説得しようとした。そこへ、第三の声が加わった。まだ若い、精悍さを感じさせる男の声だった。
「おれは船長に賛成だ」
そう言ったのは背が高く、やせ形の、しかし、見事に筋肉の発達した体をもつ黒人の男だった。
操舵手のプリンスだった。
操舵手は船の命運を握る重要な役職であり、そのために船員たちの代表として船長に意見する立場にある。また、襲撃の際には切り込み隊の隊長ともなる。
「……プリンス」
ガレノアとミッキーが同時に言った。
『プリンス』というのはあだ名ではない。正真正銘、生まれたときに付けられた本名である。
プリンスはローラシア大公国の生まれだった。
ローラシア生まれの黒人は皆、そうだが、プリンスも生まれついての奴隷だった。奴隷の母から生まれ、一生、奴隷として過ごすことを運命づけられていた。北の大陸でももっとも身分制の厳しいローラシアでは、生まれた階級から転落することはあっても、上に行くことは決して許されないのだから。
奴隷主によって散々こき使われたあげく、一〇代の若さでガレー船の漕ぎ手として売り払われた。ガレー船では鎖で漕ぎ座と繋がれたうえ、わずかな水とカビの生えた堅パンとで一日中、櫂を漕がされた。
人生の転機は五年前。プリンスが漕ぎ手を務める船をたまたまガレノアが襲ったのだ。
生まれてはじめて自由になる機会を得たプリンスは監視人を斬ってガレノアに投降した。助けを求めての必死の亡命だった。
生まれてはじめて鎖から解放された若者にとって、『海の女』号での暮らしは天国だった。カビていないパンを食えたし、肉や酒もたらふく食えた。『奴隷』としてではなく『人間』として扱われた。誰に対しても這いつくばって許しを請う必要などなかった。
襲撃で活躍すれば他の船員からも認められ、褒めてもらえた。分け前の報酬も受け取れた。出世も出来た。そのすべてがいままでの人生からは考えられないものだった。
――ここが、おれの世界だ!
プリンスはそう思った。
その世界に居続けるために必死になった。襲撃では誰よりも先に突入し、成果をあげた。操舵術を必死に学んだ。そうして五年。その勇気と能力とは仲間たちにも認められ、二三歳の若さで操舵手という重要な地位に就くまでになった。
なお、『プリンス』という名前は母親ではなく、奴隷主によってつけられたものだ。
ローラシアの奴隷主たちは自分の所有する奴隷に子どもが生まれたとき、プリンス、キング、デューク、ジェネラル、ビショップと言った『高貴な』名前を好んでつけるのだ。
『プリンス』
高貴なるその名前で自分を呼ぶときの奴隷主やその家族の目を、かの人が忘れたことはない。
もちろん、奴隷主につけられた名前など捨てようと思えば捨てることは出来た。別の名前を名乗ることは出来た。しかし、かの人は『プリンス』のままでいることを選んだ。
――いつかきっと、『プリンス』という名にふさわしい存在になってやる!
その決意とともに。
そのプリンスにしてみれば陸の人間たちの傘下に入るなどとうてい耐えられないことだった。たとえ、死ぬことになろうとも。
「おれは船長に賛成だ、ミッキー」
プリンスは重ねて言った。
「おれは陸の世界に戻る気はない。黒人のおれが白人のあんた相手に普通に名前を呼んで話せるのも、ここが海の世界だからだ。陸の世界なら黒人のおれは白人のあんたを『旦那さま』と呼んで、いつだってへいこらしていなけりゃならない。どんな人間かなんて関係ない。おれが黒人であんたは白人。ただそれだけですべてが決まってしまう。そんな世界に戻ってたまるか。おれはもう決して鎖に繋がれることはない。白人を『旦那さま』と呼ぶこともしない。それぐらいなら戦って死ぬ」
「よく言った」
若き操舵手の決意にガレノアは心からの賛辞を贈った。
「このガレノアさまの一味ならそうでなくっちゃいけねえ。いいな、ミッキー。おれたちは決して陸の世界には屈しねえ。尻尾も振らねえ。海の掟に生き、海の掟に死ぬんだ」
「けどねえ、お頭……」
ミッキーなおも言おうとした。
そこへ、第四の声がした。
「ほっほっ、あきらめな、ミッキー。みんなの安全を思うお前さんの気持ちはわかるがの。ガレノア船長の頑固さはよく知ってるじゃろう」
「ドク……」
ミッキーはその人物に向かって言った。
この場合の『ドク』は『ドクター』の略であり、あだ名であり役職名でもある。名前はフィドロ。『海の女』号の医師兼床屋であり、自称・博物学者でもある。
やけに血色のよい肌をした丸々とした人物であり、頭はきれいにはげあがっている。その外見といい、柔和な表情といい『好々爺』という表現がぴったりくる。もっとも、まだ四〇を過ぎたばかりなので『爺』と言うには若すぎるのだが。
ドクの海賊としての経歴はガレノアに劣らず長い。まだ二〇代はじめの医学生の頃、たまたま乗っていた船が海賊に襲われ、捕虜とされた。貴重な医学生と言うことで無理やり仲間に引き込まれ、海賊とさせられた。
しばらくはその船で船医として働いていたのだが、その船をガレノアが襲撃した。その際ガレノアは事情を聞くと『港まで送ってやる。あとは好きにしな』と言い、ドクも陸に戻る気でいた。ところが、いざ港町に着くとなぜか船をおりることはなく、そのまま『海の女』号に居着いてしまった。
以来、『海の女』号の医師兼床屋として働きながら、自称・博物学者の肩書きの通り、立ちよった島々の生き物たちを観察し、日誌にしたためている。『海の女』号で結婚までしてしまい、いまでは妻と娘三人で『海の女』号で暮らしている。
ガレノアが海賊として名の知られる存在になったのは、本人の勇猛さもさることながら、ドクの医師としての腕の良さもあった。ドクひとりいるだけで船員たちは襲撃の際に怪我をして、その傷口が膿んで、腐り、高熱を発して死んでいく……という悪夢を怖れずに戦うことが出来るのだ。そのドクの言葉に――。
ガレノアはニヤリと笑って見せた。
「そういうこった。あきらめな、ミッキー」
はああああ、と、ミッキーは深いふかい溜め息をついたのだった。
それから気分をかえたくなったのだろう。ミッキーはいきなりまるでちがう話題を持ち出した。
「……そういやあ、あの小僧はどうなったんですかねえ」
あの小僧。
その言葉にガレノアの眉がピクリと動いた。
「……あの小僧。あいつか。騎士マークスの宝を見つけるとか言って、いきなり乗り込んできた」
「……そう言えば、いつの間にか見なくなっていたな」
「元気のいい、気持ちのよい子どもじゃったのになあ。うちの娘ともよく遊んでくれていて感謝していたんじゃが」
プリンスとドクもそう言った。
「たしか、マークスの幽霊船から引きあげたときにいなくなっていたんだったな」と、ガレノア。
「ええ。なんであのとき、あの小僧っ子がいないことに気がつかなかったのか不思議なんですがねえ。船を出したときにはもうどこにもいなかった。あのまま幽霊船に残っちまったんですかねえ。それとも、なにかまちがって海に落ちでもしたか……」
「……あれから、もう一年以上か」
ガレノアはかの人にはめずらしいしんみりした口調で言った。
「幽霊船に残ったにしろ、海に落ちたにしろ、あんなガキひとりで生き残れるわけもねえ。威勢のいい、見所のあるガキだったのに惜しいことをしたもんだぜ」
船長のその言葉に――。
ミッキーたちもしんみりした様子になった。
それをぶち破ったのは見張り番のあわてふためいた声だった。
「船長、大変です! 船が一隻、こっちにやってきます!」
「なんだと⁉ ハルベルトの野郎か⁉」
「ち、ちがいます、身分を示す旗はなにもあげていません。それに……」
「それに、なんだ!」
「帆を張っていません! そのくせ、ものすごい速度で近づいてくる。あれは天命船です!」
天命船。
その響きに――。
一同はざわついた。ガレー船や帆船とは比較にならない速度をもち、戦闘能力も格段に近い。各国家の最高戦力。
それが、天命船。
海軍戦力の切り札として、普段は秘蔵されており、めったに出港することはない。まちがっても海賊風情の手に入るような船ではない。例外はただひとつ、かの〝鬼〟だけだ。
その天命船が近づいてきていると言うことは……。
「まずい、船長! いまの状況で正規の海軍に襲われたらひとたまりもない!」
「天命船の砲撃を受けたら今度こそバラバラになってしまうしなあ」
プリンスが叫び、ドクが妙に呑気な口調で言った。ガレノアは毅然として指示した。
「落ち着け! 国の海軍なら一隻だけで動いているわけがねえ。必ず、艦隊を率いている。とにかく、相手が誰なのか確かめろ! すべてはそれからだ」
言われてミッキーは望遠鏡を片手に船縁に走りよった。海にずり落ちそうなぐらい身を乗り出して望遠鏡を覗いた。たちまち、驚愕の叫びがあがった。
「お頭! あれは、小僧だ! 例の小僧が乗ってやがりますぜ!」
ガレノアは忌々しさと、不満と、怒りをごった煮にしたような口調でそう吐き捨てた。
相変わらず、『おれは女だ!』と名乗れば、世界中の男たちが嘆きの声をあげそうないかつい風貌。たくましい体つき。右目には眼帯。肩には鸚鵡。『これぞ海賊!』と言いたくなるような姿で『海の女』号の甲板を歩きまわりながらの呟きだった。
一年前とかわらないいかつい風貌のままとは言え、その表情には少々くたびれたような印象が滲んでいた。ガレノアはすでに四〇代。海賊としてはかなりの高齢だと言っていい。
実際、海賊の多くは一〇代、二〇代の若い世代である。四〇過ぎまで現役の海賊でいるのことはめずらしい。ほとんどの海賊は四〇の坂を越える前に捕まって縛り首になるか、海賊同士の争いで死ぬか、襲撃した際に返り討ちに遭うか、はたまた浴びるように酒を飲みつづけたせいで体を壊して廃業するか……という運命を迎えることになる。
なかには、うまいことお宝を手にして一財産作り、どこかの港町で結婚して余生を過ごす……ということもあるにはあるが、それはあくまで例外である。ほとんどの海賊はやはり、惨めな最後を迎えるものだ。
それを思えば、すでに四〇代のガレノアがくたびれた様子を見せるのは無理はない。とは言え、ガレノアがそんな表情を浮かべているのは自分の年齢が原因ではなかった。
「くそっ、ハルベルトの野郎。ポッと出の若造のくせに生意気しやがって」
苛々とそう呟きつつ甲板を蹴ってみせる。
主の怒りに応じるように肩の鸚鵡が一声、鳴いた。
肩の鸚鵡の羽ばたきながらの一声。これは、『海の女』号の海賊たちにとって警報でもある。
肩の鸚鵡が鳴くときは決まってガレノアの機嫌が『いたって』悪いときであり、そんなときには近づかない方が賢明であることを『海の女』号の海賊たちは知っている。女とは思えないその太い腕でぶっ飛ばされたくないのなら。
四〇を超えてなお、気性の荒さでも、腕っ節の強さでも『海の女』号の頂点に立っているガレノアだった。だからこそ、船員たちが船長の任命権を握っている海賊船でも長年にわたって船長をつづけていられるのだ。
この状態のガレノアに自分から近づくものなど『海の女』号にはひとりしかいない。そのひとりがいままさに、甲板の上に姿を現わした。そのことに甲板で折れたマストと破れた帆の修理をしている船員たちはホッと胸をなでおろした。
そのひとり、コックのミッキーはよれよれの服にずぶ濡れの体という格好で不機嫌極まりない船長の前に現れた。なんとも情けなさそうな表情と声で報告する。
「……やれやれ。お頭、どうにか船に空いた穴はふさぎましたぜ。これで、なんとか沈まずにすみまさあ」
「……そうか。ご苦労」
むっつり、不機嫌、ピリピリという三拍子そろった様子で、それでもそう答えたのは相手がミッキーだったからだ。他の船員、とくに乗って間もないような新人だったら気晴らしがわりにぶっ飛ばされていただろう。
ただひとり『船長にぶっ飛ばされない』という特権をもつミッキーは、それでも遠慮がちに船長に告げた。
「ねえ、お頭。さすがにもういい加減、どっかの国と契約を結んだらどうですかねえ?」
「なんだと⁉」
ミッキーの言葉に――。
ガレノアはたちまち怒声をあげた。ミッキーはあわてて両手を前に出すと、叫んだ。
「ま、まったまった、お頭! おれをぶっ飛ばしたらうまい飯が食えなくなりますぜ!」
船でコックを敵にまわしてはいけない。そんなことをすれば船員すべてが敵になる。
そう言われている。
海の上での船の暮らし。
それは海に出たことのない人間が想像する以上に退屈なものだ。
もちろん、海には雄大な景色や大雨に強風、大嵐、さらには伝説の生き物をはじめとする様々な怪異との遭遇など胸躍る出来事も数多くある。海賊船の場合、これらに加えて商船や港町への襲撃、海賊同士での殺し合い、といった出来事も加わる。
それだけを聞けば退屈する暇などない刺激的な毎日を送っているように聞こえるだろう。しかし、それらの出来事がないときの船の暮らしは本当に退屈なものだ。せまい船室に閉じ込められ、日がな一日することもなくボウッとして過ごすだけ。
それを差してこうも言われる。
『海の上の一日は陸での二日に相当する』
そんななかでの唯一の楽しみが食事である。
そのためにうまい料理を作れるコックは重宝されるし、尊重される。『コックを敵にまわせば、その船の船員全員を敵にまわすことになる』と、そう言われるのはそのためだ。
ある意味、船長よりも船員たちに支持され、大きな権力をもっているのが『船のコック』という存在なのだ。
その『名コック』であるミッキーが相手とあっては、さすが荒くれもののガレノアと言えど勢いのままにぶっ飛ばす……というわけにはいかない。怪我でもさせて料理できなくさせてしまえば、まちがいなくすべての船員から恨まれる。
そしてなにより、自分自身がうまい飯が食えなくなる!
自分にも、欲望にも正直なガレノアにとって、うまい飯が食えなくなるのはなんとしても避けたいところだった。となれば当然、ミッキーに手をあげるわけにはいかない。
「……わかってらあ。うまい飯が食えなくなるのは勘弁だからな」
そう言ってしぶしぶ拳をおろした。
ミッキーはホッと胸をなでおろした。
だからと言ってガレノアの不機嫌が治ったわけではなく、相変わらずの不満顔。そんなガレノア相手にミッキーはなおも言葉をつづけた。
「このままじゃさすがにヤバいですよ。ハルベルトの野郎はこの辺り一帯の海域の制覇を狙っている。このままじゃずっと狙われますぜ」
「それがどうした。このガレノアさまがあんなポッと出の若造相手に引きさがってたまるか」
「ボッと出の若造って点には同意しますがね。あいつはあれでもローラシア貴族の端くれだ。ローラシアと契約して支援もふんだんに受けている。船は三隻。武器弾薬の補給もたっぷり。それに引き替えこっちは、船はこの『海の女』号ただ一隻。補給もないから大砲どころか小銃さえそうそう撃てない。これじゃあ、いくらおれたちが経験で勝ると言っても勝ち目なんざねえですよ」
「だから、なんだってんだ」
「いや、だからですね、お頭。おれたちもいい加減、意地張ってないでどこかの国と契約して……」
どあほう!
と、ガレノアは怒鳴った。その一声だけで船体がビリビリ震え、骨組みが壊れて沈んでしまうのではないか。そう思わせるほどの大声だった。
「陸のやつらに尻尾を振れってのか⁉ おれたちはなんで海賊なんぞになった? 陸のやつらに散々、痛い目に遭わされて、そこから逃げるために海の世界に飛び込んだんだろうが。それなのに、いまさら陸のやつらに尻尾を振れってのか」
「ですがね、お頭。事実として、もうおれたちだけじゃやっていけないってのがあるんですよ。北の大陸で戦争がはじまって以来、どの国も海賊を取り込もうと躍起になってる。金も弾薬もどんどん渡して傘下に入れようとしている。海賊も海賊で報酬目当てにどんどん契約している。そのなかで独立独歩なんて言ったって無理な話ですよ。このままじゃ国からたっぷり補給を受けている連中から狙い撃ちされて沈められちまう。現に、ハルベルトの野郎にはもう少しで撃沈されるところだったじゃないですか」
せめて、おれたちだって武器弾薬の補給ぐらいは受けないと……。
そう語るミッキーだった。
しかし、ガレノアは決して首を縦に振ることはなかった。
「ダメだ。ダメだ、ダメだ、ダメだ! おれたちはみんな自分を痛めつけた陸の世界に対抗するために海賊をやっているんだ。その陸のやつらに尻尾を振って傘下に入るなんざ出来ねえ」
そんな真似をするやつは陸の世界への恨みを忘れたイヌっころだ。
そう吐き捨てるガレノアだった。
「しかしね、お頭……」
ミッキーはさらに船長を説得しようとした。そこへ、第三の声が加わった。まだ若い、精悍さを感じさせる男の声だった。
「おれは船長に賛成だ」
そう言ったのは背が高く、やせ形の、しかし、見事に筋肉の発達した体をもつ黒人の男だった。
操舵手のプリンスだった。
操舵手は船の命運を握る重要な役職であり、そのために船員たちの代表として船長に意見する立場にある。また、襲撃の際には切り込み隊の隊長ともなる。
「……プリンス」
ガレノアとミッキーが同時に言った。
『プリンス』というのはあだ名ではない。正真正銘、生まれたときに付けられた本名である。
プリンスはローラシア大公国の生まれだった。
ローラシア生まれの黒人は皆、そうだが、プリンスも生まれついての奴隷だった。奴隷の母から生まれ、一生、奴隷として過ごすことを運命づけられていた。北の大陸でももっとも身分制の厳しいローラシアでは、生まれた階級から転落することはあっても、上に行くことは決して許されないのだから。
奴隷主によって散々こき使われたあげく、一〇代の若さでガレー船の漕ぎ手として売り払われた。ガレー船では鎖で漕ぎ座と繋がれたうえ、わずかな水とカビの生えた堅パンとで一日中、櫂を漕がされた。
人生の転機は五年前。プリンスが漕ぎ手を務める船をたまたまガレノアが襲ったのだ。
生まれてはじめて自由になる機会を得たプリンスは監視人を斬ってガレノアに投降した。助けを求めての必死の亡命だった。
生まれてはじめて鎖から解放された若者にとって、『海の女』号での暮らしは天国だった。カビていないパンを食えたし、肉や酒もたらふく食えた。『奴隷』としてではなく『人間』として扱われた。誰に対しても這いつくばって許しを請う必要などなかった。
襲撃で活躍すれば他の船員からも認められ、褒めてもらえた。分け前の報酬も受け取れた。出世も出来た。そのすべてがいままでの人生からは考えられないものだった。
――ここが、おれの世界だ!
プリンスはそう思った。
その世界に居続けるために必死になった。襲撃では誰よりも先に突入し、成果をあげた。操舵術を必死に学んだ。そうして五年。その勇気と能力とは仲間たちにも認められ、二三歳の若さで操舵手という重要な地位に就くまでになった。
なお、『プリンス』という名前は母親ではなく、奴隷主によってつけられたものだ。
ローラシアの奴隷主たちは自分の所有する奴隷に子どもが生まれたとき、プリンス、キング、デューク、ジェネラル、ビショップと言った『高貴な』名前を好んでつけるのだ。
『プリンス』
高貴なるその名前で自分を呼ぶときの奴隷主やその家族の目を、かの人が忘れたことはない。
もちろん、奴隷主につけられた名前など捨てようと思えば捨てることは出来た。別の名前を名乗ることは出来た。しかし、かの人は『プリンス』のままでいることを選んだ。
――いつかきっと、『プリンス』という名にふさわしい存在になってやる!
その決意とともに。
そのプリンスにしてみれば陸の人間たちの傘下に入るなどとうてい耐えられないことだった。たとえ、死ぬことになろうとも。
「おれは船長に賛成だ、ミッキー」
プリンスは重ねて言った。
「おれは陸の世界に戻る気はない。黒人のおれが白人のあんた相手に普通に名前を呼んで話せるのも、ここが海の世界だからだ。陸の世界なら黒人のおれは白人のあんたを『旦那さま』と呼んで、いつだってへいこらしていなけりゃならない。どんな人間かなんて関係ない。おれが黒人であんたは白人。ただそれだけですべてが決まってしまう。そんな世界に戻ってたまるか。おれはもう決して鎖に繋がれることはない。白人を『旦那さま』と呼ぶこともしない。それぐらいなら戦って死ぬ」
「よく言った」
若き操舵手の決意にガレノアは心からの賛辞を贈った。
「このガレノアさまの一味ならそうでなくっちゃいけねえ。いいな、ミッキー。おれたちは決して陸の世界には屈しねえ。尻尾も振らねえ。海の掟に生き、海の掟に死ぬんだ」
「けどねえ、お頭……」
ミッキーなおも言おうとした。
そこへ、第四の声がした。
「ほっほっ、あきらめな、ミッキー。みんなの安全を思うお前さんの気持ちはわかるがの。ガレノア船長の頑固さはよく知ってるじゃろう」
「ドク……」
ミッキーはその人物に向かって言った。
この場合の『ドク』は『ドクター』の略であり、あだ名であり役職名でもある。名前はフィドロ。『海の女』号の医師兼床屋であり、自称・博物学者でもある。
やけに血色のよい肌をした丸々とした人物であり、頭はきれいにはげあがっている。その外見といい、柔和な表情といい『好々爺』という表現がぴったりくる。もっとも、まだ四〇を過ぎたばかりなので『爺』と言うには若すぎるのだが。
ドクの海賊としての経歴はガレノアに劣らず長い。まだ二〇代はじめの医学生の頃、たまたま乗っていた船が海賊に襲われ、捕虜とされた。貴重な医学生と言うことで無理やり仲間に引き込まれ、海賊とさせられた。
しばらくはその船で船医として働いていたのだが、その船をガレノアが襲撃した。その際ガレノアは事情を聞くと『港まで送ってやる。あとは好きにしな』と言い、ドクも陸に戻る気でいた。ところが、いざ港町に着くとなぜか船をおりることはなく、そのまま『海の女』号に居着いてしまった。
以来、『海の女』号の医師兼床屋として働きながら、自称・博物学者の肩書きの通り、立ちよった島々の生き物たちを観察し、日誌にしたためている。『海の女』号で結婚までしてしまい、いまでは妻と娘三人で『海の女』号で暮らしている。
ガレノアが海賊として名の知られる存在になったのは、本人の勇猛さもさることながら、ドクの医師としての腕の良さもあった。ドクひとりいるだけで船員たちは襲撃の際に怪我をして、その傷口が膿んで、腐り、高熱を発して死んでいく……という悪夢を怖れずに戦うことが出来るのだ。そのドクの言葉に――。
ガレノアはニヤリと笑って見せた。
「そういうこった。あきらめな、ミッキー」
はああああ、と、ミッキーは深いふかい溜め息をついたのだった。
それから気分をかえたくなったのだろう。ミッキーはいきなりまるでちがう話題を持ち出した。
「……そういやあ、あの小僧はどうなったんですかねえ」
あの小僧。
その言葉にガレノアの眉がピクリと動いた。
「……あの小僧。あいつか。騎士マークスの宝を見つけるとか言って、いきなり乗り込んできた」
「……そう言えば、いつの間にか見なくなっていたな」
「元気のいい、気持ちのよい子どもじゃったのになあ。うちの娘ともよく遊んでくれていて感謝していたんじゃが」
プリンスとドクもそう言った。
「たしか、マークスの幽霊船から引きあげたときにいなくなっていたんだったな」と、ガレノア。
「ええ。なんであのとき、あの小僧っ子がいないことに気がつかなかったのか不思議なんですがねえ。船を出したときにはもうどこにもいなかった。あのまま幽霊船に残っちまったんですかねえ。それとも、なにかまちがって海に落ちでもしたか……」
「……あれから、もう一年以上か」
ガレノアはかの人にはめずらしいしんみりした口調で言った。
「幽霊船に残ったにしろ、海に落ちたにしろ、あんなガキひとりで生き残れるわけもねえ。威勢のいい、見所のあるガキだったのに惜しいことをしたもんだぜ」
船長のその言葉に――。
ミッキーたちもしんみりした様子になった。
それをぶち破ったのは見張り番のあわてふためいた声だった。
「船長、大変です! 船が一隻、こっちにやってきます!」
「なんだと⁉ ハルベルトの野郎か⁉」
「ち、ちがいます、身分を示す旗はなにもあげていません。それに……」
「それに、なんだ!」
「帆を張っていません! そのくせ、ものすごい速度で近づいてくる。あれは天命船です!」
天命船。
その響きに――。
一同はざわついた。ガレー船や帆船とは比較にならない速度をもち、戦闘能力も格段に近い。各国家の最高戦力。
それが、天命船。
海軍戦力の切り札として、普段は秘蔵されており、めったに出港することはない。まちがっても海賊風情の手に入るような船ではない。例外はただひとつ、かの〝鬼〟だけだ。
その天命船が近づいてきていると言うことは……。
「まずい、船長! いまの状況で正規の海軍に襲われたらひとたまりもない!」
「天命船の砲撃を受けたら今度こそバラバラになってしまうしなあ」
プリンスが叫び、ドクが妙に呑気な口調で言った。ガレノアは毅然として指示した。
「落ち着け! 国の海軍なら一隻だけで動いているわけがねえ。必ず、艦隊を率いている。とにかく、相手が誰なのか確かめろ! すべてはそれからだ」
言われてミッキーは望遠鏡を片手に船縁に走りよった。海にずり落ちそうなぐらい身を乗り出して望遠鏡を覗いた。たちまち、驚愕の叫びがあがった。
「お頭! あれは、小僧だ! 例の小僧が乗ってやがりますぜ!」
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