24 / 36
第四話 現実を知る
二四章 戦わないための旅立ち
しおりを挟む
アーデルハイドたちが鬼界島へと渡る日がやってきた。
鬼界島は数十年前のある日、なんの前触れもないままに海の上に現れ、そのままこの大陸へと接近してきた。そして、人類最大の防衛拠点であった沿岸の町エンカウンから望む海岸と地峡でつながった。鬼界島へ渡るならその地峡を使うのが一番、簡単で手っ取り早い。
とは言え、かつてのレオンハルト王国の領土はすでに、王都ユキュノクレストをのぞいた全体が鬼部の支配下にある。当然、エンカウンへと至る大地のいたるところに鬼部の軍勢が居座っている。そのなかを突っ切って鬼界島に向かうなど自殺行為。さすがのアーデルハイドもそこまで大胆な真似はしようとはしなかった。
「鬼界島に乗り込むと言うのに、鬼部の軍勢を怖れていてどうするの」
などと発言して周囲をあわてさせはしたが。
ともかく、周囲の勧めもあって迂回路をとることにした。レオンハルトの隣国、海岸沿いの国スミクトルの港町から小舟を使い、鬼界島に渡ることにした。
これは、いまもただひとり、鬼界島で偵察行動をつづけている逃げ兎ことアルノが鬼界島に侵入する際に使った手でもある。
鬼部という生き物は陸地にしか興味がないらしく、海に対してはまったく警戒していないことはすでにわかっている。
なにしろ、鬼界島のまわりには小舟ひとつ見かけられたことはないのだ。鬼部は海を警戒しないだけではなく、漁の類もしないらしい。食べるのはあくまでも人間。それが鬼部なのだ。
「鬼部が海に関心がないと言うのなら、海から奇襲をかけたらどうだ?」
そう言う意見は熊猛紅蓮隊が鬼界島に乗り込むずっと以前から根強く提案されては来た。しかし、鬼界島から続々と侵攻してくる鬼部の軍勢に対処することに精一杯で大規模な別働隊を編成する余裕がなかった。
また、大陸における人間同士の戦いはあくまでも内陸でのものであり、海を舞台にした戦いなどはなかった。そのために、『海軍』と呼べるほどの存在もなく、軍隊を運べるほどの船団を用意できなかった。
さらに、いくら鬼部が海に対して関心がないとは言っても、大船団を組織して送り込めばさすがに気付かれるのではないか。一度、警戒させてしまえばもう二度と奇襲をかける機会はあるまい。そもそも、鬼界島の地理も、鬼部の軍勢の位置もわからないのに奇襲など仕掛けても効果は見込めない。鬼界島の情報が集まり、攻めるべき地点が判明し、充分な効果が見込めるまでうかつな行動はしない方がいい……といった慎重論もあって、いままで実行されずに来た。
しかし、たった三人が小舟で乗り込む分にはそれらの問題はない。
そのことは逃げ兎が見事に侵入に成功したことからもはっきりしているし、その逃げ兎の報告によって『本当に』鬼部は海に対して警戒の目を向けていないこともわかっている。少人数でこっそり侵入する、と言う場合には現状ではこれが最良の方法であると言える。
アーデルハイドは港町に用意された小舟の上に佇み、同行者たちの訪れをまっていた。じっと海の彼方を見つめ、吹きくる風が髪をたなびかせる。その姿に――。
やってきたカンナとチャップはそろって『ほう……』と、溜め息をついた。
それほどに様になる姿。夭逝の天才画家が残された最後の命を注ぎ込んで描きあげた名画のように決まっている。単なる漁用の小舟に過ぎない舟が、アーデルハイドが乗っているというそれだけで海を征く女神を乗せた神代の船に見えてしまう。『人類随一の美貌』のもつ補正力のすさまじさである。
アーデルハイドがふたりの同行者に訪れに気がついた。視線を向け、短く口にする。
「来たわね」
その姿がやはり、女神のよう。人の魂をもつものなら黙ってひれ伏すしかない美しさに満ちている。
「カンナ。舟の扱いはお願いね」
「はい、任せてください!」
敬愛する女主人にそう言われ、カンナは力強く請け負った。〝歌う鯨〟の一員として、ゲンナディ内海に浮かぶ島で生まれ育ったカンナである。舟の扱いはお手の物だ。
一方でチャップのほうは緊張した面持ちだ。内陸の出身とあって舟に乗るのさえこれがはじめて。三年前、熊猛紅蓮隊の一員として鬼界島に乗り込んだときには鬼界島と海岸とをつなぐ地峡を渡った。
当時はまだエンカウンが陥落しておらず、人類の防衛拠点として――曲がりなりにも――機能していた。そのため、地峡を使って乗り込むのは簡単だった。舟を使う必要はなかったのだ。舟はまったくの未経験。それでいきなり海に出ようというのだ。緊張しない方がどうかしている。
これまでずっと男の振りをしていなければいけないという事情もあって、常に大きすぎる鎧を身にまとっていたチャップだが、さすがに小舟で海に出るとなれば鎧などまとっていられない。そもそも、もう男の振りをする必要もなくなったし、アーデルハイドから武器だけではなく防具も身につけていてはいけないと厳命されている。
「わたしたちは戦いに行くのではなく、鬼部を知りに行く。戦うための武器も、身を守るための防具も必要ありません」と。
と言うわけで、いまは飾り気のない私服姿である。長年、まといつづけてきた鎧を脱いでいるとあって心細そうだが、こればかりは仕方がない。
単純な作りの服だけに体の線がよくわかる。繊細な顔の作りといい、よく見ればたしかに女性のものだと言うことはわかるのだがなにぶん、何年にもわたって男の振りをしてきた身。男たちのなかに混じって生活していたとあって仕種の一つひとつが男っぽい。そのためにちょっと見にはやはり、少年のように見えるのだった。
カンナとチャップが舟に乗り込んだ。そんなふたりにアーデルハイドが話しかけた。
「出発前に確認しておくけど。武器はもっていないでしょうね?」
「えっ?」
アーデルハイドの言葉に――。
カンナの表情が引きつった。
「何度も言ったでしょう。わたしたちは戦いに行くのではなく鬼部を知りに行く。武器はもっていってはいけないと。守っているでしょうね?」
「も、もももちろんです、はい!」
カンナはあからさまにうろたえた。まっすくで素直な性格だけあって嘘やごまかしはできない質である。それ以上にひどいのがチャップで、誰が見ても一目で『図星を指された』ことがわかるぐらい慌てふためき、露骨に視線をそらしている。
「そう。それじゃあ、確認させてもらうわ」
「えっ? いや、ちょ、アーデルハイドさま……!」
「や、うわ、きゃああっ!」
小舟の上に若い娘ふたりの悲鳴が響いた。アーデルハイドの手練手管によっていともたやすく服を脱がされ、裸にむかれてしまった。アーデルハイドの手にした服からは護身用に短剣や暗殺用の暗器などが幾つも落ちてきた。
「何度も駄目だと言ったのにね」
アーデルハイドは手厳しい視線でふたりの同行者を見た。
「で、でも、やっぱり、護身用の武器ぐらいはないと……」
両手で自分の身を抱きしめ、肝心なところを隠しながらカンナが言った。その横ではチャップがやはり、両腕で自分を抱きしめた姿でうずくまっている。
「わたしたちは敵の本拠地に行くの。護身用の短剣なんかをもっていたとして、鬼部の群れに囲まれたら……役に立つと思う?」
「い、いえ……」
その状況では短剣どころか、巨大な両手剣をもっていても役には立たないだろう。
「だったら、もっていても意味はない。却って危険をますだけ。何度もそう言ったでしょう」
「……はい」
「これまでの経験から鬼部が食べるのは自分たちで狩った人間だけだと言うことがわかっている。無抵抗のまま捕えられた人間が食べられた例は確認されていない。武器をもって抵抗したりしたら『食べてください』と言っているようなものよ」
「……はい」
そう言われてはカンナとしてもうなずくしかない。
アーデルハイドははぎ取った服をふたりに返し、短剣や暗器はすべて海に放り投げた。チャップが急いで服を着込みながらアーデルハイドに尋ねた。
「で、でも、アーデルハイドさま……。服を脱がせるの、やたら慣れてません?」
「我がエドウィン家は婚姻政策で成りあがった。それがすべて」
言われてチャップはカンナにささやきかけた。
「な、なあ……。アーデルハイドさまって実はけっこう……」
カンナはチャップを睨み付けた。
「……その先を言ったら殺す」
第四話完
第五話につづく
鬼界島は数十年前のある日、なんの前触れもないままに海の上に現れ、そのままこの大陸へと接近してきた。そして、人類最大の防衛拠点であった沿岸の町エンカウンから望む海岸と地峡でつながった。鬼界島へ渡るならその地峡を使うのが一番、簡単で手っ取り早い。
とは言え、かつてのレオンハルト王国の領土はすでに、王都ユキュノクレストをのぞいた全体が鬼部の支配下にある。当然、エンカウンへと至る大地のいたるところに鬼部の軍勢が居座っている。そのなかを突っ切って鬼界島に向かうなど自殺行為。さすがのアーデルハイドもそこまで大胆な真似はしようとはしなかった。
「鬼界島に乗り込むと言うのに、鬼部の軍勢を怖れていてどうするの」
などと発言して周囲をあわてさせはしたが。
ともかく、周囲の勧めもあって迂回路をとることにした。レオンハルトの隣国、海岸沿いの国スミクトルの港町から小舟を使い、鬼界島に渡ることにした。
これは、いまもただひとり、鬼界島で偵察行動をつづけている逃げ兎ことアルノが鬼界島に侵入する際に使った手でもある。
鬼部という生き物は陸地にしか興味がないらしく、海に対してはまったく警戒していないことはすでにわかっている。
なにしろ、鬼界島のまわりには小舟ひとつ見かけられたことはないのだ。鬼部は海を警戒しないだけではなく、漁の類もしないらしい。食べるのはあくまでも人間。それが鬼部なのだ。
「鬼部が海に関心がないと言うのなら、海から奇襲をかけたらどうだ?」
そう言う意見は熊猛紅蓮隊が鬼界島に乗り込むずっと以前から根強く提案されては来た。しかし、鬼界島から続々と侵攻してくる鬼部の軍勢に対処することに精一杯で大規模な別働隊を編成する余裕がなかった。
また、大陸における人間同士の戦いはあくまでも内陸でのものであり、海を舞台にした戦いなどはなかった。そのために、『海軍』と呼べるほどの存在もなく、軍隊を運べるほどの船団を用意できなかった。
さらに、いくら鬼部が海に対して関心がないとは言っても、大船団を組織して送り込めばさすがに気付かれるのではないか。一度、警戒させてしまえばもう二度と奇襲をかける機会はあるまい。そもそも、鬼界島の地理も、鬼部の軍勢の位置もわからないのに奇襲など仕掛けても効果は見込めない。鬼界島の情報が集まり、攻めるべき地点が判明し、充分な効果が見込めるまでうかつな行動はしない方がいい……といった慎重論もあって、いままで実行されずに来た。
しかし、たった三人が小舟で乗り込む分にはそれらの問題はない。
そのことは逃げ兎が見事に侵入に成功したことからもはっきりしているし、その逃げ兎の報告によって『本当に』鬼部は海に対して警戒の目を向けていないこともわかっている。少人数でこっそり侵入する、と言う場合には現状ではこれが最良の方法であると言える。
アーデルハイドは港町に用意された小舟の上に佇み、同行者たちの訪れをまっていた。じっと海の彼方を見つめ、吹きくる風が髪をたなびかせる。その姿に――。
やってきたカンナとチャップはそろって『ほう……』と、溜め息をついた。
それほどに様になる姿。夭逝の天才画家が残された最後の命を注ぎ込んで描きあげた名画のように決まっている。単なる漁用の小舟に過ぎない舟が、アーデルハイドが乗っているというそれだけで海を征く女神を乗せた神代の船に見えてしまう。『人類随一の美貌』のもつ補正力のすさまじさである。
アーデルハイドがふたりの同行者に訪れに気がついた。視線を向け、短く口にする。
「来たわね」
その姿がやはり、女神のよう。人の魂をもつものなら黙ってひれ伏すしかない美しさに満ちている。
「カンナ。舟の扱いはお願いね」
「はい、任せてください!」
敬愛する女主人にそう言われ、カンナは力強く請け負った。〝歌う鯨〟の一員として、ゲンナディ内海に浮かぶ島で生まれ育ったカンナである。舟の扱いはお手の物だ。
一方でチャップのほうは緊張した面持ちだ。内陸の出身とあって舟に乗るのさえこれがはじめて。三年前、熊猛紅蓮隊の一員として鬼界島に乗り込んだときには鬼界島と海岸とをつなぐ地峡を渡った。
当時はまだエンカウンが陥落しておらず、人類の防衛拠点として――曲がりなりにも――機能していた。そのため、地峡を使って乗り込むのは簡単だった。舟を使う必要はなかったのだ。舟はまったくの未経験。それでいきなり海に出ようというのだ。緊張しない方がどうかしている。
これまでずっと男の振りをしていなければいけないという事情もあって、常に大きすぎる鎧を身にまとっていたチャップだが、さすがに小舟で海に出るとなれば鎧などまとっていられない。そもそも、もう男の振りをする必要もなくなったし、アーデルハイドから武器だけではなく防具も身につけていてはいけないと厳命されている。
「わたしたちは戦いに行くのではなく、鬼部を知りに行く。戦うための武器も、身を守るための防具も必要ありません」と。
と言うわけで、いまは飾り気のない私服姿である。長年、まといつづけてきた鎧を脱いでいるとあって心細そうだが、こればかりは仕方がない。
単純な作りの服だけに体の線がよくわかる。繊細な顔の作りといい、よく見ればたしかに女性のものだと言うことはわかるのだがなにぶん、何年にもわたって男の振りをしてきた身。男たちのなかに混じって生活していたとあって仕種の一つひとつが男っぽい。そのためにちょっと見にはやはり、少年のように見えるのだった。
カンナとチャップが舟に乗り込んだ。そんなふたりにアーデルハイドが話しかけた。
「出発前に確認しておくけど。武器はもっていないでしょうね?」
「えっ?」
アーデルハイドの言葉に――。
カンナの表情が引きつった。
「何度も言ったでしょう。わたしたちは戦いに行くのではなく鬼部を知りに行く。武器はもっていってはいけないと。守っているでしょうね?」
「も、もももちろんです、はい!」
カンナはあからさまにうろたえた。まっすくで素直な性格だけあって嘘やごまかしはできない質である。それ以上にひどいのがチャップで、誰が見ても一目で『図星を指された』ことがわかるぐらい慌てふためき、露骨に視線をそらしている。
「そう。それじゃあ、確認させてもらうわ」
「えっ? いや、ちょ、アーデルハイドさま……!」
「や、うわ、きゃああっ!」
小舟の上に若い娘ふたりの悲鳴が響いた。アーデルハイドの手練手管によっていともたやすく服を脱がされ、裸にむかれてしまった。アーデルハイドの手にした服からは護身用に短剣や暗殺用の暗器などが幾つも落ちてきた。
「何度も駄目だと言ったのにね」
アーデルハイドは手厳しい視線でふたりの同行者を見た。
「で、でも、やっぱり、護身用の武器ぐらいはないと……」
両手で自分の身を抱きしめ、肝心なところを隠しながらカンナが言った。その横ではチャップがやはり、両腕で自分を抱きしめた姿でうずくまっている。
「わたしたちは敵の本拠地に行くの。護身用の短剣なんかをもっていたとして、鬼部の群れに囲まれたら……役に立つと思う?」
「い、いえ……」
その状況では短剣どころか、巨大な両手剣をもっていても役には立たないだろう。
「だったら、もっていても意味はない。却って危険をますだけ。何度もそう言ったでしょう」
「……はい」
「これまでの経験から鬼部が食べるのは自分たちで狩った人間だけだと言うことがわかっている。無抵抗のまま捕えられた人間が食べられた例は確認されていない。武器をもって抵抗したりしたら『食べてください』と言っているようなものよ」
「……はい」
そう言われてはカンナとしてもうなずくしかない。
アーデルハイドははぎ取った服をふたりに返し、短剣や暗器はすべて海に放り投げた。チャップが急いで服を着込みながらアーデルハイドに尋ねた。
「で、でも、アーデルハイドさま……。服を脱がせるの、やたら慣れてません?」
「我がエドウィン家は婚姻政策で成りあがった。それがすべて」
言われてチャップはカンナにささやきかけた。
「な、なあ……。アーデルハイドさまって実はけっこう……」
カンナはチャップを睨み付けた。
「……その先を言ったら殺す」
第四話完
第五話につづく
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる