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第4章 幼馴染と言うものはそれ以上、それ以下でもない
024 幼馴染と言うのはそれ以上、それ以下でもないⅥ
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春は読み始めると一気に周りは静かになった。うわー、ものすごく静かだ。それで俺は疲れた。
「総司」
と、春は言った。
「ん……。これ起動させておいて。こういう機械系は情報化の得意分野でしょ。私は説明書を読むのに忙しいから」
ほったらかしにされている府天道ウオッチは机の上にそのまま置かれていた。春はじっくりと説明書を読みながらぶつぶつ呟いている。
「あれをこう動かして……。そこで起動させる。こっちの操作の仕方はドリフト時にRボタンを押しながら……」
冬月はいつもどおり読書をしており、善政《よしまさ》は研究室の隅っこの方で畳の上で棋譜を見ながら将棋の研究をしている。夏目はイヤホンして、スマホゲームをしていた。要するに俺以外は自分の世界に入っているということだ。こいつら……。
「分かった。じゃあ、先に適当に操作しておくぞ」
そう言いながら、パッケージを開けてゲームソフトを取り出し、コントローラーは両端にあるのがそうらしい。二人プレイが出来るように外れるようになっている。
そして、俺は電源ボタンを探して起動し、画面が光った。
まあ、そんな感じで試しに起動してみると何か懐かしい感覚でゲームをやり始めた。データを見てみると、さすがにこのプレイ時間はあり得ないだろうと驚いた。総合時間二四七時間三八分、キャラクター全種コンプリート、カート全種コンプリート、グランプリ、その他もろもろほぼ全てクリアされている。
あの人、何者だよ……。その前に社会人にこんなに遊べる時間があるのか?
俺はこの研究室で一番謎なのはやはりこの先生だということに改めて考え直し、そして未だに誰も知ろうともしない。最初から始めるよりほとんど完璧の状態で保存されているデータをロード、プレイヤー名を見ると「ひふみん」と書いてあった。ひふみんって将棋界のレジェンドかよと呆れていた俺は適当に操作しながら春が声をかけてくるのを待った。
「冬月、お前も試しにやってみるか?」
ソファーの向かい側に座って本を読んでいる冬月に訊いてみた。
「遠慮しておくわ。興味すらないもの」
こちらを見向きもしない。さすがに誰にも同じような接し方をする冬月梓はいつになったら冷徹な口調を直すんだろうな。
そして、俺はコースと緑色のカエルみたいなキャラクターを選択してゲームをスタートした。
早くマスターすればいいのよ。どんな手を使ってでも勝てば文句ないわ。要するに勝てばいいのよ、勝てば……。と、春の言葉が蘇る。
ま、天真爛漫な彼女の性格が何事にも流されなく、我が道を進んでいくんだろう。
適当にスタートし始めたレースはカーブの時、ドリフトして加速し、アイテムボックスを獲得して、相手との距離を広げていく。このレースは同じコースを三周するがその中で近道やトラップが様々なところに存在している。
意外とゲーセンのあるのと似ているところはあるが難易度はこっちの方が高いな。
ワンプレイ約五分間を一位で勝利すると成績を確認して俺はゲームを終了させると祖父とを抜き、ウオッチの電源を切って、背もたれに寄り掛かりソファーで横になった。
ん?何か頭の後ろが異常に温かい感触がある。閉じていた目を開くと春の顔が目の前に現れて少し怒っているような表情をしていた。俺にとってはわざとではないと言おうとしたが見事に先に手を出された。
「周りには少し、気を配りなさい」
春の性格とは正反対の言葉が飛び交ってきた。俺は手で顔を防御しようと両腕で壁を作るが受けた衝撃は物凄く痛かった。
「ほらどいて、動けないでしょ」
春は俺の頭をどけるとせっせとゲーム機に手を伸ばすとせっせとソフトをセットし、電源を起動させて、夢中になってゲームをやり始めた。横に座って、殴られた両腕を手で擦りながら冷たい視線で冬月に睨まれた。これは俺が軽蔑されているという証拠だ。
俺は隅っこで自分の世界に入っている善政の所に行った。
「それでどうだった?春はまた、面倒ごとにならなかったか?」
善政が難しい顔をして将棋を一人で指していた。詰将棋の本を見ながら一手ずつどんどん進めていく。俺は邪魔しないように向かい側に座って、
「まあ、さっき色々とあったが危害はあまりないだろう。でも、保障はできない」
「そうか。俺の予想はマイナスの方へと進んでいる気がするが事が簡単に済むといいんだけどな」
確かにそれはあり得るが簡単に終わらないのが春じゃないのか。
「確かにそれもそうだ。俺は静かさと平穏の日常があればそれでよい」
それは無理だろう、なんせあの性格だろ?
「納得」
頷きながらお盆の上に置いてあった緑茶を飲んだ。
「俺は自分の代わりにお前が犠牲になってくれることを願っている。俺はこれでも忙しい身だからな」
それは俺の事はどうなってもいいというわけか。なんと冷たい奴なんだ。
女子がいる方を見ると、春はイヤホンをしながら夢中になってゲームをしていた。
「総司」
と、春は言った。
「ん……。これ起動させておいて。こういう機械系は情報化の得意分野でしょ。私は説明書を読むのに忙しいから」
ほったらかしにされている府天道ウオッチは机の上にそのまま置かれていた。春はじっくりと説明書を読みながらぶつぶつ呟いている。
「あれをこう動かして……。そこで起動させる。こっちの操作の仕方はドリフト時にRボタンを押しながら……」
冬月はいつもどおり読書をしており、善政《よしまさ》は研究室の隅っこの方で畳の上で棋譜を見ながら将棋の研究をしている。夏目はイヤホンして、スマホゲームをしていた。要するに俺以外は自分の世界に入っているということだ。こいつら……。
「分かった。じゃあ、先に適当に操作しておくぞ」
そう言いながら、パッケージを開けてゲームソフトを取り出し、コントローラーは両端にあるのがそうらしい。二人プレイが出来るように外れるようになっている。
そして、俺は電源ボタンを探して起動し、画面が光った。
まあ、そんな感じで試しに起動してみると何か懐かしい感覚でゲームをやり始めた。データを見てみると、さすがにこのプレイ時間はあり得ないだろうと驚いた。総合時間二四七時間三八分、キャラクター全種コンプリート、カート全種コンプリート、グランプリ、その他もろもろほぼ全てクリアされている。
あの人、何者だよ……。その前に社会人にこんなに遊べる時間があるのか?
俺はこの研究室で一番謎なのはやはりこの先生だということに改めて考え直し、そして未だに誰も知ろうともしない。最初から始めるよりほとんど完璧の状態で保存されているデータをロード、プレイヤー名を見ると「ひふみん」と書いてあった。ひふみんって将棋界のレジェンドかよと呆れていた俺は適当に操作しながら春が声をかけてくるのを待った。
「冬月、お前も試しにやってみるか?」
ソファーの向かい側に座って本を読んでいる冬月に訊いてみた。
「遠慮しておくわ。興味すらないもの」
こちらを見向きもしない。さすがに誰にも同じような接し方をする冬月梓はいつになったら冷徹な口調を直すんだろうな。
そして、俺はコースと緑色のカエルみたいなキャラクターを選択してゲームをスタートした。
早くマスターすればいいのよ。どんな手を使ってでも勝てば文句ないわ。要するに勝てばいいのよ、勝てば……。と、春の言葉が蘇る。
ま、天真爛漫な彼女の性格が何事にも流されなく、我が道を進んでいくんだろう。
適当にスタートし始めたレースはカーブの時、ドリフトして加速し、アイテムボックスを獲得して、相手との距離を広げていく。このレースは同じコースを三周するがその中で近道やトラップが様々なところに存在している。
意外とゲーセンのあるのと似ているところはあるが難易度はこっちの方が高いな。
ワンプレイ約五分間を一位で勝利すると成績を確認して俺はゲームを終了させると祖父とを抜き、ウオッチの電源を切って、背もたれに寄り掛かりソファーで横になった。
ん?何か頭の後ろが異常に温かい感触がある。閉じていた目を開くと春の顔が目の前に現れて少し怒っているような表情をしていた。俺にとってはわざとではないと言おうとしたが見事に先に手を出された。
「周りには少し、気を配りなさい」
春の性格とは正反対の言葉が飛び交ってきた。俺は手で顔を防御しようと両腕で壁を作るが受けた衝撃は物凄く痛かった。
「ほらどいて、動けないでしょ」
春は俺の頭をどけるとせっせとゲーム機に手を伸ばすとせっせとソフトをセットし、電源を起動させて、夢中になってゲームをやり始めた。横に座って、殴られた両腕を手で擦りながら冷たい視線で冬月に睨まれた。これは俺が軽蔑されているという証拠だ。
俺は隅っこで自分の世界に入っている善政の所に行った。
「それでどうだった?春はまた、面倒ごとにならなかったか?」
善政が難しい顔をして将棋を一人で指していた。詰将棋の本を見ながら一手ずつどんどん進めていく。俺は邪魔しないように向かい側に座って、
「まあ、さっき色々とあったが危害はあまりないだろう。でも、保障はできない」
「そうか。俺の予想はマイナスの方へと進んでいる気がするが事が簡単に済むといいんだけどな」
確かにそれはあり得るが簡単に終わらないのが春じゃないのか。
「確かにそれもそうだ。俺は静かさと平穏の日常があればそれでよい」
それは無理だろう、なんせあの性格だろ?
「納得」
頷きながらお盆の上に置いてあった緑茶を飲んだ。
「俺は自分の代わりにお前が犠牲になってくれることを願っている。俺はこれでも忙しい身だからな」
それは俺の事はどうなってもいいというわけか。なんと冷たい奴なんだ。
女子がいる方を見ると、春はイヤホンをしながら夢中になってゲームをしていた。
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