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番外編 新たな時代を切り拓く一歩
秘密を抱えて生きている
会議は滞りなく終わった。
現場検証を終えた騎士と魔導士たちは順に状況を説明した。あれから得られた情報は少なかったという。いや、新規で得られた情報はほぼなかったといっても過言ではなかった。
すべての証拠がきれいさっぱり消えていた。
もしかすると、黄金に変える魔法を使った魔導士は遠隔で『対象者が特定の行動をとった場合発動する魔法』を事前にかけていたのではないか、その可能性が高いという結論に至った。遠隔で魔法をかけることは可能なのかどうか。魔塔の職員はかつてそのような魔法が存在したことと、どのように魔法をかけるのかという説明を事細かにしてくれた。それに対して異論はなかったし、そういう可能性も視野に入れておくべきだと新たな知見を得た。
となれば、あの場にはすでに黄金の魔法を使う魔導士はいなかったという可能性も出てきたということ。しかし、黄金像に変えられた男がその特定の行動をとるとは思えない。以前から目をつけていて魔法をかけており、そしてその行動をとってしまったがために黄金化した……ということも考えられなくはないが。
俺たちが疑問に上げていた、魔法を使った犯人はどこ行った問題はこれにて一応の結論が出た。
それにしても、遠隔で魔法を使える魔導士は限られており、それこそステュルカ聖王国のタル所属の人間ではないかという問題が浮上したのだ。
タルに裏切り者がいるという可能性については会議の場で出すことはなかった。これは俺たちがまだ考えている途中の段階のものであり、議論に出すのは少々説得力と現実味の描けるものだったからだ。
まあ、つまり犯人はあの場にいなかったかもしれない。そして、犯人の目的は不明。
この二点だけは皆が共通で認識したことだった。
黄金像の詳しい解析については後日魔塔が担当することとなった。また、黄金像は純金のため当初想定していた人数では運べず、急遽人手を増やして運んだそうだ。現在は誰も触れられないようにとショーケースに入れて保管しているそうだ。
会議が終わるころには日が沈み始めていた。
宮殿の廊下は真っ赤に染まり、ところどころオレンジ色を帯びていた。俺はセシルの隣を歩き、その後ろをゼラフが付いてきている。
「ヴィルベルヴィントは公爵邸に戻るのだろう? 反対方向じゃないか?」
「そりゃあ、俺はニルの護衛だからな。二人を送り届けてから帰るんだよ」
「何かと理由をつけてここにとどまろうとしているのがバレバレだ」
「どうだっていいじゃねえか。それで? 今回の会議について思うところは何もなかったか?」
「正直期待はしていなかったからな。結果に文句はない」
「相変わらず温度の感じねえ声色だな」
ゼラフはセシルに文句を言いつつ、頭の後ろで腕を組んだ。
俺はどちらかと言えば期待していたため、何も情報がなかったことに関して少し残念だなと思っている。なにか見つかればよかったが、俺たちが想像しての通りだった。それ以上でもそれ以下でもなかったのだ。
また不可思議な事件が一つ増えた。これが解明されるまでどれほどの時間がかかるのだろうか。
(情報が少なすぎる。それに、たくさんのことが一気に起こりすぎだ……)
ステュルカ聖王国の襲撃にしろ、そうでないにしろ、竜関係のこともあるため常に何かの事件と向き合い続けなければならない。いつか心身ともに疲弊して倒れてしまうのではないかと思う。
ゼラフは、ふぁあ……と気の抜ける欠伸をしており、まったくと言っていいほど緊張感がない。
「ゼラフも、セシルと同じ考え?」
「あ? ああ、そうだな。期待はしてなかった。俺が何か見落としているっつう可能性もあったが、それもなかったみたいだしな。そこはよかったんじゃねえかって」
「あの数分で情報を収集できる君の能力は高く買ってるよ。そっか……」
セシルとゼラフは同意見のようだった。
あの場にいた人たちも皆あのおかしな状況に頭を悩ませていた。
「あの侍女はどうだった? 変なことなかった?」
「ああ、侍女がそもそも犯人という説か。それも考えたが、変装魔法を使っている感じもなかったしな。魔塔の女性職員に申し訳ないが頬を引っ張ってもらったが、全く問題はなかった。だから嘘をついている可能性は極めて低い」
「じゃあ、本当に犯人はどこに行ったんだろうね」
犯人は消えた。
遠隔で魔法を使っていたにしろ、何かしらの痕跡が残っているのが不思議なのに。
廊下には俺たちの歩く足音だけが響いていた。
「そういや、皇帝陛下はもうあの視線は感じねえのかよ」
「今は感じないな。別に毎日、毎時間と感じているわけではない。ふとした時に感じる程度だ」
「人間の視線……に近いって言ってたよねん。それこそ、遠隔魔法で誰かがセシルのことを監視している、とか」
「あり得るかもしれないな。だが、一人でいるときが多い。いや、一度か二度、ニルと一緒にいるときに感じたこともあったが」
「馬車に乗っている時のことだよね」
俺が訊ねれば「ああ」と短く返した。
それからセシルはしばらく歩いたところで、ぴたりと足を止めた。どうしたのだろうと、彼の顔を覗き込もうとしたとき、彼のきれいな唇がひらかれた。
「ヴィルベルヴィント、死者を蘇生する魔法はあるのか?」
いきなりの質問に、俺もゼラフも戸惑いを覚える。
何の脈絡もない質問をしたセシルはゼラフのほうを向こうとはしなかった。ただ、その質問を虚空に投げ、もし答えてくれたら嬉しい……と期待半分といった具合に見ているようだ。
セシルの顔は、影がかかってあまりよく見えない。
「何でそんな質問してきたんだよ」
「答えてくれ。応えるつもりがないならそれでもかまわない」
「……ない、とは言い切れねえよ。でも、それは禁忌の魔法だ。人を生き返らせるっつぅのは、魔法を超えた奇跡みてえなもんだからな。だが、魔法がそもそも奇跡を具現化したものだ。不可能とは言い切れねえ。ただ、そんなことすれば生き返らせた張本人になにかしらの災厄が降り注いでもおかしくねえ。だって、人を一人生き返らせるんだぜ? 帳尻を合わせる必要がある。まあ、それは人間が帳尻を合わせるというよりも、この世界の理そのものがそうしているんだろうな」
「見たことがあるのか? 人を蘇生したところを。もしくは、ヴィルベルヴィントが」
「俺がそんなことするわけねえだろ? つか、そんなことしたら俺がまずこの世から消えてる。言っただろ、帳尻を合わせるんだよ。一人生き返らせるなら、一人消えなきゃいけねえ。それが、禁忌の魔法――人を生き返らせる魔法だ」
ゼラフは淡々とそう告げた。
ローズクォーツの瞳は怪しく光っており、何故そんな質問を投げたのかとセシルを睨んでいるようにも思う。
帳尻を合わせる、禁忌の魔法。
人を生き返らせることは不可能ではない。だが、代償が伴う。
当たり前と言えば当たり前のようなものだ。そんな人にとって都合のいい魔法が誰でも簡単に使えてしまったら、それこそ人を生き返らせ放題だし、この世界の死生観は崩壊しているだろう。
でも、魔法に縋ってでも生き返らせたい人がいること、生き返ってほしい人がいるっていうのはわからなくもない。大切な人の喪失は、自分の人生の半分がごっそりと持っていかれるような感覚だろうから。藁にも縋る思いでその禁忌の魔法に手を染める人間はいるだろう。
しかし、それは自分の命を引き換えにして――
「セシル、ど、どうしてそんなこと聞いたの?」
「少し気になったんだ。視線のこと……と少し関係しているだろうか。まだ、俺も確証はないのだが」
「なくはねえよ。実際に試そうとしたやつはたくさんいるだろうよ。大切な人を失って、人生に絶望して……藁にもすがる思いで禁忌の魔法に手を染めるやつはいる。だが、大抵思いが強かったとしても魔力量がないから途中で失敗しちまう。その場合でも、何かしらの対価を払うことになる」
「……さすがは禁忌の魔法だな。まあ、そうだろうな。強い思いがあれば魔法を発動させる条件として片方は満たすことになる。だが、魔力量がなければ完全発動まではいかないと」
「そう言うことだよ。皇帝陛下がなんでそんな魔法について聞いたかは知らねえけど、結論として言うなら死者をよみがえらせる魔法はあるぜ? だが、よっぽどのことがない限り成功もしなけりゃ、手を染めるやつもいない。死んだ人間は普通は生き返らないんだからな」
「そうだな。それが世の理だ」
セシルは納得したように頷いて俺のほうを見た。
また、心配をかけたなと言わんばかりの顔で俺を見てくる。ちょっと意地悪だと思った。確証がないから俺に話せない、話したくないという気持ちが彼の中にあるのはよく分かる。でも、その不安を少しでも取り除けたらと俺は思っているのだ。だから話してほしい。何でもいい。俺は彼の聞き手に回りたかった。しかし、彼はそれをさせてくれないというのだ。
死者をよみがえらせる魔法。以前もそのような魔法があることは聞いたことがあった気がした。だからそこまで驚きはしなかったが、セシルの口からそんなものが飛び出してくるなど思っていなかったのだ。以前口にしたときは、禁忌の魔法など……といった具合に否定していた気がしたからだ。
なにか心境の変化でもあったのだろうか。
俺が死んだときに使う……とも考えたが、彼がフィルマメントを置いていくような真似はしないこと、そして俺が生き返っても自分が死んでしまっては意味がないことを知っているため、そんな馬鹿なことはしないだろうと確信している。
なら、何故そんなことを聞いたのか。謎が深まるばかりだ。
「セシル……」
「ニル、すまないな。こんな話ばかりしてしまって」
「ううん、セシルが何かしら気になっていたことなんでしょ? だったら、俺は何も言わないよ。もちろん、気になっていないって言ったら嘘になるけど」
「何かつかめたら真っ先にニルに話そう。それは約束しよう」
「ありがとう……その言葉、信じるね」
やはりまだ彼は掴みかねているようだった。自分の素入りがあっているかもわからない。そんな状況で話せないと思っている様子だ。
セシルのことは一番よく見てきたはずなのに、今回ばかりはなにを考えているか分からなかった。優しくて強くて、俺のことを第一に思ってくれているのは知っている。しかし、今回のこれに関しては、俺以外の何かに心を奪われているようだった。
俺としては、そんなものがあるのかと思うだけで胸が苦しい。いつも俺でいっぱいにしていると言ってくれているセシルがこんなに……
やるせない気持ちでいっぱいになっていると、ゼラフが今思い出したように「休養を思い出した」と言って俺たちに声をかける。ローズクォーツの瞳はスッと細められたかと思うと、優しく閉じられ、黒い手袋をはめた手をひらひらと左右に振った。
「ニルを自室まで送ってやりたい気持ちは山々なんだが。俺としたことが大切な用事を忘れちまっててな」
「ヴィルベルヴィント、この年で物忘れが多いのは困るぞ。本当に大事なことを忘れられては、こちらとしてもニルの護衛をまかせるのは……」
「だーもうすぐにそう言うこと言いやがるなあ? テメェは……はあ、別に急用っつったって、このあとの話だ。急いで帰れば間に合うだろう」
「ならば今すぐ変えればいい。俺もこの場に貴様を縫い留めるつもりはない」
「今すぐ帰れっつう顔してるな? ちったぁそういうの隠せるようになったほうがいいと思うぜ? 余裕のない男は嫌われるんだから」
「それは貴様にも言えることだろう?」
売り言葉に買い言葉。彼らはいつものように睨みあい、いがみ合ったあと、すっとゼラフのほうから身を引いた。ひらりと踵を返し、俺たちとは反対方向へと歩いていく。
急用があったなんて。セシルではないが、そんな重要なことゼラフが忘れるだろうか。
(いや、何かしらはあったんだろうけど本気で忘れているわけじゃないだろうし。ゼラフに限ってそんなことないもんな……)
彼にも言えない事情というものがあるのだろう。深く追求するつもりはなかった。
みんな何も話してくれない――そんな文句を言いそうになったが、個人個人理由があるのだろうから深く踏み込むのも野暮というものだ。それこそ、相手の信頼を失ってしまう行為である。
一つ文句を言っていいのであれば、彼らもそういったそぶりを見せないでほしいのだけど。
俺は彼の背中を見送った後、セシルのほうへとスッと視線を向ける。
「どうかしたか、ニル」
「ううん、皆秘密を抱えてるんだなって思って。それをいつか話してほしいけど。今じゃないんだろうなって……誰かを傷つける秘密じゃないっていうのはわかっているから、踏み込めないっていうのもあるけどね」
セシルにコンと肩を当てれば、彼は優しく猛反対側の肩を掴んで抱き寄せた。
「話せなくて済まない。お前を不安にさせている自覚はあるんだ」
「あるのか。じゃあ、これ以上不安にさせないようにして」
「ああ、もちろんだ。ニルが不安で眠れなくなってしまったら、それは俺の責任だろうからな……視線のこと、少しだけ心当たりがある」
セシルは、少し間を空けた後そういった。
だが、その声色はやはりどこか不安げだ。
「心当たり? 視線と、死者蘇生の魔法と……それからなんだっけ?」
「一度にいろいろと起きすぎているから、整理しながら歩くか。俺たちの部屋に行くまでもうしばらく歩かなくてはならないだろう?」
セシルの問いかけに、俺はこくりと頷いた。
現在力俺たちの部屋までは少し距離がある。早く歩こうと思えばそこまで時間はかからないはずだ。でも、二人の部屋までいって暗い話はしたくない。セシルもそれがあるから歩きながら話そうと提案してきたのだろう。人の気配はない。小声で話せば周囲に情報が漏れる心配はないだろう。それに、本当に重要な話であれば、セシルもここで話そうとしないはずだ。
俺のが頷くと、セシルは「そう言ってくれるとこちらとしても話しやすい」と微笑み返してくれた。
先ほどよりもあたりは薄暗くなっていた。
赤黒く染まった庭園からカラスの泣き声が聞こえてくる。
歩き始めた彼についていき、顔を覗き込んでみる。やはり彼の眉間には深いしわが刻まれており、悩み込んでいる様子だ。
「視線に気づき始めたのはここ最近のことだ。それまでは一切そういった気配は感じてこなかった」
「いきなりってこと……?」
「タルの動きが活発になり始めたころくらいか。それか……」
「セシル?」
言い淀んだ彼だったが「それくらいだな」と言い直す。
なにか気になることでもあったのだろうか。だが、聞ける雰囲気ではなく、彼のことを信じて頷くしかない。
「視線は人のものだ。しかし、先ほど言ったように遠隔魔法により監視されている……という可能性もあるな」
「それってまずくないの? プライベートが筒抜けってことでしょう?」
「ああ、そうだな。だが、何と言ったらいいか。その視線も空気を読むんだ。俺が見られたくないと思ったら消える、というか……プライベートなことには踏み込んでこない」
「でも、一回俺たちが馬車で……」
自分で言っていて恥ずかしくなったため、彼の手をぎゅっと握る。セシルはそんな俺に対してフッと笑いかけると「すぐにも消えたから大丈夫だろう」と付け加えた。
結局プライベートに少し踏み込まれているじゃないか、と文句を言いたくなったもののセシル曰く、本当に問題がないのだそうだ。
「空気を読むといっただろう。それに、俺に気づいたらフッと消えるんだ」
「なんだか妖精さんみたいだね」
「妖精さん……か。随分とかわいらしいことを言うな」
「だって、その……いきなり表れて消えるんでしょ? それで、その正体も分からないって言うなら、妖精さん……みたいな」
はたして、この世界にそのような存在がいるのかどうか。
俺の言葉で場は和んだようで、セシルは少し柔らかい表情になった。
プライベートに踏み込まれていないのであれば問題ないと言えるかもしれない。ただし、それが敵による視察などであれば話が代わってくる。何にしてもこちらの情報が筒抜けになるという現状はよくない。しかも、セシルが気付いたら逃げるということはやましいことがあるということの表れなわけで……
(でも、セシルがそれを危険視していないってことは、気にするような存在ではないってことなのかな……?)
個人的に気になる。だが、悪意や敵意はない。
ますますその視線の存在が気になって仕方がなかった。
立て続けに起きている様々な現象に頭が追い付かない。何かが起きても、それを解決するための糸口などがあればまた別なのだろうが、そういったものが一切ないのが気持ち悪さを加速させているのだと思う。
「視線を感じる頻度が増えているわけじゃない。先ほども言ったように敵意や悪意と言った負の感情は感じられないのだ。しかも、上手くやれば俺に気づかれることなどないだろうに、どこか気づいてほしいというような気さえ感じる。へたくそだな」
「その視線の人物が?」
「ああ。かまって欲しいというタイプではないだろうに」
その言い方はすでにその視線の人物が誰だか見当がついているようだった。でも、顔は険しいため、信じ切れていない様子だ。
「その視線の人物についてセシルは知っていそうだね」
「予想はついているが、そんなことありえないからな」
「……死者ってこと?」
俺が訊ねれば、セシルの足がいったん止まる。
それから、スッと前を見たのち、俺のほうへとゆっくりと視線を戻した。
「死者は生き返らないだろう? だから、これは俺の勘違いだ」
「そ、そんなことないと思うよ……ああ、死者が現世に干渉する、とか……悪いことしたから輪廻転生できなくて、その場にとどまっている、とか」
セシルは俺にどんな回答を求めているのだろか。
勘違いという割には、信じている。けれども、信じていない……という矛盾。行ったり来たりしているようにも見える。
「確かに、悪いことをしたからその場にとどまり続けているのかもしれないな。ニル、話を聞いてくれてありがとう」
「う、ううん……いいよ。君の気持ちや考えが少しでも整理できたならそれで……」
そうこうしているうちに部屋までたどり着いた。
最後にセシルが見せた表情はどこか悲しげで、感情のないころに戻ったようだった。
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