みんなの心の傷になる死にキャラなのに、執着重めの皇太子が俺を死なせてくれない

兎束作哉

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第3部3章 徒花の母君と死にキャラの俺

03 出生の秘密、母の秘密

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「お口にあったようでよかったわ」


 温かい暖炉が燃えるダイニングルームで夕食をとり、俺たちは談笑のフレーズに入っていた。
 家族の食事にセシルがいるという違和感、セシルがすでに家族の一員となっているような感覚に恥ずかしさもあり、嬉しさもあった。だが、そんなごちゃごちゃとした感情のせいか、俺は二回くらいフォークとナイフを落とした。
 そのつど、大丈夫かとセシルに心配され、俺は「セシルがいるから」と答えになっていない返事をしてその場をしのいだ。
 家族と食事をするのは久しぶりということもあって、何を話せばいいか分からなかったが、学園での話、それから父との鍛錬の話と、盛り上がった。母は、うんうんと相槌を打ってくれ、時々質問を投げてくれた。そのこともあって、会話が途切れることもなく、だんだんだと緊張もほぐれていった。
 デザートのアイスクリームを食べ終わり、俺はすっかり忘れていたことを思い出した。そのタイミングで、母が椅子を引いて立ち上がる。



「ニル、少し話があるからいいかしら」
「は、はい。母上……と、セシルは」


 俺の心臓の話だろう。

 セシルにも聞いてもらった方がいいのか、と先ほどは話しづらいといった母のことを考えつつも彼の方を見れば、父が「殿下には私から話がある」と場をつないでくれた。だが、俺が母と話すから、その間の談笑……というわけではなく、父も父でセシルに用事があるようだった。
 その用事も気になるところだったが、母が席を立って扉の方へ歩いて行ったので俺も慌てて立ち上がる。


「セシル、じゃあ、後で」
「ああ。もし、話せることがあれば、後で話してほしい。部屋は一緒みたいだからな」
「え、嘘……!?」
「嫌か?」
「嫌じゃないよ……もう、なんか公認すぎて恥ずかしいって話。じゃあまた後で」


 セシルにそういって、俺は母の背中を追った。
 暗い廊下に出れば、ぽつぽつと明かりがつき始める。魔道具による電球のようなものが撮りつけられているからだろう。しかし、アルチュールが見せてくれたような画期的なものではなく、申し訳ない程度に照らしている光が弱いものだ。
 母はそんな廊下を静かに歩き、階段を昇り、母の私室まで歩くと、扉の鍵を閉めてソファに腰を掛けた。
 そして、部屋全体に防音魔法をかける。
 部屋の中には極端に家具が少なく、窓もない。また、本棚がずらりと並び、分厚い本が陳列してあった。


「母上」
「マグナからいろいろと話は聞いているわ。ニル。とりあえず座りなさい」
「は、はい……」


 体が硬直していて、同じ手と足が前に出る。
 二者面談でもするように、緊張が走り、俺はそわそわと落ち着かない気持ちで、浅く腰掛けた。
 改めて、自分のことを聞くとなると、聞きたいような聞きたくないような気持ちになる。母と目も合わせられずに膝の上でこぶしを握ったり、開いたりしていると「ニル」と俺の名前を呼ばれる。俺は裏返った声で返事をし、顔を上げると、母の寂しそうな表情に目を奪われてしまった。


「母上?」
「……ごめんなさい。辛い思いをさせてしまって」


 母は、そう言って視線をしたへと落とす。
 何故謝られたのか俺は皆目見当もつかず、もう一度声をかけようとした。だが、喉に言葉が張り付いて、声をかけることは叶わなかった。
 部屋に沈黙が訪れ、布をこする音も、呼吸も、心臓の音も鮮明に聞こえてくる。
 気持ちを紛らわせようと、母の後ろの本棚を見れば、大きな砂時計が時間をゆっくりと刻んでいた。


「辛い、なんて……大丈夫です。俺のミスもありましたし、サマーホリデーの前の出来事……俺、あの時今度こそ死んだなって思って。でも、心臓が魔力によって修復されたことで生きながらえて。だから、その不便ですけど、不便じゃないというか」


 生きているだけで十分。セシルを悲しませずに済んだのだから。
 母が謝ることなんて何もない。すべて報告済みということで、俺がこの話をする必要もなかったかもしれない。でも、何か母が後ろめたいこととか、気に病んでいることがあるなら、それは母のせいじゃないと言いたかった。
 しかし、母の顔は浮かないままで、だんだんと暗くなっていく一方だった。


「母上……あの、俺」
「本当は黙っているつもりだったの。でも、逃げてばかりじゃいられないし、何よりもあなたに失礼だと思ったの。不誠実で、顔向けもできないって」


 母は意を決したように顔を上げると、まっすぐと俺を見た。
 心臓のことだけを話されると思っていた。そして、魔法の事、とかも。
 でも、それだけじゃないようで、俺は口の中にたまった唾を一気に飲みこんだ。母はいったい何を隠しているというのだろうか。
 また、しばらくの沈黙が場を凍らせていく。だが、今度は早くにもその沈黙を母が破った。


「貴方の心臓の話や、魔法の話をする前に、私の話をしてもいいかしら」
「はい。俺……母上の事、あまり、知らないかもです。父とのなれそめとかも、噂で聞く程度に」
「それは、恥ずかしいわ。まあ、でも……関係はあるわね」


 落ちてきた髪を耳に引っ掛け、母はくすりと笑った。
 母の話、と聞いて真っ先にメンシス副団長が浮かんだのは俺だけだろう。もし、つながりがあるようだったらそこも聞きたいが、どうなのだろうか。
 未知の世界を話される気がして、俺は体が前のめりになる。


「――ニル。この国に封印されている竜について知っているかしら?」
「……竜。氷帝と呼ばれている氷をつかさどる竜、フリーレンですか……国一つを氷漬けにできるっていう、あの」


 この間のテスト範囲だ。よく覚えている。
 しかし、あれは神話だろう、と俺はフリーレンと俺と、母に何のつながりが? と、一つの共通点意外の類似点を見つけられず首をかしげる。
 母は、そうね、と頷いて、立ち上がり鍵付きの引き出しにしまってあった小箱をもって帰ってきた。
 そして、小箱を開き、その中に入っていた小さな雪の結晶のようなものを見せてくる。形は六角形か、五角形……ガラス細工のようにも見えたが、かすかに冷気を感じる。冷気とともにあふれているのは魔力もだ。
 だが、本物の氷ならばとっくにとけていてもおかしくない。この部屋は寒くないから。


「これは、私の先祖の一部」
「先祖の……え、まさか、その」


 母は、言いよどむことなくそういうと、俺が理解を示したことに対して正解だと首を縦に振る。
 にわかには信じられない話だが、母が嘘をつくはずもない。真剣な話をしているのに、俺を茶化す訳も。
 氷帝フリーレン、そして俺と母の氷魔法。導き出せる答えなど一つしかない。


「そうよ。私たちは、氷帝フリーレンの血を引くもの。最も、正しく言えば、あの竜が封印される間際に人間を身ごもらせて、今世まで生きながらえた姿……血は薄くなったとはいえ、あの竜の力が一部使えるの」
「……竜の血を引く」


 シャンス侯爵が言っていたことが今になって分かった気がした。あの言葉の意味が、ここでつながったのは、なんとも運命というか、いつかは聞かされる内容だったのかもしれないが。
 衝撃がすごすぎて、俺は言葉も出なかった。

 俺の中に、竜の血が混ざっている?

 大陸を苦しめた竜。
 人々にとっては、天災ともいえる象徴。故に、恐れられていたり、崇められていたり。しかしながら、その伝承や情報を管理しているのは魔塔であるため、外部に詳しい情報は漏れていない。
 おとぎ話の存在。
 授業で習うのなんて、きっと本来の歴史のほんの一端だ。


「では、母上は魔塔と……?」
「いいえ。でも、魔塔とのつながりがないとは言えないわ。どちらかといえば、そうね……魔塔から逃げながら生きてきた」


 と、母は、言葉を濁した。

 魔塔が、竜の血を引く人間を放っておくわけがないと思ったのだ。
 だが、母は深いつながりはないどころか、魔塔に足を踏み入れたことはないような口ぶりだった。恐れているようにも見える。逃げているという言葉はそのままの意味なのだろう。
 となると、俺が、魔塔の連中から狙われる意味もつながってくる。アイネの魔法も特殊だが、俺の出自を、この地のことを知っているとなれば、魔塔の人間が俺を、母を放っておくわけがない。母が逃げているとなるとなおさら……


(竜の血を引くから、俺は特殊なのか……?)


 魔力も、心臓も。
 魔力の大本は、氷帝から受け継がれたものなのだろう。だが、神話時代といってもいい竜が生きていた時代から、もう何百年と経っている。かなりの世代を経てきているはずで、その血はだんだんと薄まっているはずなのだ。だから、俺が使える力などそこまでない。
 竜の血がいかに濃くて、どのような効果をもたらすものなのかは皆目見当もつかないが。


「だから、俺の魔力は? ということですか」
「端的に言えばね。でも、ニルの思っている通り、竜の生きていた時代からかなりのときは経っている。なのに、人を氷漬けにできるほどの威力をいとも簡単に使えてしまう、その魔力……不思議だとは思わない?」


 母は、質問を投げると、また膝の上で指を組み替えた。
 すべて言ってしまうことも母にはできたのだろうが、どこか言い渋っている気もしたのだ。それをいうのをためらっている。そして、俺に答えを導き出させようとしていると。
 竜の血を引くから、魔法の反動はあれど、人を氷漬けにできるほどの魔法は使えるものだと思っていた。これをいうということは、母もおそらくは使える。
 でも、それだけじゃないと。
 暖炉の火がぱちぱちと燃えている。俺たちの足元の影が揺らめいていた。
 俺は、答えにたどり着けずに、すみません、と母を見る。母は困ったように目を伏せ、固く閉じていた唇を開いた。


「――近親婚よ」
「近親……?」
「近親婚……近親相姦によって、私たちの一族は、竜の血を守ろうとした。自分たちは流の加護を受けた特別な人間なのだと、その血を末代まで受け継がせようと。より濃い濃度で、その力を失わないように」
「…………っ」


 母の手が震えていた。よっぽどつらい思いをしてきたのだろうと、その背景にあるものを考え、俺は無意識にこぶしを握っていた。爪が食い込んで、きっと赤くなっている。


「母上、は……」
「私は、ハーゲル男爵家の長女で、マグナと出会わなければ、弟と結婚していたでしょうね。でも、私はマグナと出会ったから……貴方の、父親と」
「……母上は、竜の血を」
「嫌いだわ。竜にとりつかれ、竜を神聖視する家族が、あの一族が。領地の人さえも……忌々しく思う。そして、何よりも自分の身体にその血が流れていることも、否定したい」


 と、母は言い終えると持ってきた小箱を乱暴に閉めて机の端に寄せた。

 先祖の一部といったあれは、きっと鱗なのだろう。今よりももっと竜らしい人間だったに違いない。それこそ、竜人と言われる禁忌の存在。空想の世界で語られた、竜の力を授かったもの、身ごもったもの……
 存在していたなんて、にわかには信じられないが、その証拠が残っているのだから、信じざるを得ない。何よりも、遺物が残っていることは何もおかしくないのだ。氷帝フリーレンは、溶けない氷を操る竜だったのだから。その血を引いた人間の遺物が何百年の時を経ても残っているのは何もおかしくないと。

 母が簡潔に説明してくれ、情報量は少ないものの、そこに渦巻く人の欲望や執着といった黒い感情を正面から受け止めてしまい、俺の思考は固まっていた。かける言葉も見つからないというか、俺自身どうふるまえばいいのか分からなくなる。

 俺がセシルを守るためと使ってきたこの力は、忌み嫌われた、黒い歴史の産物なのだと思うと、途端に自分が汚らしいものに見えてくる。
 きっと、竜を崇拝するものにとっては、俺の存在は神に等しいのだろうけど。

 俺が、黙り込んでいると、母は立ち上がって、俺の目の前まで来るとドレスを床につけながらそっと俺の手を握った。


「けれど、貴方の存在は否定したくないの。ニル。貴方は、私の希望だから」
「母上?」
「私は大罪を犯したわ。マグナとの結婚が許されず、家族に強姦されそうになった日……私は、マグナに助けてもらったわけだけど、一族への怒りが抑えきれなかった。マグナが私を抱いて領地から出ようとしたのだけど、追手が」
「父上と、母上はそんな……」


 壮大な過去だ。
 父は一度もそんな話をしたことがなかった。だから知らない。
 母はすべて話してくれるつもりなのだろう。俺はそれをただ受け止めるしかない。
 自分のことを、母のことを知れたはずなのに、嬉しくないのは、やはり内容が内容なだけあってだろうか。

 母の手はまだ震えていて、俺よりも冷たかった。そんな母を抱きしめてあげたいのに、身体も動かなければ、喉も張り付いて唇さえ動かせない。


「……だから決めたの。あの日、あの時。もう、こんな忌々しい血は途絶えさせると……私は、家族を、領地にいるすべての人間を手にかけたわ。忌まわしいあの氷の魔法で」


 俺の手から母の手が離れていく。
 温度が少しだけ戻り、俺は指先が動かせるようになった。母の魔力は、俺よりも数倍竜に近いものなのだろう。母から感じていた冷気は、母が自らの意志で放っているものではなく、勝手に漏れ出た物。竜の力は人の手に余る。その血を引いていたとしても、制御なんてできない。
 母は、すくりっと立ち上がると、髪飾りをとり髪をほどいた。黒い髪がふぁさっと宙を舞う。美しくつやのある髪を呆然と眺めていたが、母が息を吐いた瞬間、その黒髪は毛先が白くなり、そしてところどころ白が目立つまだら模様となった。


「……母上、それは?」
「でも、ニル。貴方に謝るべきは、こんな血を継がせてしまったことではあるけど、一族の歴史だけじゃない。それは、ほんの一端。竜の血を引く私たちの家系は、代々短いの」
「短い……何が、ですか」


 そこまでいけば、きっと答えなどすぐに導き出せたはずだ。
 だが、俺は怖くてその答えにたどり着くことを拒否した。しかし、母はもうすでにすべて話すと覚悟を決めてしまっているため、とまってはくれなかった。
 どうせ、結果は変わらない。
 言われたとしても、いわれなかったとしても。その運命から逃れられることはできないのだ。


「――寿命がよ。私たちはこの血を受け継ぐがゆえに短命なの」


 母がそういった瞬間、周りの温度が氷点下にまで落ちた気がした。


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