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§ 勝負の行方
07 ※
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脇への責め苦からやっと解放されたと息をつく暇も無く裏腿が押し開かれ、花瓣が亮の目に晒された。腰が浮くほどに裏腿を押し上げる手と中央に陣取る亮の身体が邪魔で、足を閉じることもできない。秘部を見られている恥ずかしさに体温が上がる。
蜜で潤みきった花瓣の内側が、亮の舌で蹂躙されている。ぺちゃ、くちゅっ、と、淫靡な水音が否応なしに耳に響く。いやなのに漏れてしまう声が我慢できない。どうしていつも私ばっかり——と、頭の中で恨み言を唱えているはずなのに、気がつけば齎される刺激を必死に追いかけてしまうその繰り返し。
花蕾の先端を舌先で強く押し潰され、その強烈な刺激に背を仰け反らせた。
「ん、あっ……あ、あ、あ」
リズミカルに、時に、強弱をつけ、執拗に蠢く舌使いに翻弄される。首を左右に激しく振り、攻めから逃げだそうと上半身が暴れても、固定された下半身への甚振りが激しさを増すだけ。行き場のない手で救いを求めるようにシーツを握り締めた。
「いゃあ、あ、だめ……もう…い…ああっ!」
鼓動が痛いほどに高まり、頭に白い靄がかかったその瞬間、蜜壺になにか——指だ——が挿入された。衝撃で身体が強ばりだす。亮の指は引き攣る私の中をかき混ぜ、花蕾を甚振る舌もが力強さを増している。下腹部から全身へと甘い痺れが広がり、腰がびくびくと上下するのを留められない。
もうだめ、止めて。お願い、許して——懇願すら声にならなかった。
水音も、衣擦れの音も消えた真っ暗な世界の中で、陸に上げられた魚のように、はくはくと喉を鳴らし酸素を求めた。強張りが少しずつ解けていく。頭の天辺から爪先までが痺れて全身が重く、シーツの中に沈み込みそう。
手早く準備を整えた亮に膝裏を抱え上げられても私は弛緩したまま。己の足を支える筋肉すら溶けて消えてしまったみたいだ。
「うぁあ——あ、あ……」
熱い。
火傷しそうな熱が、割り広げられた蜜壺を一気に貫いた。身体の中心から熱が甘い痺れとなって全身へと広がっていく。怖い。頭が焼き切れそうだ。いっぱいに納められた亮自身を逃がさないとばかりに締め付けてしまう蜜壁が痛む。
「……こら、そんなに絞めるな」
薄らと目を開けると、眉を顰めた亮が苦しそうに大きく息を吐いている。
もしかして、亮も……案外余裕がない? そう思ったらなんだか気が緩んで、ふふっ、と、笑ってしまった。
「なんだ? まだ余裕がありそうだな」
「ああっ! ちが……待って、あ、んん」
力強く腰をひと突きされて、意識が飛びそうになった。
ぬるりと引いては襲いかかる重く深い突き上げが、私の思考を溶かしてしまう。
「あ、あ、あ、あ、うぅ……」
呼吸をしているのか喘いでいるのかすら、わからない。浅く、深く、緩急をつけ、容赦なく打ち付けられる亮の熱に侵されたように、悲鳴を上げた。
抱き竦められ、口腔を貪り貪られ。亮の額から滴る汗が顔に落ちる。髪をかき混ぜ、互いの味を舐め取るように強く絡めた舌が、脳を弛緩させていく。全身が、私の意思とは無関係に、亮を求めた。
どうしてだろう。
亮とは何度も交わった。意地悪もたくさんされて、何度も乱された。けれども、私自身がこんなに狂おしいほどに亮を欲したことが、今まで一度でもあっただろうか。
「瑞稀……」
荒い呼吸の合間に、亮が何度も私の名を呼ぶ。
「……愛している」
すとん、と、腑に落ちた瞬間、多幸感で涙が溢れた。
心に染み渡る亮の声。
そうだ、私は、この人を愛しているんだ。
蜜で潤みきった花瓣の内側が、亮の舌で蹂躙されている。ぺちゃ、くちゅっ、と、淫靡な水音が否応なしに耳に響く。いやなのに漏れてしまう声が我慢できない。どうしていつも私ばっかり——と、頭の中で恨み言を唱えているはずなのに、気がつけば齎される刺激を必死に追いかけてしまうその繰り返し。
花蕾の先端を舌先で強く押し潰され、その強烈な刺激に背を仰け反らせた。
「ん、あっ……あ、あ、あ」
リズミカルに、時に、強弱をつけ、執拗に蠢く舌使いに翻弄される。首を左右に激しく振り、攻めから逃げだそうと上半身が暴れても、固定された下半身への甚振りが激しさを増すだけ。行き場のない手で救いを求めるようにシーツを握り締めた。
「いゃあ、あ、だめ……もう…い…ああっ!」
鼓動が痛いほどに高まり、頭に白い靄がかかったその瞬間、蜜壺になにか——指だ——が挿入された。衝撃で身体が強ばりだす。亮の指は引き攣る私の中をかき混ぜ、花蕾を甚振る舌もが力強さを増している。下腹部から全身へと甘い痺れが広がり、腰がびくびくと上下するのを留められない。
もうだめ、止めて。お願い、許して——懇願すら声にならなかった。
水音も、衣擦れの音も消えた真っ暗な世界の中で、陸に上げられた魚のように、はくはくと喉を鳴らし酸素を求めた。強張りが少しずつ解けていく。頭の天辺から爪先までが痺れて全身が重く、シーツの中に沈み込みそう。
手早く準備を整えた亮に膝裏を抱え上げられても私は弛緩したまま。己の足を支える筋肉すら溶けて消えてしまったみたいだ。
「うぁあ——あ、あ……」
熱い。
火傷しそうな熱が、割り広げられた蜜壺を一気に貫いた。身体の中心から熱が甘い痺れとなって全身へと広がっていく。怖い。頭が焼き切れそうだ。いっぱいに納められた亮自身を逃がさないとばかりに締め付けてしまう蜜壁が痛む。
「……こら、そんなに絞めるな」
薄らと目を開けると、眉を顰めた亮が苦しそうに大きく息を吐いている。
もしかして、亮も……案外余裕がない? そう思ったらなんだか気が緩んで、ふふっ、と、笑ってしまった。
「なんだ? まだ余裕がありそうだな」
「ああっ! ちが……待って、あ、んん」
力強く腰をひと突きされて、意識が飛びそうになった。
ぬるりと引いては襲いかかる重く深い突き上げが、私の思考を溶かしてしまう。
「あ、あ、あ、あ、うぅ……」
呼吸をしているのか喘いでいるのかすら、わからない。浅く、深く、緩急をつけ、容赦なく打ち付けられる亮の熱に侵されたように、悲鳴を上げた。
抱き竦められ、口腔を貪り貪られ。亮の額から滴る汗が顔に落ちる。髪をかき混ぜ、互いの味を舐め取るように強く絡めた舌が、脳を弛緩させていく。全身が、私の意思とは無関係に、亮を求めた。
どうしてだろう。
亮とは何度も交わった。意地悪もたくさんされて、何度も乱された。けれども、私自身がこんなに狂おしいほどに亮を欲したことが、今まで一度でもあっただろうか。
「瑞稀……」
荒い呼吸の合間に、亮が何度も私の名を呼ぶ。
「……愛している」
すとん、と、腑に落ちた瞬間、多幸感で涙が溢れた。
心に染み渡る亮の声。
そうだ、私は、この人を愛しているんだ。
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