左遷されたオッサン、移動販売車と異世界転生でスローライフ!?~貧乏孤児院の救世主!

武蔵野純平

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第四章 冒険者たち(ダンジョン編)

第60話 リックとマルテの成長

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 俺とソフィーが、精霊の宿の中庭にあるガーデンベンチでまったりしていると、ガイウスたちが帰ってきた。
 いつもは四時か五時頃に帰ってくるので、今日は早い帰還だ。

 ガイウスは俺を見つけると、リックとマルテの背中を押した。
 リックとマルテが、俺が座るベンチのそばまで駆けてきて、依頼書を差し出した。

「「依頼が終了しました! サインをお願いします!」」

 二人は元気一杯で、依頼を完遂した誇らしさを感じさせる表情をしていた。
 俺に対する反発はない。
 二人はプロとして、俺の目の前に立っているのだ。

 俺は少年少女の成長を間近に見て胸が一杯になった。

「ご苦労様でした。依頼完了です!」

 俺は依頼書にサインをして、両手で賞状を渡すように差し出した。

「「ありがとうございました! また、ご依頼をお願いします!」」

 リックとマルテは声を合わせて俺に礼を述べると、依頼書を手に持って走り出した。
 これから冒険者ギルドへ提出しに行くのだろう。

「ふう。よっこらせと」

 ガイウスが巨体を揺らしベンチに腰掛けた。
 口調は元に戻っている。

「ガイウス。お疲れ。ありがとう。リックとマルテのあれは、ガイウスの指導なのか?」

「おうよ! 指名依頼ってのは、リピートすっからな。キチンと報告。サインをもらって、お礼を言う。また依頼してくれと念を押す。これだけで、次も指名をもらえる可能性が増えるってもんよ!」

「ほうほう! さすがベテランだな!」

 俺はガイウスの話を聞いて素直に感心した!
 お客様を大切にする、仕事を大切にすることは大事だ。

「まあな。見習いや新人のウチにキチンと教えてやらねーと。ほら! 冒険者っつーのは、荒っぽいヤツが多いだろう? だからイキがる小僧も多いんだ。けどな。仕事の依頼を出してくれるのは、商人や領主関係が多い。やっぱ礼儀とかよ、挨拶とかよ、そういうとこを見てんだよ」

「うむ! やはり銀級冒険者の指導となると違うもんだな! リックとマルテは、ちゃんとしていたぞ。好感が持てた」

 俺がリックとマルテを褒めると、ガイウスは嬉しそうに頬を緩めた。

「だろ? まあ、あれだ。リックとマルテは、リョージに突っかかっていたが勘弁してやれよ。冒険者として鍛えられれば態度も改まる」

「そうだな。人は成長するからな」

「おうよ! ガキには責任ってヤツを与えて達成させねえと。いっちょ前にならねえからな。ガキが死ぬのを見るのは沢山だぜ……」

 ガイウスは、遠い目をした。
 これまで何人も若い冒険者を指導して、中には死んでしまった若い冒険者もいるのだろう。
 おっかない顔が泣きそうになっている。

 ソフィーがトコトコと歩いてきて、ガイウスが座るベンチによじ登る。
 そして、ソフィーはガイウスの頭を優しく撫でた。

「ガイウスのおじちゃん。元気出して」

 ソフィーはガイウスの悲しい気持ちが分かったのだろう。
 ソフィーは優しい子だ。

「ガイウス。待ってろ。今、コーヒーを淹れてくる。良い豆が手に入ったんだ」

「おう! そいつはご機嫌だな!」
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