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59 城に潜入
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城に近づいてもやはり人の気配もなく静かだ。
コインさんと打ち合わせした通りに、城に何度も来てくれたコインさんについて中に入っていった。
まず、厨房に行くと料理長であろう年配の小太りな男性がぶつぶつと文句を言いながら料理を作っていた。
『くそっ!なんで俺が野菜の皮剥きまでやらないといけないんだ!材料も少ないし、前より味は悪い!!……今日も、多めに俺の分を取っておこう。味見も必要だしな。それにしてもあいつら戻ってきたら徹底的にこき使ってやる!』
ひたすら文句を言いながらも、口に次々に料理を放り込んでいる。味見どころかガッツリ食べてる。
コインさんから手で行こうと合図があったから進んで行くと、今度は侍女の2人が文句を言いながら掃除をしている。
『ふんっ!こんな所掃除しても誰もいないじゃないか!』
『だけど、一応働いておかないとベイカーの奴に怒鳴られるから。』
『だいたい偉そうにしてるけどベイカーは何もしていないじゃないか。私達や料理長は仕事をしてるが、ベイカーはウロウロしてるだけ。』
『本当だよ。なんで私達がベイカーの服の洗濯や部屋の掃除までしなきゃならないんだい?』
ここも文句を言いながら、一応手は動いているけど、同じ所を何度も拭いているだけだ。
さらに上の階に行くと、ドスドスと足音が聞こえてきて廊下の端に避けてじっと息をころした。
『くそっ!あの馬鹿ども!!後悔させてやる!!平民の分際で俺様の誘いを断るとは!!……まぁいい。あとはシオンを絶対に連れ戻さなければな!トーマスも。シオンは、2度と逆らえないように躾けてやらねばな……。』
ニヤリと嫌な笑顔で目の前を通りすぎていく。
こわ~!!絶対俺もトーマスさんも戻らない!!
隣でコインさんもベイカーって名前だったらしい兵士の背中を睨みつけてる。
しっかりと遠ざかってから、国王の部屋に近づく。扉が閉まっていたから、食事か何かで誰かが扉を開くまで待つ。
かなりしてから侍女がお茶の準備をしてワゴンを押しながらやってきた。
こっそり後について中に滑り込む。
『失礼いたします。お茶のご用意ができました。本日の茶菓子はクッキーでございます。』
『…………置いて出て行け。』
『はい、かしこまりました。』
『ふぅ。これっぽっちか……。あぁ腹が立つ!なぜこのわしが食材を出さなければならないのだ!』
ぶつぶつ言いながらクッキーを食べてる国王は、少し痩せたように見える。
文句を言いながらもクッキーを食べ終わると機械の椅子に座ってヘルメットのような物を被りスイッチを入れる。
少し顔を顰めてはいるがまだ平気そうだ。
大きな肉の塊を出してからベルを鳴らして侍女に取りに来させる。
その後、お茶を飲みながら休憩している間にテーブルの端にそっと手紙を置いた。
『ん?なんだこれは??………アニマ国か。』
そのままビリビリと雑に手紙の封を開け読み始める。
『ふんっ!なぜわしが獣などに助けられないといけない。』
手紙をグシャリと握りつぶし投げ捨てる。
『忌々しい!!早くシオンを連れ戻さねばな!あの役立たずも食材の味だけは良かったからな。最近の飯はいまいちだ。だいたいなぜこのわしが、あの役立たず共の飯まで出してやらねばならんのだ!』
文句を言い続けながら次の食材を出していた。
『お食事でございます。』
ノックの音がして、侍女が食事を運んでくる。コインさんが今のうちに出ようと手で合図をするから出ようとしたけど、コインさんを引き止める。
兵士や料理長も部屋にやって来て、食材を持って行く前に国王がそれぞれの頭を触っていた。すごく悪い笑顔で……。
頭を触られた途端、ビクリっと体が震えている。
『これからもわしに尽くせよ……はははははははっ!!』
コインさんと外に出た。
コインさんと打ち合わせした通りに、城に何度も来てくれたコインさんについて中に入っていった。
まず、厨房に行くと料理長であろう年配の小太りな男性がぶつぶつと文句を言いながら料理を作っていた。
『くそっ!なんで俺が野菜の皮剥きまでやらないといけないんだ!材料も少ないし、前より味は悪い!!……今日も、多めに俺の分を取っておこう。味見も必要だしな。それにしてもあいつら戻ってきたら徹底的にこき使ってやる!』
ひたすら文句を言いながらも、口に次々に料理を放り込んでいる。味見どころかガッツリ食べてる。
コインさんから手で行こうと合図があったから進んで行くと、今度は侍女の2人が文句を言いながら掃除をしている。
『ふんっ!こんな所掃除しても誰もいないじゃないか!』
『だけど、一応働いておかないとベイカーの奴に怒鳴られるから。』
『だいたい偉そうにしてるけどベイカーは何もしていないじゃないか。私達や料理長は仕事をしてるが、ベイカーはウロウロしてるだけ。』
『本当だよ。なんで私達がベイカーの服の洗濯や部屋の掃除までしなきゃならないんだい?』
ここも文句を言いながら、一応手は動いているけど、同じ所を何度も拭いているだけだ。
さらに上の階に行くと、ドスドスと足音が聞こえてきて廊下の端に避けてじっと息をころした。
『くそっ!あの馬鹿ども!!後悔させてやる!!平民の分際で俺様の誘いを断るとは!!……まぁいい。あとはシオンを絶対に連れ戻さなければな!トーマスも。シオンは、2度と逆らえないように躾けてやらねばな……。』
ニヤリと嫌な笑顔で目の前を通りすぎていく。
こわ~!!絶対俺もトーマスさんも戻らない!!
隣でコインさんもベイカーって名前だったらしい兵士の背中を睨みつけてる。
しっかりと遠ざかってから、国王の部屋に近づく。扉が閉まっていたから、食事か何かで誰かが扉を開くまで待つ。
かなりしてから侍女がお茶の準備をしてワゴンを押しながらやってきた。
こっそり後について中に滑り込む。
『失礼いたします。お茶のご用意ができました。本日の茶菓子はクッキーでございます。』
『…………置いて出て行け。』
『はい、かしこまりました。』
『ふぅ。これっぽっちか……。あぁ腹が立つ!なぜこのわしが食材を出さなければならないのだ!』
ぶつぶつ言いながらクッキーを食べてる国王は、少し痩せたように見える。
文句を言いながらもクッキーを食べ終わると機械の椅子に座ってヘルメットのような物を被りスイッチを入れる。
少し顔を顰めてはいるがまだ平気そうだ。
大きな肉の塊を出してからベルを鳴らして侍女に取りに来させる。
その後、お茶を飲みながら休憩している間にテーブルの端にそっと手紙を置いた。
『ん?なんだこれは??………アニマ国か。』
そのままビリビリと雑に手紙の封を開け読み始める。
『ふんっ!なぜわしが獣などに助けられないといけない。』
手紙をグシャリと握りつぶし投げ捨てる。
『忌々しい!!早くシオンを連れ戻さねばな!あの役立たずも食材の味だけは良かったからな。最近の飯はいまいちだ。だいたいなぜこのわしが、あの役立たず共の飯まで出してやらねばならんのだ!』
文句を言い続けながら次の食材を出していた。
『お食事でございます。』
ノックの音がして、侍女が食事を運んでくる。コインさんが今のうちに出ようと手で合図をするから出ようとしたけど、コインさんを引き止める。
兵士や料理長も部屋にやって来て、食材を持って行く前に国王がそれぞれの頭を触っていた。すごく悪い笑顔で……。
頭を触られた途端、ビクリっと体が震えている。
『これからもわしに尽くせよ……はははははははっ!!』
コインさんと外に出た。
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