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ポンコツな隣人
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俺が住むアパートの隣の部屋には容姿端麗な同級生の山田さんが住んでいる。彼女はその美貌から学校の男子から大人気である。勿論、俺も彼女に好意を抱いている。
しかし、俺は知っている。彼女が普通ではないことを。
俺が学校へ行こうと家から出るとちょうど山田さんも部屋から出てきた。
ゴミを持っている。しかし今日はゴミの日では無い。
言うべきか悩んだ末に俺は、
「山田さん、俺がゴミ出しておこうか?」
怪しいやつだと思われただろうか。しかし、今日ゴミを出してしまうことは違法行為で、俺は相変わらずの豆腐メンタルでそのことを言い出せなかったのである。
すると、彼女はこちらへ近づいて来て
「君今日も学校?」
何を言ってるのか。あんたも学校だろ。と大声でツッコミたくなるが、俺は自分を抑制し
「山田さんは今日学校休むの?」
山田さんは顎に指を当てて何か不思議そうな顔をしていた。何を不思議に思ったのだろうか。
「えっ!? 私も学校あるの!?」
ビックリした……
山田さんは驚いたように大声を上げる。どうやら今日は学校が休みだと思っていたみたいである。
同じ学校、同じクラスの俺が登校しているのに……彼女は俺のことなど眼中にないのだろう……
「山田さんって俺と同じクラスでしょ? あるんじゃないかな」
俺は山田さんに自分と同じクラスだと言うことをアピールしつつ学校があることも教えてあげた。
「君、ゴミ出して来てくれるんだよね。着替えてくる!」
そういって山田さんは俺にゴミ袋を押し付け、部屋に入っていく。
俺はゴミ袋を眺めて「これは犯罪じゃないよな?」と自分の部屋にゴミ袋を運ぶ。
今日はゴミの日では無いのだ仕方がないことだ。
もう一度戸を開けて外に出る。すると、山田さんが下着姿でアパートの廊下に立っている。目を疑ったが眼福な光景である。
山田さんはキョロキョロとして俺を見ると
「ゴミ、出しちゃった?」
ゴミ袋のありかを聞いてくる。少し慌てている様子である。何か重要なものでも入っていたのだろうか。
「お、俺の家にあるよ」
バレたらまずいと思ったが彼女が必死だったから俺は正直に答えた。
山田さんは急いで俺の家を開けて入り、ゴミ袋を開けると、リボンのようなものが見える。
ん? と俺は首を傾げながらその光景を見ていると、山田さんはブレザー、ブラウス、スカートなどの制服を取り出して履いている。
なんと山田さんは制服を捨てていたのである。制服はゴミと一緒に入っていたため、かなり汚れている。何故制服を捨てていたのか疑問が残るがそこはそっとしておこう。
それにしても彼女は制服が汚れていることを気にしないのだろうか。
「さあ、行こっか」
彼女の発言に俺は耳を疑う。女の子と登校するなど初めてで嬉しいと思うが、人の家でゴミ袋を開けて散らかし、片付けずにそのまま放置してある。こういうものを天然と呼ぶのだろうか。
「そ、そうだね」
俺は山田さんの誘いを断るわけにいかずに苦笑しながら了承する。
「君、埃がついてるよ」
山田さんは背伸びをして俺の頭についた埃を払ってくれる。目の前に山田さんの胸がある。もうスレスレで顔が火照ってくる。
埃を払い終えると山田さんは背伸びをやめ、顔が近くに来る。山田さんは俺の目を真っ直ぐ見て
「顔赤いよ? 熱があるんじゃない?」
俺は恥ずかしくてスッと山田さんから目を逸らした。
かなり緊張したのだ顔も赤くなっていることも体温が上がっていることも自覚できる。
「大丈夫、大丈夫だよ」
俺は深呼吸をして呼吸を整え答えた。
それにしても彼女は無防備すぎる。俺が守ってあげたいと思うほどである。これが恋なのだろうか。
「遅刻しちゃうよ」
山田さんは俺の方に手を伸ばしている。
これは手を繋ごうということなのだろうか。違ったら恥ずかしいなと思いつつ恐る恐る山田さんの手を取る。
「さあ、行こう!」
彼女はギュッと俺の手を握りしめ走り始める。山田さんは足が早い。男の俺でもついていくのがやっとである。
全速力で走っていると山田さんのスカートがブワッと巻き上がってパンツが丸見えである。
「山田さん、待って待って!」
俺は周りの視線を気にして山田さんを止めた。幸い道には人がいなかったが、彼女は普段からこの調子なのだろう。
「どうしたの?」
山田さんは自分の行動に自覚が無いのか首を傾げている。
俺は覚悟を決めて、
「山田さん、スカートがめくれてるから!」
こんなことを言ったら嫌われるだろう。しかし彼女が自覚無しにこのような行動を続けているのが見るに耐えなかった。
「あ、ありがとう。」
山田さんは笑顔で礼を言い、乱れたスカートを直している。俺は嫌われると思っていたからその言葉が少し不思議だった。
山田さんは続けて
「私、たまにドジしちゃうんだぁ」
一応ドジの自覚はあるようである。しかし、彼女のドジはたまにでは無い。
山田さんは自分の後頭部を撫で、少し照れている様子である。その仕草でさらに彼女が可愛く見える。
「私はがドジってこと、私と君だけの秘密だよ」
その言葉で彼女は俺のハートを射抜いた。
この言葉には深い意味があるのだろうか。もしそうだとしたら彼女は俺に好意を抱いていることになる。
だがそうじゃなければ、俺は勘違い妄想野郎。
告白をしようかと思考するが俺の結論は、
"告白はもう少し彼女との距離を縮めてからでもいいだろう。"である。
俺のチキンメンタルにはつくづく嫌になる。
俺と彼女の隣人関係はこれからも続く。
しかし、俺は知っている。彼女が普通ではないことを。
俺が学校へ行こうと家から出るとちょうど山田さんも部屋から出てきた。
ゴミを持っている。しかし今日はゴミの日では無い。
言うべきか悩んだ末に俺は、
「山田さん、俺がゴミ出しておこうか?」
怪しいやつだと思われただろうか。しかし、今日ゴミを出してしまうことは違法行為で、俺は相変わらずの豆腐メンタルでそのことを言い出せなかったのである。
すると、彼女はこちらへ近づいて来て
「君今日も学校?」
何を言ってるのか。あんたも学校だろ。と大声でツッコミたくなるが、俺は自分を抑制し
「山田さんは今日学校休むの?」
山田さんは顎に指を当てて何か不思議そうな顔をしていた。何を不思議に思ったのだろうか。
「えっ!? 私も学校あるの!?」
ビックリした……
山田さんは驚いたように大声を上げる。どうやら今日は学校が休みだと思っていたみたいである。
同じ学校、同じクラスの俺が登校しているのに……彼女は俺のことなど眼中にないのだろう……
「山田さんって俺と同じクラスでしょ? あるんじゃないかな」
俺は山田さんに自分と同じクラスだと言うことをアピールしつつ学校があることも教えてあげた。
「君、ゴミ出して来てくれるんだよね。着替えてくる!」
そういって山田さんは俺にゴミ袋を押し付け、部屋に入っていく。
俺はゴミ袋を眺めて「これは犯罪じゃないよな?」と自分の部屋にゴミ袋を運ぶ。
今日はゴミの日では無いのだ仕方がないことだ。
もう一度戸を開けて外に出る。すると、山田さんが下着姿でアパートの廊下に立っている。目を疑ったが眼福な光景である。
山田さんはキョロキョロとして俺を見ると
「ゴミ、出しちゃった?」
ゴミ袋のありかを聞いてくる。少し慌てている様子である。何か重要なものでも入っていたのだろうか。
「お、俺の家にあるよ」
バレたらまずいと思ったが彼女が必死だったから俺は正直に答えた。
山田さんは急いで俺の家を開けて入り、ゴミ袋を開けると、リボンのようなものが見える。
ん? と俺は首を傾げながらその光景を見ていると、山田さんはブレザー、ブラウス、スカートなどの制服を取り出して履いている。
なんと山田さんは制服を捨てていたのである。制服はゴミと一緒に入っていたため、かなり汚れている。何故制服を捨てていたのか疑問が残るがそこはそっとしておこう。
それにしても彼女は制服が汚れていることを気にしないのだろうか。
「さあ、行こっか」
彼女の発言に俺は耳を疑う。女の子と登校するなど初めてで嬉しいと思うが、人の家でゴミ袋を開けて散らかし、片付けずにそのまま放置してある。こういうものを天然と呼ぶのだろうか。
「そ、そうだね」
俺は山田さんの誘いを断るわけにいかずに苦笑しながら了承する。
「君、埃がついてるよ」
山田さんは背伸びをして俺の頭についた埃を払ってくれる。目の前に山田さんの胸がある。もうスレスレで顔が火照ってくる。
埃を払い終えると山田さんは背伸びをやめ、顔が近くに来る。山田さんは俺の目を真っ直ぐ見て
「顔赤いよ? 熱があるんじゃない?」
俺は恥ずかしくてスッと山田さんから目を逸らした。
かなり緊張したのだ顔も赤くなっていることも体温が上がっていることも自覚できる。
「大丈夫、大丈夫だよ」
俺は深呼吸をして呼吸を整え答えた。
それにしても彼女は無防備すぎる。俺が守ってあげたいと思うほどである。これが恋なのだろうか。
「遅刻しちゃうよ」
山田さんは俺の方に手を伸ばしている。
これは手を繋ごうということなのだろうか。違ったら恥ずかしいなと思いつつ恐る恐る山田さんの手を取る。
「さあ、行こう!」
彼女はギュッと俺の手を握りしめ走り始める。山田さんは足が早い。男の俺でもついていくのがやっとである。
全速力で走っていると山田さんのスカートがブワッと巻き上がってパンツが丸見えである。
「山田さん、待って待って!」
俺は周りの視線を気にして山田さんを止めた。幸い道には人がいなかったが、彼女は普段からこの調子なのだろう。
「どうしたの?」
山田さんは自分の行動に自覚が無いのか首を傾げている。
俺は覚悟を決めて、
「山田さん、スカートがめくれてるから!」
こんなことを言ったら嫌われるだろう。しかし彼女が自覚無しにこのような行動を続けているのが見るに耐えなかった。
「あ、ありがとう。」
山田さんは笑顔で礼を言い、乱れたスカートを直している。俺は嫌われると思っていたからその言葉が少し不思議だった。
山田さんは続けて
「私、たまにドジしちゃうんだぁ」
一応ドジの自覚はあるようである。しかし、彼女のドジはたまにでは無い。
山田さんは自分の後頭部を撫で、少し照れている様子である。その仕草でさらに彼女が可愛く見える。
「私はがドジってこと、私と君だけの秘密だよ」
その言葉で彼女は俺のハートを射抜いた。
この言葉には深い意味があるのだろうか。もしそうだとしたら彼女は俺に好意を抱いていることになる。
だがそうじゃなければ、俺は勘違い妄想野郎。
告白をしようかと思考するが俺の結論は、
"告白はもう少し彼女との距離を縮めてからでもいいだろう。"である。
俺のチキンメンタルにはつくづく嫌になる。
俺と彼女の隣人関係はこれからも続く。
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