忘れない

柏木みのり

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第2章

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 カチッ。
 ジリリリリリリリリリ…
 凄まじい音に、優は跳ね起きた。
 騒音の元はナイトスタンドの上の黒い目覚まし時計だ。引っ掴んで掛け布団の下に入れる。手探りでなんとかスイッチを探してオフにする。
「…びっくりした…」
 心臓がバクバクしている。
「ああ、ほんとにびっくりした…」
 薄明かりの中で、手の中にある目覚ましを眺める。
「……」
 なんだ、これは。
 眠りから突然呼び覚まされた、ぶかぶかした頭で考える。
 これは中学時代に使っていたことのある目覚ましだ。
 フィリックス ザ キャットの黒い目覚まし時計。
 旧式なベルの鳴るものすごくやかましい時計で、その旧式なところが面白そうだと思って買ったのだが、本当に物凄い音がするので、心臓に悪い。鳴り出す前に「カチッ」と小さな音がするのだけれど、そのうちその「カチッ」でパッと目が覚めて、電光石火の勢いで手を伸ばし、ベルとベルを叩く小さな金属の間に指を突っ込んでベルが鳴るのを防ぐようになった。間に合わなかった時は、とにかく時計を引っ掴んで一緒に掛け布団の下に潜り、スイッチをオフにしていた。今やったように。
 ふとベッドのすぐ脇に濃いブルーのカーテンが下がっているのに気がつき、優は顔をしかめた。横になったまま、できるだけ窓から遠ざかる。
 カーテンなんて埃の溜まり場だ。ベッドを壁にくっつけて置くなんて。しかも窓の下に。どういう無神経な人間だこんなことをしたのは……あれ?
 ちょっと待て。
 身体を起こし、ぼんやりと明るい部屋を見回す。勉強机。椅子。本棚。箪笥。鏡台。スツール。額に入った何枚かの風景画。TMのポスター。
「うっそー…」
 昔の自分の部屋。
 ナイトスタンドの上には漫画が置いてある。樹なつみの「OZ」。まだ新しくて綺麗だ。手に取ってみる。懐かしい。
「読んでたねえ、そういえば」
 千代紙で作られた姉様人形の栞が挟まっている。可憐なピンクの濃淡の桜の着物に赤い帯。小学生の頃亡くなった、母方の祖母が作ってくれた栞だ。
「すごい夢…こんな細かいとこまで」
 感心してなおもベッドの上から部屋のあちこちを眺めていると、
「優ちゃん!早く起きなさい!朝練なんでしょ!」
 階段の下から母の声が飛んできた。
「は、はーい!」
 慌てて返事をしてベッドから出る。
 なんともリアルな夢だ。それにしても朝練とはなんのことだろう。
「これって一体いつ?何年何月何日なんだろう」
 スマホがなくてわからない。
「困っちゃうな、もう…」
 ちょっとうろうろして、机の上の卓上カレンダーに目がとまった。かわいいラブラドールの仔犬の写真のついたカレンダーだ。大きく10という数字がついている。十月。
 それなら、朝練とはおそらくクラス合唱の練習だろう。合唱コンクールが確か十一月にあったと思う。
「鞄の用意とかしてあるのかな」
 机の脇に置いてある、通学用に使っていた黒いリュックを開けてみる。
 教科書だのノートだのが入っているけれど、今日のためのものなのか昨日のものなのかわからない。
 時間割が机の前に貼ってあるけれど、今日が何曜日だかわからない。
 スマホがないと本当に困る。
 ふと見ると机の上にも教科書があった。「中学数学2」。
「…というと、中二か」
 やっぱり、と優は苦笑した。もちろん、昨夜思い出していたあれやこれやのせいだろう。夢って素直だ。しかもこんなはっきりした夢。よっぽど懐かしくて嬉しかったのだろう。千ちゃんやみさっちゃんやTMのおかげだ。音楽の力ってすごい。
 が、今はとにかく早く支度をせねば。せっかくこんなはっきりしたリアルな夢なのだ。目が覚めてしまう前に、ちゃんと学校まで行ってみたい。一目でいい、雅也に会いたい。
 急いで洗面所に行く。
「……」
 自分の顔に思わず五秒間くらい見惚れる。若い。すごい。ニヤけてしまう。
「なかなか可愛いではないか、お前さん」
 メイクの必要なし(どっちみち何も持ってない)。眉が整っていなくてちょっとアレだけど、これくらいなら許す。時間があればもちろんなんとかしたいけど、でも前髪で隠すからいい。
 懐かしのビオレ洗顔フォームで急いで顔を洗い、化粧水も乳液もクリームもないことに驚き、おかしくて浮き浮きしてくすくす笑いながら部屋に戻って着替える。そんなものが一切必要なかった頃。
 制服はグレイのブレザー。ネクタイがうまく結べるかちょっと心配だったけれど、まるで昨日も一昨日もやっていたかのようにするするっと結べた。濃い臙脂色のネクタイ。
 ブレザーを着る前に鏡台の前に座って髪を整える。
 ああ、ヘアアイロンがないではないか…。
 仕方がないのでドライヤーとロールブラシを使う。
 よし。合格。
 鏡の中からにこりと微笑み返した自分が、我ながらあんまり可愛くて(無論贔屓目だが)、鳥肌が立った。ずっとこのままでいられたらいいのに!この顔をよく覚えておこう。私にもこんな可愛い女の子だった頃があったのだ。
 急いで階段を駆け降り、
「おはようございまーす」
 と言いながらダイニングキッチンに飛び込んだ優の目は、テーブルの向こう側に座っている人に釘づけになった。
 お父さん。
 九年前に亡くなった父が、新聞から顔を上げた。
「おはよう」
 胸がぐっと詰まる。一気に込み上げた涙を必死に押し戻す。泣いちゃだめ、こんなところで。あくびのふりをして、潤んだ目をごまかす。
「あら、珍しい。先に着替えたの」
 キッチンで母が振り返る。若い。
「え、ああ、うん」
 そうか、いつもは着替える前に、パジャマのまま朝食を食べてたんだっけ。だらしないなあ。
 新聞の向こうの父の向かいに座りながら、優はさりげなく母に尋ねた。
「朝練、何時からって言ってたっけ」
「ええ?確か八時じゃない?」
「だよね」
 そんなところだろう。
 母がスクランブルエッグとベーコンとほうれん草のソテーとトーストの載ったお皿を目の前に置いてくれる。思わず幸せのため息が出る。座ったら目の前に朝食が出てくるなんて。ありがたやありがたや。
「どうしたの?」
「ううん。おいしそう。いただきます」
 食べながら、父の読んでいる新聞の日付けを見ようと思ったら、父が新聞を畳んで脇の方へやってしまった。
「今日は合唱の朝練か」
 口がいっぱいで、胸もいっぱいで、ただ黙ってうんうんとうなずく。
「何を歌うんだい」
 咀嚼しながら考える。二年生の時は確か…。食べ物を飲み込んでから、声が震えないように気をつけて答えた。
「モルダウ」
「スメタナか」
「うん。あのね、お父さん」
 父に訊いておけばよかったなあと思っていたことがあった。
「初めてオーケストラのコンサートに連れて行ってもらった時。あの時のはショパンの一番、それとも二番?」
「二番だよ」
「そっか」
 父が目を細める。
「覚えてるのか」
「実はあんまり。咳とか出ちゃったらきっと周りの人に『シーッ!』って怒られる、って思ってすごい緊張してたし。でもアンコールに『英雄ポロネーズ』を弾いてくれたのはすごくよく覚えてる。あの曲大好きだったから、まるで私のために弾いてくれたような気がしたの」
「そうか」
 父がまた嬉しそうに目を細める。
「まだ小さすぎるんじゃないの、って言ったんだけど。確か優ちゃん六歳だったわよね」
 母がミルクティの入ったテディベア模様のマグカップを置いてくれながら言う。父が宙を見上げて、
「小学校一年生の…あれは秋だったから、そうだな、まだ六歳だったな」
 ピアノの発表会に着たワンピースの上に、レースのカーディガンを着せてもらって、よそゆきの靴を履いて出かけた。
「いつもだったらもうお風呂に入って寝てる時間だったのに、人のいっぱいいるところにいるのがなんだか不思議な感じだった」
 他にも父に言いたいことがある。優は早口になった。夢が覚めないうちに早く早く。
「それからね、次に連れて行ってもらった時のモーツァルトの二十七番。あれでモーツァルトが大好きになったの。真っ逆さまに恋に落ちた感じ」
 父が笑う。
「あの時はまいったなあ。帰り道に何度も歌わされた」
「そうそう。今でもね、他のどんな曲とか歌とかよりもモーツァルトの二十七番が一番好き」
 今でも、と中学二年生が言っても大したインパクトはないだろうけれど、実際の歳を言うわけにもいかない。
「連れて行ってくれてありがとうってずっと言おうと思ってたの。ありがとうございました」
 両手をきちんと膝に置いて優はぺこりと頭を下げた。
 中二の時点ではまだ言えない、未来の色々なありがとうもこめたつもりだった。
「いえいえ。どういたしまして」
 父も冗談めかして頭を下げた。
「どうしちゃったの一体」
 母が笑う。優は涙目になりそうになりながら、えヘっと笑ってみせた。
「なんとなくね。あ、ねえ、今日何曜日だっけ」
「火曜日でしょ」
「火曜ね」
 頷いて、食べる速度を上げた。時間割を調べて鞄の用意をしなくては。
智希ともきはどうしたんだ」
「まだ寝てるんでしょう」
「なんだ、しょうがないな」
「だってまだ早いもの。優ちゃんだっていつもはもうちょっと遅いわよ」
「ちゃんと勉強してるのか、智希は」
「してるでしょ」
 両親の会話を聞きながら、優は心の中で苦笑した。兄のことをすっかり忘れていた。
 優が中学二年ということは、兄の智希は高校三年。受験生だ。父の心配をよそに、国立大学にちゃんと現役で合格した親孝行の兄である。現在は理学部の助教授で、料理のとびきり上手な美しい妻と可愛くて賢い二人の娘とともに地方都市で暮らしている。優等生の人生だ。私なんかと全然違う、と最近兄のことを思うたびに優はいつも苦いため息をつく。兄は成功者。私は失敗者。二人きりの兄妹だから、どうしたって比べてしまうのだ。

 優が結婚を決めた頃、既に他県に住んでいた智希と会って話す機会があった。
「お前さ、ちゃんと考えたの」
「何を?」
「結婚のこと。決める前にちゃんと考えたのか」
「もっちろーん」
 あの頃は結婚の話題となると浮き浮きしてニヤニヤせずにはいられなかった。
「真面目に訊いてんだぞ」 
「私だって真面目に答えてるもーん」
 智希がわずかに眉をしかめて厚手の藍色のコーヒーカップに口をつける。優は真顔になって答え直した。
「ちゃんと考えたよ、もちろん」
「で?」
「ちゃんと考えて、結婚することに決めたの」
「外国で暮らしていく自信あるのか」
「だって一年暮らして大丈夫だったもん」
「学生としてだろ。結婚してずっと暮らしてくっていうのはまた違うんじゃないのか」
「そりゃそうかもしれないけど…でも彼と一緒だから」
 指輪を眺めてうふんと笑う。智希がため息をつく。
「そういうとこが心配なんだよ。なんていうか…落ち着きが感じられないっていうか。ふわふわして」
「だって恋してるんだもーん。落ち着いてなんていられませんわ、お兄様」
「恋愛と結婚は違うって言うだろ。なんでそいつと結婚するんだ」
「なんでって…アイシテルから」
「知り合ってたった数ヶ月だろ。そんなんでどうして結婚するんだ」
「プロポーズされたから」
 智希はため息をついた。
「もうちょっと…せめて一、二年つきあってからにしようとか思わないのか。相手のこと、よく知らないだろ」
 優は口を尖らせた。
「知ってるよ。ちゃんとわかってるもの、どんな人か」
「どうだかな」
「長くつきあってればいいってもんでもないでしょ」
「ま、そりゃそうだけど。言葉は?ちゃんとコミュニケーションとれてんのか」
「あったりまえでしょ。失礼ね」
「文化の違いだってある。ちゃんと分かり合えてんのか」
「分かり合えてます。それにそんなの、日本人同士だって分かり合えないこといっぱいあるでしょ。言語とか文化の問題じゃないと思うけど」
「まあな…」
「なんでそんなに心配するの?」
「うーん…なんていうか…」
 コーヒーを一口飲んで、智希は優をじっと見た。
「お前、まだ大学出たてだし、色々経験してないだろう。就職だってしてない。そんな世間知らずのまま、いきなり、ちょっとつきあっただけの奴にプロポーズされて舞い上がって、そいつの国に行ってこれからずっとそこで暮らしていくなんてことを、そんなふうに安易に決めて本当にいいのかってことだよ。日本でやれることとかやりたいこととかが、これから出てくるかもしれないのに」
 そして眉をひそめて言ったものだ。
「だいたい、そいつもそいつだよ。知り合って数ヶ月の、しかも大学出たばっかりの外国人の女の子にプロポーズするなんて、ちゃんとした男のすることじゃない。そういうこと、よく考えてみたのか」
 それでもちろん喧嘩になった。というより、カンカンになった優が
「自分だって結婚してないくせに何がわかるのよ!大きなお世話!」
 と席を蹴って店を出てしまったのだ。
 連れと口論して怒って店を出る、なんていうことをやってのけたのは、後にも先にもあれ一度だけだ。映画などではよく見るけれど、まさか自分がそんなことをしようとは思わなかった。でもあの時は猛烈に腹が立ったのだ。

 お兄ちゃんが、正しかったわけか。
 少し冷めてしまったミルクティを飲みながら、優は情けない気持ちで考えた。あの時の会話を思い出したのは久しぶりだ。夢の中とはいえ、智希と顔を合わせるのがなんだか恥ずかしい。
 どうせお兄ちゃんがいつも正しくて、お兄ちゃんがいつも冷静で、お兄ちゃんがいつも正しい選択をする。お兄ちゃんはきちんとした人生を送っている。お兄ちゃんはちゃんと専門職に就いて、愛する家族がいる。お兄ちゃんは…
「ちょっと、優ちゃん。のんびりしてていいの?」
 母の声にはっとなる。マグカップを持ったままぼうっとしていたらしい。慌てて残っていたトーストを口に詰め込み、ミルクティの残りを飲み干す。ナプキンで口を拭く。
「ごちそうさまでした!」
 急いで立ち上がってちらりと父の方を見ると、父と目が合った。双方ちょっとぎこちなくにこりと微笑み合う。照れくさかった。でも、たとえ夢の中であっても、ありがとうと言えてよかったと心から思った。
 階段を駆け上がったところで、洗面所から出てきた智希とばったり出くわした。ちょっと寝癖のついた髪。紺色のパジャマの上に羽織った灰色のパーカー。
「あっ、お、おはようお兄ちゃん」
「おう」
 そのまますれ違う。なんだか泣きそうになって目を閉じる。
 お兄ちゃん。
 やっぱりお兄ちゃんが正しかったよ。
 あの時はごめんね。お兄ちゃんみたいにしっかりした大人になれたらよかった。

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