女性専門の店

zebra

文字の大きさ
5 / 5

レイの記憶④

しおりを挟む
 二日目を迎えた。

 周りのレイに対する目が一日目とは明らかに違う。ユミが「親衛隊」の如く、常に付き添っている。いつの間にやら今までの「お姫様」から「女王様」になってしまったらしい。

 入浴時間になった。

 昨日と同様、同じ時間に入浴する子たちがレイの後にぞろぞろついてくる。ただ、依日目に見ただけで満足したのか、そうでない子も多くは無いがいる。

 レイが体を洗っていると、周囲の子が手を止めて注目している。

 急に静かになった。何事かと思って振り返ると教師がいる。20代と思しき若い先生。何らかの事情で入浴時間がずれたので、気が付かなかったらしい。

 「あら、みんな何しているの?」

 誰も答えない。「レイのからだを見たくて」なんて言えるわけがない。

 教師は周囲を見回す。理解したよう。

 「なるほど、そういうことなのね」

 ばれてしまったけど、別に悪いことをしているわけではない。他の子は急に何事も無かったような顔をして、体を洗い始めた。

 「あなた、すごい体しているのね。先生も見ていてもいい?」

 こんなことを言われるとは想像できなかった。さすがにオドオドしてしまう。

 「私もここの卒業生だけど、校外授業の時お風呂で他の子のカラダを見たりしてたわよ」

 レイを眺め始める。教師自身も隠そうとはしていない。「生まれたまま」の姿。

 違うか。「生まれた時」に胸が膨らんだ子などいるはずはない。
 
 グラマラスとまではいわないけど、コンプレックスを感じるほどではないカラダ。股間の茂みが妙に生々しい。

 ユミがとんでもないことを言った。

 「先生、バージンなんですか?」

 返事は「違うわよ」でも「それは秘密ね」

 でもなかった。

 「いいえ。結婚して、子供もいるわよ」

 「そうなんですか!」

 ユミが周りを憚らぬ大声を出したが、それはレイの思っていたことでもあった。

 「別にコソコソしなくていいわよ。お風呂なんだからみんな裸なのは当たり前でしょ」

 それならば遠慮することも無い。レイの方からも話しかけてみる。

 「先生のカラダもきれいですよ」

 「ありがとう。3人もおっぱいをあげて育てているんだけどね」

  先生の胸を眺める。とてもそんな風には見えない。

 「お子さんそんなにいらっしゃるんですか!家でお留守番ですか?」

 「私の母に来てもらってるわ。
 それから、知りたいことがあったら、何でも聞いてちょうだい。男の子も男の先生もいないから、恥ずかしくないでしょ?」

 気が付くと、周りの子も手を止めて、先生とレイの会話に聞き入っている。

 「あなた、昨夜他の部屋を回っていたでしょ。ああいうことはコソコソやらなくていいから。私はすぐ気が付いたけど、先生によっては返って怪しむわよ」

 言い終えると、レイの隣に椅子を置いて、股間を洗い始めた。恥ずかしがる様子など全くない。

 「みんなもきちんと洗うのよ。女性のこの部分はどうしても汚れやすいんだから」

 他の先生のことはまだよく分からないけど、この先生とはうまくやっていけそう。

 レイは自分の手を止めて、先生が体を洗っているのを見てしまう。見回すと、周りの子も見ている。

 「何じろじろ見てるのよ。さっさと洗って上がらないと時間、無くなるわよ」

 我に返った。確かにそうだ。
 
 みんな、自分のからだを洗い始める。
 
 体を洗い終わったので、大きな浴槽に入る。先生も入ってきた。お湯の中でおっぱいがゆらゆらと揺れているのが見える。主役がレイから先生に移ってしまったようだけど、特に何とも思わなかった。

 「そんなに見たい?いいわよ。こっちにいらっしゃい」

 女子生徒が先生を囲むように集まってくる。

 「あんたたち、今夜も何か企んでいるでしょ。今夜は止めておきなさい。「お局」の先生が巡回することになっているから。若い先生なら見逃すけど、あの先生はまじめだから、見つかったらただでは済まないかもよ」

 「そうなんですか?」

 「大きな声では言えないけどね。あの先生、私が生徒だった時も「要注意」だったのよ」
 

 



 
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...