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家族
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ユウさんの性欲は敬子の想像を超えるものだったのかもしれない。
出産後1ヶ月を過ぎた頃、こんなことを言ってきた。
「もうそろそろ、どうかな。敬子さんのからだが恋しくてたまらない」
考えてみれば、妊娠中を含めればもう1年近くもご無沙汰である。その間ずっと我慢させてしまった。敬子も特に嫌だとは思っていない。
「いいわよ。メイが寝ている間なら」
二人は久しぶりに燃え上がった。
3ヶ月後。メイが生まれて4ヶ月半後。
再び敬子は体に変調を覚えた。
「またできちゃったみたい」
自分が妊娠しやすい体質であることは自覚していたけど、授乳中に妊娠するとは思ってもみなかった。
妊娠検査薬を使って見ると、間違いなく「陽性」。
思い出してみれば、昭和の家でも近所に年子がいる家庭がいくつもあった。そんなに珍しいことではないのかもしれない。
「まさかこの歳になって二人も産むことになるとはね」
この世界では自分以外誰も年齢を知らないが、出産時には39にもなる。明らかに高齢出産の歳。
ただ、昭和の夫の妹にも、姑が43歳の時に生まれた人がいるし、そんなに心配することもなさそうだと思った。
メイを連れて、病院に行って診てもらう。こういう時に自動車が運転できるとありがたみが違う。
「妊娠三ヶ月です」
帰宅したユウさんにさっそく報告する。
「えっ、またできたの?」
分かってはいたけど、改めて自分のからだの凄さに気付く。でも、メイより前に既に3人も子供を産んでいることを知ったら、ユウさんはもっと驚くことだろう。
もちろんそんな話はできないけど。
看護助手の仕事は辞めることにした。産休とはいえ、これ以上休んで病院に迷惑を掛けられない。
「おめでとう。辞めちゃうのは残念だけど」
敬子にとっても何も知らない平成に来て色々とお世話になった仲間たち。後ろ髪を引かれるような気持ちで病院を後にする。
昭和にいた時と同じように主婦に戻った。もう1年も休職していたのだから生活そのものは変わらないけど、その方が自分に合っているのかもしれない。
人により違うのかもしれないけど、敬子の場合は妊娠していても乳はよく出た。哺乳瓶はほとんど使わないまま。ただ、月を追うごとに重くなると、メイを抱きかかえるのもしんどくなってくる。
出かけるときは電話で頼むと大喜びでユウさんの両親のいずれかが飛んできてくれるから、困ることは無い。まさか年増の嫁に短期間に二人目ができるとは思っていなかったのだろう。
やがて性別も分かった。
二人目も女の子。これなら男の子と違ってメイの物とかなり共通化できる。経済的には大助かりで、親孝行な胎児。
名前は、一人目は敬子につけさせてくれたので、二人目はユウさんにお願いする。
「アオイはどうだろう。「碧」という字で」
悪くないと思う。
メイの子育てと思いがけない妊娠で忙しい中、ふと気が付くと夏の気配。もうすぐ平成に来て2年が過ぎる。
今は1999年。21世紀まであと2年。まさか41歳で迎えることになるとは思ってもみなかったこと。メイやアオイは本来なら孫のような歳。何とも不思議な気持ちになった。
有名な男性政治家やテレビタレントがいくつもの家庭を持っているという話は時々聞くが、女性の場合は聞いたことが無い。タイムトラベル現象が他の人には起きないのだとすれば、自分が唯一の存在かもしれないと思った。
冬を迎える頃、敬子はアオイを出産した。誰も知らないけど、敬子からすれば5人目の子。昭和50年と違い、3人だって子沢山と言われる20世紀末。テレビ番組では5人くらい子供がいる家庭が「大家族」として取り上げられていた。
出産後1ヶ月を過ぎた頃、こんなことを言ってきた。
「もうそろそろ、どうかな。敬子さんのからだが恋しくてたまらない」
考えてみれば、妊娠中を含めればもう1年近くもご無沙汰である。その間ずっと我慢させてしまった。敬子も特に嫌だとは思っていない。
「いいわよ。メイが寝ている間なら」
二人は久しぶりに燃え上がった。
3ヶ月後。メイが生まれて4ヶ月半後。
再び敬子は体に変調を覚えた。
「またできちゃったみたい」
自分が妊娠しやすい体質であることは自覚していたけど、授乳中に妊娠するとは思ってもみなかった。
妊娠検査薬を使って見ると、間違いなく「陽性」。
思い出してみれば、昭和の家でも近所に年子がいる家庭がいくつもあった。そんなに珍しいことではないのかもしれない。
「まさかこの歳になって二人も産むことになるとはね」
この世界では自分以外誰も年齢を知らないが、出産時には39にもなる。明らかに高齢出産の歳。
ただ、昭和の夫の妹にも、姑が43歳の時に生まれた人がいるし、そんなに心配することもなさそうだと思った。
メイを連れて、病院に行って診てもらう。こういう時に自動車が運転できるとありがたみが違う。
「妊娠三ヶ月です」
帰宅したユウさんにさっそく報告する。
「えっ、またできたの?」
分かってはいたけど、改めて自分のからだの凄さに気付く。でも、メイより前に既に3人も子供を産んでいることを知ったら、ユウさんはもっと驚くことだろう。
もちろんそんな話はできないけど。
看護助手の仕事は辞めることにした。産休とはいえ、これ以上休んで病院に迷惑を掛けられない。
「おめでとう。辞めちゃうのは残念だけど」
敬子にとっても何も知らない平成に来て色々とお世話になった仲間たち。後ろ髪を引かれるような気持ちで病院を後にする。
昭和にいた時と同じように主婦に戻った。もう1年も休職していたのだから生活そのものは変わらないけど、その方が自分に合っているのかもしれない。
人により違うのかもしれないけど、敬子の場合は妊娠していても乳はよく出た。哺乳瓶はほとんど使わないまま。ただ、月を追うごとに重くなると、メイを抱きかかえるのもしんどくなってくる。
出かけるときは電話で頼むと大喜びでユウさんの両親のいずれかが飛んできてくれるから、困ることは無い。まさか年増の嫁に短期間に二人目ができるとは思っていなかったのだろう。
やがて性別も分かった。
二人目も女の子。これなら男の子と違ってメイの物とかなり共通化できる。経済的には大助かりで、親孝行な胎児。
名前は、一人目は敬子につけさせてくれたので、二人目はユウさんにお願いする。
「アオイはどうだろう。「碧」という字で」
悪くないと思う。
メイの子育てと思いがけない妊娠で忙しい中、ふと気が付くと夏の気配。もうすぐ平成に来て2年が過ぎる。
今は1999年。21世紀まであと2年。まさか41歳で迎えることになるとは思ってもみなかったこと。メイやアオイは本来なら孫のような歳。何とも不思議な気持ちになった。
有名な男性政治家やテレビタレントがいくつもの家庭を持っているという話は時々聞くが、女性の場合は聞いたことが無い。タイムトラベル現象が他の人には起きないのだとすれば、自分が唯一の存在かもしれないと思った。
冬を迎える頃、敬子はアオイを出産した。誰も知らないけど、敬子からすれば5人目の子。昭和50年と違い、3人だって子沢山と言われる20世紀末。テレビ番組では5人くらい子供がいる家庭が「大家族」として取り上げられていた。
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