私がエロ小説を書き始めるようになった理由

zebra

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金曜スペシャル(1)

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「金曜スペシャル」を知っている人は少ないかもしれないので、説明しておく。

 父親が「こっそり」見ていたつもりだったようだが、当時小学生だった私は鏡を駆使して見ることに成功していた。

 極端なことを言うと、この番組が私の書くエロ小説の元になっていると言えるかもしれない。

 番組が誤解を受けないように付け加えておくと、全ての放送がエロテーマばかりだったわけではない。ただ、割合が高かったのは間違いないと思う。 Wikipediaで検索してみたら、「エログロ内容の時は視聴率が高かった」とあるので、そういうものが多かったのではないかと想像する。

 当時は女性の裸など出てくる番組は珍しくなかったが、この番組については掲示板などでも書き込みが少ないので、案外知られていないようだ。

 深夜番組ではなく、21時から概ね1時間の番組だった(終了時間は多少変化していた)。

 当時は家庭用録画機器などが普及していたわけではなく、当時の映像などを探し出すのも困難かもしれないので、内容を紹介しておこうと思う。但し、私が知っているものはごく一部であるが。



 この番組の特徴は、特定のテーマに沿ってレポートを映像とともにまとめた形のものが多かったということで、一見、真面目な番組のような題名がついていることがほとんどだった。

 以下に例を挙げてみる。

 「残酷 婦女暴行事件」という題名の時は、実際に起きた変質者によるレイプ事件を詳細に「再現映像」で描いており、真面目な番組と勘違いしたらしい視聴者から新聞のテレビ感想欄に苦情の投稿があったくらい。

 女性が襲われるところ、服を脱がされるところ、変質的なことをされて苦悶の表情を浮かべるところなどが「再現」されていた。

 これはあくまでも「再現ドラマ」だが、そうでないものも少なくなかった。

 特に日本国内で撮影されたものなどは、今やったら確実に犯罪行為だろうと思われるものが大半。

 実験の一つに、「普通はあり得ない場所に裸の女性が現れたら、周囲はどんな反応を示すか」というもの。

 男湯に若い女性が入って行ったら入浴中の男性はどういう反応を示すのか、スキー場のリフトに裸の女性が乗っていたら周囲はどういう話をするのか、など。

 後者は案外冷静で、見ていた人たちは

 「寒そうね」
  
 で終わってしまった。

 「乳がん」を取り上げたものもあった。これなど今でも医療番組に何度も取り上げられているが、番組内ではこんな感じだった。

 初めに上半身裸の女性の映像が流れ、ナレーションに

 「乳房、それは女性の象徴であり、誇りでもある。それが失われてしまう病気、それが乳がんである」

 と説明する。

 いかにも「仕込み」の女性に番組がインタビューする。

 「胸に気になるところがあるので、診察を受けに来ました」

 と答える。

 女性が医師に症状を話す。医師は、

 「それでは見てみますので、脱いでください」と指示を出す。

 女性が上半身裸になる映像が流れる。医師が触診をするシーンが流れる。以降いくつかの診断シーンが流れ、

 「問題はありませんでした。安心してください」

 乳がんについていくつか医師の話が流れ、「本物の患者」(と思われる)が映る。手術室に運ばれて上半身脱がされ、乳房にマジックで「〇」が書き込まれる。

 「これでお別れです」というナレーション。

 最後に、実際に手術を受けた患者の話が流れてエンディング。

 今こんな番組を作ったらどう考えても興味本位のそしりを逃れないだろう。

  東南アジアだと思うが、少女が売春宿に売られるところの「潜入映像」もあった。

 レポートという形を取ってはいたが、実質的には興味半分の範疇であろう。

 父親に連れられてきた10代の少女が、売春宿の主人にまずは容姿で品定めされ、言われるままに服を脱いでいく。

 「少女は何も逆らわない。それを運命と知っているかのように」

 と、ナレーションが入っていた。

 全裸になって値段が決まり、受け取った父親が去っていく。

 番組の最後は

 「いくら客を取っても、彼女たちは一銭も受け取ることは無いのです」

 そういう終わり方をしていた。

 これって一見真面目な「ドキュメンタリー番組」みたいだが、よく考えてみればカメラを入れさせてもらっているということは、この店の店主に金を払っていたとしか思えないのである。つまり「共犯」だったということ。


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