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アダルトビデオについて
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意外かもしれないが、私はアダルトビデオというものを見たことが無い。
理由は簡単で、男の裸など見たくないからである。ましてや、男女の性行為など尚更見たくない。
今では無くなったが、かつてはアダルトビデオについて特集したドキュメンタリー番組も数多く放送されていた。
その存在を初めて知ったのは、母が見ていた昼のワイドショーを一緒に見ていた時。35年くらい前のこと。
どこにでもいそうなごく普通の主婦が、男性と本当に性行為を行う映像作品に出演したという特集コーナーだった。当時まだ「アダルトビデオ」という言葉は存在しなかったのかもしれない。当時の感覚からすればポルノ映画の変形のようなもので、出演者の女性もそう呼んでいた。
余談だが、「アダルトビデオ」というのは和製英語である。英語圏では全て「ポルノグラフィー」で、劇中に本番行為があるかどうかは関係がない。出演する役者との契約書によって決められるそうだ。
女性レポーターと対談方式で話を始める。もちろん一字一句正確に覚えているわけではないが、こんな感じだった。
出てきたのは、今で言うアラサーくらいのごく普通の女性。そこそこ美人の方に含まれるだろうけど、絶世の美女というほどでもない。もちろん、画像を編集したりマスクやサングラスで隠したりすることはなく、顔はそのまま映されている。
本人は「芸術作品」に出演したつもりでいたようだ。これは私の想像にすぎないが、「エマニエル夫人」が男性より女性に高い評価を受けたことと無関係ではないと思う。私にはどう見てもポルノでしかないのだが、「特定の男性に拘束されること無く自由な女性」を描いた芸術作品」と考えていた女性もいたのかもしれない。
レポーター(れ)
「映像作品に出演されて、しかも相手方の男性と本当にしてしまったというのは本当ですか」
主婦(主)
「ひどいでしょう。まさかあんなことさせられるなんてね」
れ 「でも、自分から応募されたんですよね」
主 「まあ、そうなんですけどね」
れ 「どういうきっかけだったのでしょうか」
主 「「高額報酬保証 経験不問 映像関係の仕事に興味のある女性。主婦、OL可」って言うのがあったんです。そういうものに元々興味はあったし、出てみたいな、と思っていたので応募しました」
れ 「そうしたら、裸になる仕事で、しかも本当に性行為をするってことを知らされたわけですか」
主 「ええ」
れ 「よく、やる気になりましたね」
主 「報酬が主婦にはあり得ない位なのが魅力的でしたから。出る以上、ある程度覚悟はしていましたし」
れ 「ご主人にはお話しされたのですか」
主 「絶句していましたね。でも、私が本気なことと決意が固いことを話すと、「だったら見ている男全員を夢中にさせてこい」って、認めてくれました」
れ 「撮影はどうだったんですか」
主 「監督の言われるままになって、あとは相手役にお任せしました」
れ 「緊張はしなかったんですか」
主 「いいえ、撮影に入ったらそれどころじゃないですよ。あとは監督の指示通りに演じることに集中です」
れ 「今後もこういう作品に出演されるのですか」
主 「ええ、オファーがあったらぜひやらせていただきたいです」
れ 「ありがとうございました」
それまで、そんな映像作品が存在することすら知らなかった。ポルノ映画などがあるのは知っていたが、もちろん本当にやっているのでないことは分かっていたし。
一緒に見ていた母も
「いろいろな人がいるもんだねえ」
と、驚いていたのを思い出す。
日本においては「ポルノ映画」と「アダルトビデオ」は全く別物と見做されるようになっていくが、これが明確になるのはもう少し後の話である。
それから数年後だったと思うが、スカウトを取り上げたドキュメンタリー番組が放送されたのを見た。こちらは映像無しの声だけである。
スカウト
「できるだけ一人で歩いている女性を狙うんですよ。友人なんかが一緒にいてついて来られたりしたら困りますから」
「こんにちは。失礼ですけど、映像関係や、モデルの仕事に興味ありますか。お時間は15分くらいですので、お話しできませんか」
数名に断られる。
「まあ、こんなものです。五人に一人興味を持ってもらえれば上々ですから」
女性
「大丈夫ですけど」
スカウト
「すぐそこです。こちらにどうぞ」
「お仕事なんですけど、1日4時間くらいの拘束で、30万くらいになります。興味ありますか」
女性
「どんな仕事なんですか」
スカウト
「アダルトビデオなんですよ。どうです、普通の事務の仕事だったら一か月せいぜい12万でしょう。それが1日数時間働くだけでで3ヶ月分ですよ」
女性、考え込む。
スカウト
「家族や会社にばれる心配ならありません。電話や手紙の連絡は会社名を一切使わず、うちの女子社員が個人名でしますから、友達だということにしてもらって結構です。毎月たくさんの女性が作品に出ていますから、知り合いに見られる可能性なんて限りなく低いですし。もし見られたとしても、「似ている人がいるね」で誤魔化してしまえば済むことです」
女性
「ちょっと考えさせてもらえますか」
スカウト
「どうぞ。これが私の名刺です。興味があるようならいつでも連絡ください」
女性を帰す。
スカウト
「だいたい、3割から半分の女性から連絡が来ます。そのうち半分は実際に出演を承諾しますね」
ナレーション
「この後、この女性から連絡が来たという」
まあ、連絡をするということは出演する意志があるということなのだろうから。当時はネットなど無かったから、注意していれば家族や知人にばれる可能性も低かったのかもしれない。
実際にアダルトビデオ女優をしている女性にインタビュー。
「始めるきっかけは?」
「スカウトです。お金が欲しかったし、ばれないということだったから」
「今でも家族は知らないのですか」
「ばれちゃいました」
ここで終わっていたが、人間というものは人にもよるのだろうが秘密を守り続けるのは難しいことなのだろうということは想像できた。
その後の家族との関係がどうなったのか気になったが、それについての話は無かった。
別の番組。
出出しのナレーション。
「今では、特別な人ではなく、普通の女性がごく当たり前にアダルトビデオに出演している。それについて密着した」
アダルトビデオ女優だという若い女性が登場。今から撮影現場に向かうという。マイクロバスが迎えに来る。
「行ってきます」
あっけないような笑顔で乗り込んで手を振る。
控室。
女性スタッフにメイクなどをしてもらっている。準備が完了して、呼ばれる。
女性自身が番組スタッフに向かって挨拶する。
「それでは、今から撮影に行ってきます」
撮影現場の声だけが流れる。撮影終了。バスローブを着た女性が出てくる。
「感じちゃった」
楽しんできたような笑顔。
別な画面。
貌にモザイクを掛けた女性が登場。撮影室だという部屋の椅子で待機している。彼女の周りには、パンツ一枚の3人の男優が顔を隠すことなく腰掛けている。相手役らしい。
女性にインタビュー。
「初めてなんです。いったいどういうことをやらされるのか、心臓がドキドキです」
監督の声。
「それでは撮影に入ります。男優さんたちは好きなようにこちらの人妻さんを攻略してください」
女性はベッドに仰向けになる。その周りを3人がとり囲む。3人の男優が交代でこの素人女性と性交していくということのようだ。普通に考えたら完全に「輪交」であろう。
映像は撮影終了後に。
女性にインタビュー。
「どうでした?」
「普段、主人ともやらないようなあんなことされて物凄く恥ずかしいです。恥ずかしいけど、気持ちいい」
「よかったですね。これからどうなさいますか」
「出演料をもらったんで、いい食事をして帰ります」
エンディングのナレーション。
「アダルトビデオに出演することは後ろめたさや罪悪感を感じたりすることも無い、ごく普通のことになっているのである。あなたの周りにも出演した女性がいるのかもしれない。そして、その多くは一回か数回程度の出演だけで消えていく」
この番組を見たのは、確か20年以上前のこと。今ではこんなドキュメンタリー番組自体不可能だろうと思う。
当時は、世間知らずの地方から出てきたばかりの若い女性や、単調な生活で好奇心から応募した主婦が多かったようだが、その後それまでだったら考えられないような現役名門大学の学生や、大学院修了者まで出演するようになった。多くは芸名(有名女性タレントに似せた名前が多い)で顔出しNGだが、鈴木涼美みたいに顔出しで堂々とテレビ出演している人までいる。
彼女の場合、大学院の論文のテーマに自らのアダルトビデオ女優の経験を選んだのだそうだ。
スカウトは見た目さえ良ければだれでも構わず、というわけではなく、面接時に細かくチェックしていたらしい。うっかり良家の令嬢なんか出演させようものなら後でトラブルになりかねないからである。実際、あとは撮影という段階まで来た時に本人が隠していたことがばれ、撮影中止になったこともあったそうだ。制作会社、プロダクションにとって大損害に繋がりかねない。
その後、モデルや女優ということで撮影現場に行ったら実際にはアダルトビデオ撮影で、騙されて出演させられたことが社会問題になったり、逆に自分から応募してくる女性が増え、採用基準が上がって3割程度しか出演に至らないとか、誰でも数十万受け取れたのは昔の話で、今は下手をすれば一回の出演で2万程度だとか、性病感染が問題になって検査が義務付けられるようになったとか、室内ではなく誰でも出入りできるところで撮影したことが露呈して警察沙汰になったとか、妊婦の出演者が無理な撮影で撮影中に死亡したとか、高校の女性教師がアルバイト感覚で出演していたことがばれて解雇されたとか、様々なニュースが飛び交うようになっている。今や日本人女性の1/400が出演経験があるとか、成人女性の1/200が出演経験があるとかいう話も聞いたこともあるが、ほとんどの出演者は秘密にするだろうし、どのようにして出した統計なのか不明である。
今は警察も目を光らせているので、繁華街でのあからさまなスカウトは困難だろう。それでも全く無くなったわけでもないらしいが、かつてのように金を積み上げたり「絶対ばれない」などと言おうものなら、コッソリ会話を録音されていたりしたらトラブルが起きた時に確実に負けるだろうからそれもやらないはずだ。
志望者の多くは自ら申し込んでいるらしい。父親が家に持ち込んでいたものをこっそり見て影響を受けたとか、元々性的好奇心が強くてとか理由は様々なようだが、「手っ取り早く金を稼ぎたい」などという理由は少なくなっているだろうと思う。短期的には大金を稼げたとしても、ほとんどのアダルトビデオ女優は出演回数が増えるほど出演料は減っていくそうだし、家族や知人にばれる確率も確実に上がる。特に地方在住者の場合は出演したことが近所に広まってしまえばそのまま住み続けることすら困難になるかもしれない。リスクを考えればほとんどの場合割に合わない。よほどの覚悟が必要になってくる。
理由は簡単で、男の裸など見たくないからである。ましてや、男女の性行為など尚更見たくない。
今では無くなったが、かつてはアダルトビデオについて特集したドキュメンタリー番組も数多く放送されていた。
その存在を初めて知ったのは、母が見ていた昼のワイドショーを一緒に見ていた時。35年くらい前のこと。
どこにでもいそうなごく普通の主婦が、男性と本当に性行為を行う映像作品に出演したという特集コーナーだった。当時まだ「アダルトビデオ」という言葉は存在しなかったのかもしれない。当時の感覚からすればポルノ映画の変形のようなもので、出演者の女性もそう呼んでいた。
余談だが、「アダルトビデオ」というのは和製英語である。英語圏では全て「ポルノグラフィー」で、劇中に本番行為があるかどうかは関係がない。出演する役者との契約書によって決められるそうだ。
女性レポーターと対談方式で話を始める。もちろん一字一句正確に覚えているわけではないが、こんな感じだった。
出てきたのは、今で言うアラサーくらいのごく普通の女性。そこそこ美人の方に含まれるだろうけど、絶世の美女というほどでもない。もちろん、画像を編集したりマスクやサングラスで隠したりすることはなく、顔はそのまま映されている。
本人は「芸術作品」に出演したつもりでいたようだ。これは私の想像にすぎないが、「エマニエル夫人」が男性より女性に高い評価を受けたことと無関係ではないと思う。私にはどう見てもポルノでしかないのだが、「特定の男性に拘束されること無く自由な女性」を描いた芸術作品」と考えていた女性もいたのかもしれない。
レポーター(れ)
「映像作品に出演されて、しかも相手方の男性と本当にしてしまったというのは本当ですか」
主婦(主)
「ひどいでしょう。まさかあんなことさせられるなんてね」
れ 「でも、自分から応募されたんですよね」
主 「まあ、そうなんですけどね」
れ 「どういうきっかけだったのでしょうか」
主 「「高額報酬保証 経験不問 映像関係の仕事に興味のある女性。主婦、OL可」って言うのがあったんです。そういうものに元々興味はあったし、出てみたいな、と思っていたので応募しました」
れ 「そうしたら、裸になる仕事で、しかも本当に性行為をするってことを知らされたわけですか」
主 「ええ」
れ 「よく、やる気になりましたね」
主 「報酬が主婦にはあり得ない位なのが魅力的でしたから。出る以上、ある程度覚悟はしていましたし」
れ 「ご主人にはお話しされたのですか」
主 「絶句していましたね。でも、私が本気なことと決意が固いことを話すと、「だったら見ている男全員を夢中にさせてこい」って、認めてくれました」
れ 「撮影はどうだったんですか」
主 「監督の言われるままになって、あとは相手役にお任せしました」
れ 「緊張はしなかったんですか」
主 「いいえ、撮影に入ったらそれどころじゃないですよ。あとは監督の指示通りに演じることに集中です」
れ 「今後もこういう作品に出演されるのですか」
主 「ええ、オファーがあったらぜひやらせていただきたいです」
れ 「ありがとうございました」
それまで、そんな映像作品が存在することすら知らなかった。ポルノ映画などがあるのは知っていたが、もちろん本当にやっているのでないことは分かっていたし。
一緒に見ていた母も
「いろいろな人がいるもんだねえ」
と、驚いていたのを思い出す。
日本においては「ポルノ映画」と「アダルトビデオ」は全く別物と見做されるようになっていくが、これが明確になるのはもう少し後の話である。
それから数年後だったと思うが、スカウトを取り上げたドキュメンタリー番組が放送されたのを見た。こちらは映像無しの声だけである。
スカウト
「できるだけ一人で歩いている女性を狙うんですよ。友人なんかが一緒にいてついて来られたりしたら困りますから」
「こんにちは。失礼ですけど、映像関係や、モデルの仕事に興味ありますか。お時間は15分くらいですので、お話しできませんか」
数名に断られる。
「まあ、こんなものです。五人に一人興味を持ってもらえれば上々ですから」
女性
「大丈夫ですけど」
スカウト
「すぐそこです。こちらにどうぞ」
「お仕事なんですけど、1日4時間くらいの拘束で、30万くらいになります。興味ありますか」
女性
「どんな仕事なんですか」
スカウト
「アダルトビデオなんですよ。どうです、普通の事務の仕事だったら一か月せいぜい12万でしょう。それが1日数時間働くだけでで3ヶ月分ですよ」
女性、考え込む。
スカウト
「家族や会社にばれる心配ならありません。電話や手紙の連絡は会社名を一切使わず、うちの女子社員が個人名でしますから、友達だということにしてもらって結構です。毎月たくさんの女性が作品に出ていますから、知り合いに見られる可能性なんて限りなく低いですし。もし見られたとしても、「似ている人がいるね」で誤魔化してしまえば済むことです」
女性
「ちょっと考えさせてもらえますか」
スカウト
「どうぞ。これが私の名刺です。興味があるようならいつでも連絡ください」
女性を帰す。
スカウト
「だいたい、3割から半分の女性から連絡が来ます。そのうち半分は実際に出演を承諾しますね」
ナレーション
「この後、この女性から連絡が来たという」
まあ、連絡をするということは出演する意志があるということなのだろうから。当時はネットなど無かったから、注意していれば家族や知人にばれる可能性も低かったのかもしれない。
実際にアダルトビデオ女優をしている女性にインタビュー。
「始めるきっかけは?」
「スカウトです。お金が欲しかったし、ばれないということだったから」
「今でも家族は知らないのですか」
「ばれちゃいました」
ここで終わっていたが、人間というものは人にもよるのだろうが秘密を守り続けるのは難しいことなのだろうということは想像できた。
その後の家族との関係がどうなったのか気になったが、それについての話は無かった。
別の番組。
出出しのナレーション。
「今では、特別な人ではなく、普通の女性がごく当たり前にアダルトビデオに出演している。それについて密着した」
アダルトビデオ女優だという若い女性が登場。今から撮影現場に向かうという。マイクロバスが迎えに来る。
「行ってきます」
あっけないような笑顔で乗り込んで手を振る。
控室。
女性スタッフにメイクなどをしてもらっている。準備が完了して、呼ばれる。
女性自身が番組スタッフに向かって挨拶する。
「それでは、今から撮影に行ってきます」
撮影現場の声だけが流れる。撮影終了。バスローブを着た女性が出てくる。
「感じちゃった」
楽しんできたような笑顔。
別な画面。
貌にモザイクを掛けた女性が登場。撮影室だという部屋の椅子で待機している。彼女の周りには、パンツ一枚の3人の男優が顔を隠すことなく腰掛けている。相手役らしい。
女性にインタビュー。
「初めてなんです。いったいどういうことをやらされるのか、心臓がドキドキです」
監督の声。
「それでは撮影に入ります。男優さんたちは好きなようにこちらの人妻さんを攻略してください」
女性はベッドに仰向けになる。その周りを3人がとり囲む。3人の男優が交代でこの素人女性と性交していくということのようだ。普通に考えたら完全に「輪交」であろう。
映像は撮影終了後に。
女性にインタビュー。
「どうでした?」
「普段、主人ともやらないようなあんなことされて物凄く恥ずかしいです。恥ずかしいけど、気持ちいい」
「よかったですね。これからどうなさいますか」
「出演料をもらったんで、いい食事をして帰ります」
エンディングのナレーション。
「アダルトビデオに出演することは後ろめたさや罪悪感を感じたりすることも無い、ごく普通のことになっているのである。あなたの周りにも出演した女性がいるのかもしれない。そして、その多くは一回か数回程度の出演だけで消えていく」
この番組を見たのは、確か20年以上前のこと。今ではこんなドキュメンタリー番組自体不可能だろうと思う。
当時は、世間知らずの地方から出てきたばかりの若い女性や、単調な生活で好奇心から応募した主婦が多かったようだが、その後それまでだったら考えられないような現役名門大学の学生や、大学院修了者まで出演するようになった。多くは芸名(有名女性タレントに似せた名前が多い)で顔出しNGだが、鈴木涼美みたいに顔出しで堂々とテレビ出演している人までいる。
彼女の場合、大学院の論文のテーマに自らのアダルトビデオ女優の経験を選んだのだそうだ。
スカウトは見た目さえ良ければだれでも構わず、というわけではなく、面接時に細かくチェックしていたらしい。うっかり良家の令嬢なんか出演させようものなら後でトラブルになりかねないからである。実際、あとは撮影という段階まで来た時に本人が隠していたことがばれ、撮影中止になったこともあったそうだ。制作会社、プロダクションにとって大損害に繋がりかねない。
その後、モデルや女優ということで撮影現場に行ったら実際にはアダルトビデオ撮影で、騙されて出演させられたことが社会問題になったり、逆に自分から応募してくる女性が増え、採用基準が上がって3割程度しか出演に至らないとか、誰でも数十万受け取れたのは昔の話で、今は下手をすれば一回の出演で2万程度だとか、性病感染が問題になって検査が義務付けられるようになったとか、室内ではなく誰でも出入りできるところで撮影したことが露呈して警察沙汰になったとか、妊婦の出演者が無理な撮影で撮影中に死亡したとか、高校の女性教師がアルバイト感覚で出演していたことがばれて解雇されたとか、様々なニュースが飛び交うようになっている。今や日本人女性の1/400が出演経験があるとか、成人女性の1/200が出演経験があるとかいう話も聞いたこともあるが、ほとんどの出演者は秘密にするだろうし、どのようにして出した統計なのか不明である。
今は警察も目を光らせているので、繁華街でのあからさまなスカウトは困難だろう。それでも全く無くなったわけでもないらしいが、かつてのように金を積み上げたり「絶対ばれない」などと言おうものなら、コッソリ会話を録音されていたりしたらトラブルが起きた時に確実に負けるだろうからそれもやらないはずだ。
志望者の多くは自ら申し込んでいるらしい。父親が家に持ち込んでいたものをこっそり見て影響を受けたとか、元々性的好奇心が強くてとか理由は様々なようだが、「手っ取り早く金を稼ぎたい」などという理由は少なくなっているだろうと思う。短期的には大金を稼げたとしても、ほとんどのアダルトビデオ女優は出演回数が増えるほど出演料は減っていくそうだし、家族や知人にばれる確率も確実に上がる。特に地方在住者の場合は出演したことが近所に広まってしまえばそのまま住み続けることすら困難になるかもしれない。リスクを考えればほとんどの場合割に合わない。よほどの覚悟が必要になってくる。
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