怪力悪役令嬢は冒険者になりたい!

タハノア

文字の大きさ
46 / 159
勇者物語に首を突っ込む編

046-はじめての遠征

しおりを挟む
 冒険者生活をはじめて3週間この生活にもすっかり慣れて、宿屋うさぎ亭は第二の故郷になりました。狩りを主体に稼ぎときには気晴らしに船の荷降ろしの仕事をしたりしていました。お金に余裕も出てきたのでそろそろ遠くへ行ってみようかと思い装備を整えるために王都の商店をめぐりました。私のお目当ては2つ!1つ目は物がいくらでも入る次元リュックだ。

 次元リュックは空間がねじ曲げられていて、中のスペースが倉庫2軒分ぐらいあるすぐれものだ。使用してる魔石は闇属性でこれが便利でちょっと怖いんです。便利な部分は魔力補充しやすいこと怖い部分は補充に魂を使用することだ。目には見えないんだけど魔物を狩れば自動的に吸い取るらしい。

 便利なアイテムだけど欠点がある。それは重さが一切軽減されないので入れた分だけ重くなるのです。船や馬車だと積載量が決まっているし荷積みのバランスもあるので使用できず徒歩で持つには重すぎる。

 それに最新式の次元ポーチは荷馬車ぐらいしかスペースがない代わりに重さ半減機能があり人気が高いです。そして次元リュックは使いづらく需要もなくなり売れ残っていて在庫処分セール中でした。そう一般的には!ですが私には関係ありません倉庫2軒分なら多分持てます!

 そしてもう一つのお目当てはもちろん剣です!以前折ってしまったロングソードより幅が広くて頑丈そうなバスタードソードを買いました!フフフこれでまた私は剣士に戻りましたわ!

 買い物が終わってみると貯金が綺麗サッパリなくなりました。でも大丈夫ですわ!いままで森を往復してたので近場でしか狩れませんでしたがこれで遠くに行っても平気です!

 背中には黒い魔石の付いた茶色い角ばった次元リュックを背負いバスタードソードをソードベルトに固定して準備完了!

 王都の入口にたちギルドカードに地図を表示させて行き先を決める。

 私が今いるのはナウエルス大陸の北東部の半島にあるレイグランド王国の王都スハイシュです。王都は半島の端にあり東と南を海に囲まれた港湾都市で人の往来が多い都市です。西に広がる深い森は魔の領域とよばれ多くの魔物が住んでいる危険地帯です。

 表示範囲を適当に拡大しいろいろ見ていると王都からかなり離れた魔の領域付近の森の中にポッカリ丸く木が生えていないところがありました。どうなってるんだろう?面白そうね、ここに行ってみましょう。この距離なら野営せずに行ける距離だ。普通は一日ではいけない距離だけど移動にも怪力を活かすことで長距離を移動できる。

 顔なじみになった衛兵さんに「いってきます!」と挨拶して王都を出る。

 楽な長距離移動方法それは空を飛ぶことです!とはいっても浮くわけではないんですが……

 地面が崩れないように力を調節して走り勢いがついたらジャンプ!

 幅跳び感覚で空を飛ぶ!風を切る感覚に後ろへ流れる景色この移動は爽快感がある。おっとそろそろ着地ね。私は着地地点の状況に構わず木に突っ込みなぎ倒すと地面に降りてまた助走をつけて飛ぶ。

 私流の[飛んでいく]を何度かして地図にあった森の中で木の生えていない円状のスペース付近に到着した。たしかこの先ね!ここからは歩いて行きます。鬱蒼とした森を暫く歩くと前方が明るくなり目標地点に到着する。

 そこには見上げるほど大きな魔物がいた。頭が牛で筋肉隆々の体で手には大きな斧が握られている。多分これはミノタウロスとかいう魔物だよね?

 すでに武器を構えてこちらを見ている……完全に見つかってますねどうやら戦うしか無いようです。はじめての魔物らしい魔物で少し緊張しますね。覚悟を決めて新品のバスタードソードを鞘から抜き構える。

 戦いの火蓋は切られた。牛男は大きな体を揺らしながら突進してくるマルレも臆せず距離を詰める。

 斧と剣が激しくぶつかり合い火花を散らす。人が持つには大きすぎる斧の一撃をマルレは剣一本で軽くいなす。一般の剣士であればその豪腕に武器を吹き飛ばされるところだがマルレの強靭な握力はそれを許さない。再び武器がぶつかる振り下ろされた斧を剣をしたからの振り上げで迎え撃つ!愚策にも思えるがマルレは軽々と斧を打ち上げ牛男の懐に潜り込み胴を斬りつける。

「グオォオオオアア」
「効いてはいるようだがどうも手応えがないわね……浅かったかしら?」

 思わず引いた牛男は傷を触り深さを確かめると浅いと判断しまた斧を振るう。回避せずすべての攻撃を剣で受け止めてスキあらば切りつけてくるマルレに牛男は焦りの色を見せはじめる。しかし牛男の分厚い筋肉はバスタードソードの侵入を防ぎ決定的なダメージを間逃れている。

「なかなかタフじゃない!いいわ全力で行ってあげる!」

 火花をちらす斧と剣……ついに均衡が崩れる。マルレがスキを突き膝に深い傷を与えた。自重を支えられなくなった牛男は思わず膝を付く……これは大きすぎるスキだ。マルレが見逃すはずもなく容赦なく首を狙う!

 バスタードソードは首の表面の筋肉を超え動脈をも切り裂きついには頚椎に到達し牛男の骨とバスタードソードの先端がぶつかる。何度も巨大な斧とぶつかり傷ついたバスタードソードは牛男の体重とマルレの力に耐えられず限界を迎えた。

 手応えが急に軽くなった……すぐに剣を手放す……前にも味わったこの感覚……首から血を吹き出しながら倒れる牛男。

 勝った!確かに勝った!しかし首からバスタードソードを抜くのをためらう……あの感触……

 私は恐る恐る牛男の首から剣を引き抜く……やはり中腹で剣は折れ先は首の中だ……

「また折れたあああああああああああああ!」

 私の叫びは静かな森に木霊した。 
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!

水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。 ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。 しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。 ★ファンタジー小説大賞エントリー中です。 ※完結しました!

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

処理中です...