怪力悪役令嬢は冒険者になりたい!

タハノア

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勇者物語に首を突っ込む編

064-想い人

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 ガオゴウレンさん……思わぬところで出てきた厄介な人の名前……2年生の終わりの交流会で盗賊相手に大暴れてた私を見ていきなり告白してきたおかしな人だ。その後3年生になってからも遠慮なしに私の研究室にたずねてきては食事や観光に誘ってきて大変でした……最初は止めてくれたアークもそのうち面白がるようになり婚約者なのに「お前も幸せになれ」と意味不明なこと言ってガオゴウレンさんを応援しだして大変でしたね……

「あの方に頼んだらクロービに行けるでしょうが……とても面倒なことになると思います……」

 私は今までのことを思い出しぐったりとしてしまった……

「でも他にいないでしょ~いいじゃん別にマルレいまフリーなんだし」
「そうですよ貴方は自由なんですから誰とでも付き合っても良いのですよ」

 アリッサとラーバルは無責任に付き合えと言ってきてる。一体どういうことだろう?

「なぜ私がガオゴウレンさんと付き合えば良いみたいな言い方なんです?」
「だって告白された後馬車で移動中すっごい悩んでたじゃん!」
「そうですよ顔を赤くしたり青くしたりまんざらでもないような感じでしたよ?」

 だいぶ誤解されてますわ。あれは告白されたと言う事実に戸惑っていただけで彼がどうとかそういう事では無かったのですが……

「それは誤解ですわ、告白されたということについて考えていただけです!私は彼のこと良いと思ったこと一度もありませんもの」
「え~?そうなの?婚約のことで拒否してたんじゃないんだ~」
「そうでしたか……」

「そうですわ!こういう話題になるとあなた達はグイグイ来ますがあなた達はどうなんですの?」

 いつも私のことばかりだったので2人の恋愛事情について聞いて見ることにしました。

「ん~私はめんどくさいから全部その場で断ってる」
「私は手合わせしてあなたが勝てたら考えると返事してますが負けた事ありませんので……」

「えーと?何度も告白されているような言い方ですが……」

 え?うそでしょ?

「うん学生時代から結構多いよ」
「私も同じく……たまに女性もいますが……」

 うん……聞かなきゃよかった……何でしょうかこの謎の敗北感……

「マルレ……表情筋が死んでるけど大丈夫?」
「ええ、大丈夫ですわ」

 ラーバルはふと悲しげな表情をしながら優しく話しだした。

「私は常々思っております。いくら大勢に求愛されようがたった一人の想い人に振り向いてもらわなければ意味がないのです」

「想い人……」

 いくらモテても自分が好きな人に好かれなければ意味がない前世でもよく聞いた言葉だ……ラーバルに言われて忘れたくても忘れられず蓋をして閉じ込めていた思いがちょっぴり溢れてきた……

「そうですか……その想い人にすでにお断りされてる場合はどうしたら良いのでしょう?」

 私の口から漏れた秘密を聞いた2人は完全に固まってしまい妙な沈黙のあと2人は丸聞こえなヒソヒソ話しを始めた。

(どうやら特大の地雷を踏んじゃったみたいね……)
(ええ……雑誌の知識で慰めたらとんでもない事になりましたわ)

 ラーバル良い事言いますね、と思ったのに雑誌の受け売りでしたの?

(どうするのよ!)
(どうすると言われましても……)

 二人のヒソヒソ話を聞いていたらお兄様が2代目勇者の棚から資料を持ってこちらにやってきた。

「マルレまだ……ファーダのこと諦めてなかったのか?そんなことより……これを見てみろ2代目勇者の敵の精気を吸う魔王を初代様が倒してしまってすごく揉めたとの記録があるぞ!」
「え?初代様が魔王を倒していたのですか?」

 まさかこんなところでドレストレイル家の初代様の武勇伝を聞くとは思いませんでしたわ!だいぶ自由な方だったみたいですね!

「ああ……お前も危うく今代の勇者と揉めるところだったなあ……ははは」
「そうですわね!アリッサとラーバルに早く来ていただいて助かりましたわ!」

 二人の顔を恐る恐る見る……アリッサはポカンと口を開けたままこちらを見ている……

「ファーダってマジか!」
「ファーダさんですか……」

 そうですわよね流せませんよね!2人にばっちり聞かれてしまいました!

「お兄様!何さらっと余計なことを言ってくれましたの!?」
「余計なこと?……ああ……すまん……屋敷では全員知っていたからついな……」
「全員知っていたですって!?」
「お前が8歳のとき……急に凶暴になったのを心配した父上が徹底的に調べたらしくファーダがマルレを拒否して悲しいけど嬉しいと所構わず話してたからな」
「そんなことが……私が荒れてた理由をファーダは……」
「知らないはずだ……権力を理解しだして我儘になって困るとか見当違いのこと言ってたぞ」
「そうでしたか……覚えてすらいないのかもしれませんね……」

 勇気を出した私の一世一代の告白を「無理」の一言で片付けておいて更にそれを忘れるとかひどすぎ……

「あの~マルレ……なんか変な話になってごめんね……」
「私も謝りますわ……ごめんなさい」

 アリッサとラーバルになぜか謝られてしまった……

「いいのよ……気にしないで、それよりクロービに行く方法よ!」

 脱線した話を無理やり戻しクロービに行く方法を話し合った。国王に話を通すかガオゴウレンさんにお願いするかの2択でアークには迷惑をかけたのでこれ以上王族に迷惑をかけるのもいけないと言うことになりやはりガオゴウレンさんにお願いするしかないと話がまとまりました。
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