怪力悪役令嬢は冒険者になりたい!

タハノア

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邪竜物語に首を突っ込む編

117-この世界

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 アリッサは現在判明している事実として以下のことを机の上に広げた紙に書き込んでいった。

1.この世界は物語にそって誘導される性質がある。(カクドウセイは日本の物語限定といっていたが不確定)
2.歴史の流れに重要な人物にもかかわらず魂がなく生まれて、なおかつ地球の魂しか適合しない人物が出てしまうので地球から転生させる。
3.強大な敵を倒した英雄と呼ばれる人物を守護者としてスカウトする。

「とりあえずはこんなところだね、私が出した結論はこの世界の主な目的は英雄譚を再現して英雄を生み出しそれを守護者として迎え入れることだと思うの」

 アリッサの考えは正しいと思う。

「そうですわね、たぶんそれが正解でしょうね」
「へぇ~じゃあ俺のところは終わったと思っていいのか?」

 英雄が誕生した事によりクロービはその目的を達成しているわけだから誘導は終わったのかもしれない。そうなると新たな物語のためにクロービは滅び新たな国へと移行する可能性も考えたけど。神の使いさんが褒美としてレンさんとサキさんの能力を上げた時に「この国をより良い方へと導いて」と言っていたのでこのまま続くのだろう。

「たぶんそうだね~設定が似た他の物語に移行する場合もあると思うけど……」
「あるとしたらやはりジャオンの続きが一番あり得るってことか、だとすると戦争の英雄か……」
「そうですわね、外道丸さんはとにかく戦争回避ですね」

 そのためにも日本人村は成功させ無くてはならないしかし、それよりも気になるのが私達の国レイグランドの物語です。

「そうだな俺の方針は変わらない。それより二人の国は内乱になりそうだって言ってたけど大丈夫なのか?」
「そこが問題よねもし外道丸さんの言ってたSNSの物語の舞台がレイグランドだとしたら……」
「たぶんそうよ……完全にはなぞれてないけどできる限りの誘導はされているとおもう」

 アリッサは「終末の楽園」の後である総監督が作ったトレイルが国を滅ぼす話は完全に消えている。一体どこが誘導されているというのだろうか?

「そうかしら?私はそのように感じませんけど?」
「たぶん誘導しようとして失敗して時系列も何もかもぐちゃぐちゃになって出来事だけ無作為に拾っているのだと思う」

 アリッサが言うにはアロイーンさん、アリッサ、ラーバルの三人が出会うといったような拾えるプロットにだけ誘導する状態となっているとの予想でした。

 そして現在起こってない事とすでに起こった出来事がいくつかあるようです。これらの出来事に近いことが起これば世界はそちらに誘導を仕掛けるということだ。物語の順を追って机の紙にまとめていった。

1.冤罪裁判(済) 2.マルレの死亡 3.魔王の誕生(別の魔王が誕生したので済) 4.王族全滅 5.国の崩壊 6.勇者の誕生(済) 7.アロイーン、アリッサ、ラーバルが出会う(済) 8.魔法使いが勇者の幼馴染を殺す 9.魔王が滅びる(済) 10.勇者が真実を知る 11.勇者が聖女を殺す 12.勇者自害 13.黒幕が登場?

「終わっていないのは[マルレの死亡][王族全滅][国の崩壊][魔法使いが勇者の幼馴染を殺す][勇者が真実を知る][勇者が聖女を殺す][勇者自害][黒幕登場]だね、結構あるねここからありえないものを抜くと……」

 アリッサは「マルレが死ぬわけないし……私が弟子を殺すとかありえないし……アロイーンがリーシャーを殺すわけないし、自殺する理由もない」と言いながら実現不可能なものに横線を引き除外していった。

残ったのはこれだけだった。

[王族全滅][国の崩壊][黒幕登場]

「なぁ……これ英雄を作り出すっての終わってないか?勇者が魔王倒したんだろ?」
「いえ終わってないですね、魔王を倒したときこっそり覗いてましたが神の使いさんは来ませんでした。それにアロイーンさんが守護者に勧誘されるならレンも勧誘されると思いますわ」
「勇者ってあまり強くないのか?」

 もう一度魔王戦とオロチ戦を思い浮かべ比べてみた。力は勇者のほうが上だけどレンさんは技の豊富さと経験で上を行く。うん、いい勝負のような気がするわね、でも……

「このままレンさんがスキルをあらたに取ったら確実に追い越しますわね」
「そうかそんなもんか」
「アロイーンとリーシャーは魔王城の門前でイチャイチャしだすぐらい抜けてるからね~強さに執着がないよ多分戦闘訓練してないと思う」
「お?そいつらいい感じなのか!そうかそうか!」

 何故か嬉しそうな外道丸さんは置いといて話を先に勧めましょうか。

「だったら私達がすることはアーク達を守って黒幕を倒せばいいのかしら?たぶん出国前に倒した黒鎧の親玉ですよね?」
「たぶんね……」
「アイツを倒すのにお父様と組んで10発以上殴ってやっとでしたから少し強いですよね?アークたちに勝てるかしら?」
「おいおい……なんでバリバリの戦闘ゲーより乙女ゲーのほうが敵が強いんだよ……」
「そりゃ~この国の敵はゲームでは倒されるために生まれたけどマルレの家族はゲームでは絶対倒せない負けイベントの敵だったからね~」

 アリッサの言った通り私の国は滅びるのが前提で作られているため敵役であったドレストレイルが負けることがあってはならないためかなり強くなっている。それに伴いきっと黒幕も強いのだと思われますね。

「そうか……なら俺も手伝うぜ!」

 外道丸さんが嬉しい申し出をしてくれたけど彼にはもっとやってほしいことがある。せっかく許可を得た日本人村が戦火に巻き込まれるのは避けたい。

「いえ、申し出は嬉しいのですが外道丸さんには私達の心の故郷であるクロービを守ってほしいのです」
「あー……そうか……」

 外道丸さんは少し悩んでから結論を出した。

「そうだなこの国は俺に任せろ!必ず戻る場所を守ってやる!」
「フフフ頼もしいですわねアリッサ!」
「そうだね~クロービは外道丸さんとガオゴウレンさんにおまかせしていいね」
「よし!この話は終わりよ!今日はお祭りを楽しみましょう!」
「そうだな!」

 私達は湿っぽい話を終わらせて祭りを楽しむことにした。

 私は綿飴をむしり取って口へと運び、アリッサはりんご飴をなめている。外道丸さんは、「この瓢箪は永久に酒が湧くんだ!」といって飲んでる住民たちの盃に酒を注いで回っている。レンさんとサキさんも報告を終えて早く帰ってこないかしらね。

 夜が更けてもまだ祭りは続く、酒を飲んでる人たちは無謀にも外道丸さんに飲み比べを仕掛け皆酔いつぶれている。女性と子供は家に帰り祭りの会場は閑散としてきた。

 私達もそろそろガオゴウ家に戻ろうかと相談していたときにやっとレンさんとサキさんが戻ってきました。ろくに食事もとっていない二人に席につくように進める。

「おかえりなさい!まだ食べ物も飲み物も残っていますよ!どうぞ二人も楽しんでくださいね」
「マルレ……レイグランド大変なことが起きているようだ……」

 大変なこと?まさかもう開戦?いくらなんでも早いわよね?

「王族がいなくなり国を二分する争いに発展しているらしい……」

 え?……私とアリッサは思考が回らずそのばで固まってしまった。
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