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第12話 おっさん、異世界で情報を集める
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宿に戻ってカウンターにいたエミリアから鍵を受け取る際、
「おかえりーって、あんたお酒飲んできたの?昼間からいい身分ねー」
とジト目で言われてしまった。
しまった、酒臭かったか。
そういえば特に店で何も言われなかったが15歳で酒は飲んでいいのか?
急いで鳥に変化した分身で集めた情報に意識を巡らせると特に問題はないらしい。
が、昼間から飲んだくれてる輩はどの世界でもいい印象はないだろう。
さっき印象良くしようと思った矢先にこれは良くない。
「通りひとつ向こうの角の店で軽く昼飯を食べたんだ。
その後追加で頼んだ料理が美味かったんだが味が濃くてな。
今日の用事は全部済んでいたからつい」
言い訳をしてしまう俺に、
「別に言い訳なんかしなくていいわよ。
もしかしてジャンさんのお店?
この辺だとかなり美味しい方よ。
私もあそこのお茶とサンドイッチ好き」
店長、ジャンさんって名前なのか。
「そうか、やっぱり当たりだったんだな、あの店。
サンドイッチはかなり美味かったし、コーヒーも良かったからな」
言うと、エミリアは変なものを見るような視線を俺に向けてきた。
「あれを飲んだの?黒い?苦い?意味のわからないモノを?今良かったって言った?」
「あ、ああ」
「あれをジャンさんが出し始めた時に、騙されたと思って試しに飲んでみろって言われたから飲んだけど、あれは駄目よ。意味がわからなかったわ。
お母さんも一緒に飲んだけど、笑顔のまま震えていたもの。
本気でジャンさんの正気を疑ったわ」
思い出したのか苦々しい表情でそんなことを言うので、
「そ、そうか。
まあ、好みは人それぞれだからな」
と返すことしかできなかった。
俺の正気も疑われてしまったのだろうか。
───
自室に戻ると、鳥になっていた分身で集めた情報を共有した。
引き続き鳥の分身で情報収集は続けることにする。
集めた情報をまとめようかと思ったが、共有した瞬間に俺の見聞きした記憶になっている。
特にまとめる必要もないが以下の情報を集めることができた。
髪と目の色は今ので問題なし。ピンクや青などのカラフルな人たちもいた。
識字率はまあまあだな、冒険者が読み書きできても特段珍しくもないな。
一般人や冒険者のステータスやスキルもたくさん見れたからおかしくない程度に『偽装』しておくか。数値的に異常ではないがちょっと高いし一律同じ値ってのがな。念の為だ。
歓楽街も見つけたし、今度行こう。
ん?奥さん?ここは異世界だし、家族担当の俺がしっかり家族を愛しているから大丈夫だ。
ああ、クズだとも。
街の地理は今いる南西部が冒険者メインの区で、冒険者ギルドや冒険者向けの宿や商店、職人街等がある。
北西部は商業区、北東部は富裕層やそんなに多くはないが貴族などが住んでいるらしい。領主邸や、役所に兵舎、学校や図書館なんかも此処にある。
南東部が居住区で平民というか多くの一般人が主に住んでいる。
ただそれぞれの区で誰が住むか法で定められているわけではなく、居住区にも商店はあるし各区に兵の詰め所もあるし、学校ほどの規模はないが私塾などもある。
北西部以外の区では街の中央に行くほど、東西南北を通る大通りに近いほど治安は良いし、その反対ほど治安は悪化する。
特に南東、南西の市壁沿いは日当たりも悪く雰囲気は良くない。
ある程度実力が備わるまでは近づかないほうがいいだろう。
学校は4年制の大学のような位置づけだが、試験に受かれば誰でも入れるらしく、年齢も様々だが12~18歳のある程度裕福で、読み書きと四則演算ができる程度の教養がある人間じゃないと難しいようだ。
分身を作って通うのもありかもしれないが、増やしすぎてもな。
俺の異世界生活に学園編は無いのだ。
とりあえずそんなところか。
今日はこのへんで休むか。酒も入ったしやっぱり初日で色々疲れているようだ。
そういえば夕食有りで泊まっているんだった。
アイリスさんの料理の匂いにつられてここに決めたのに、それをいただかないで寝てしまうのはもったいないな。
まだ早いかな、と思いながらももう夕飯を食べられるか確認しに下の階に降りていった。
カウンターにいたエミリアに聞いてみるともう食べれるとのこと。
冒険者に限らず、大抵の人は暗くなる前に仕事を終えるため、酒場や食堂の夜営業は結構早くからやっているようだ。
空いてる席に座ると直ぐにエミリアが夕飯を持ってきてくれる。
パンとスープに加え、メインに大きめの肉のステーキ(ただの焼いた肉)だ。
なんの肉だろうと思っていると、
「大きいワイルドボアが狩られたみたいで凄い安かったんだって。
毎日こんなお肉出せるわけじゃないからね」
と言いながら、エミリアがコップに水を注いでおいてくれる。
「そうなのか。
匂いをかいだときも思ったがやっぱり美味そうだな」
「スープはお母さんの自慢だから、間違いないと思うわ。
お肉も味見したけど美味しかったわよ。
パンは2個までおかわりできるから。
ごゆっくり」
言ってエミリアは戻ってしまった。
スープを一口飲むと優しい味が口に広がる。野菜の旨みがでており、どこか懐かしい、ホッとする味だ。
パンも柔らかく、スープに浸さないと食べれないほど硬いなんてことはなかった。
ステーキもフォークでも十分切れるほど柔らかく、ニンニクと胡椒がきいていて意外に味の濃いパンチのある味だったが、転移してから結構歩き回って疲れた体にはありがたかった。
香辛料が同じ重さの金と同じ価値なんてこともなさそうだ。
酒が欲しくなってエミリアを呼んだが、さっきジト目で睨まれたのを思い出し、パンのおかわりだけ頼むことにした。
2個目のパンもおかわりしたが、夢中で食べたら10分ほどで食べ終えてしまった。
アイリスさんがカウンターにいたので、美味かったと告げ、今日はもう休むと言って部屋に戻った。
部屋に戻りベッドに横になり一息つくと、
頭にアナウンスが響いた。
「レベルが上がります」
無機質な機械音声みたいだったが、あの女神の声に似ている気がする。
いやそんなことよりレベルアップだ。なぜこのタイミングで?
と思っていたら日本の俺から同期されたのがわかった。
レベルアップ要素があるとしたらたしかに異世界の俺だよな。
俺も同期をして状況を把握したので、日本の俺に任せてこのまま寝てしまうことにする。
朝起きたら状況確認することにして異世界1日目を終えることにした。
おやすみ。
――――
作者のモチベーションになりますのでいいね、お気に入り登録、感想など、よろしくお願いします。
いいねだけ、いいねだけでいいからっ。
「おかえりーって、あんたお酒飲んできたの?昼間からいい身分ねー」
とジト目で言われてしまった。
しまった、酒臭かったか。
そういえば特に店で何も言われなかったが15歳で酒は飲んでいいのか?
急いで鳥に変化した分身で集めた情報に意識を巡らせると特に問題はないらしい。
が、昼間から飲んだくれてる輩はどの世界でもいい印象はないだろう。
さっき印象良くしようと思った矢先にこれは良くない。
「通りひとつ向こうの角の店で軽く昼飯を食べたんだ。
その後追加で頼んだ料理が美味かったんだが味が濃くてな。
今日の用事は全部済んでいたからつい」
言い訳をしてしまう俺に、
「別に言い訳なんかしなくていいわよ。
もしかしてジャンさんのお店?
この辺だとかなり美味しい方よ。
私もあそこのお茶とサンドイッチ好き」
店長、ジャンさんって名前なのか。
「そうか、やっぱり当たりだったんだな、あの店。
サンドイッチはかなり美味かったし、コーヒーも良かったからな」
言うと、エミリアは変なものを見るような視線を俺に向けてきた。
「あれを飲んだの?黒い?苦い?意味のわからないモノを?今良かったって言った?」
「あ、ああ」
「あれをジャンさんが出し始めた時に、騙されたと思って試しに飲んでみろって言われたから飲んだけど、あれは駄目よ。意味がわからなかったわ。
お母さんも一緒に飲んだけど、笑顔のまま震えていたもの。
本気でジャンさんの正気を疑ったわ」
思い出したのか苦々しい表情でそんなことを言うので、
「そ、そうか。
まあ、好みは人それぞれだからな」
と返すことしかできなかった。
俺の正気も疑われてしまったのだろうか。
───
自室に戻ると、鳥になっていた分身で集めた情報を共有した。
引き続き鳥の分身で情報収集は続けることにする。
集めた情報をまとめようかと思ったが、共有した瞬間に俺の見聞きした記憶になっている。
特にまとめる必要もないが以下の情報を集めることができた。
髪と目の色は今ので問題なし。ピンクや青などのカラフルな人たちもいた。
識字率はまあまあだな、冒険者が読み書きできても特段珍しくもないな。
一般人や冒険者のステータスやスキルもたくさん見れたからおかしくない程度に『偽装』しておくか。数値的に異常ではないがちょっと高いし一律同じ値ってのがな。念の為だ。
歓楽街も見つけたし、今度行こう。
ん?奥さん?ここは異世界だし、家族担当の俺がしっかり家族を愛しているから大丈夫だ。
ああ、クズだとも。
街の地理は今いる南西部が冒険者メインの区で、冒険者ギルドや冒険者向けの宿や商店、職人街等がある。
北西部は商業区、北東部は富裕層やそんなに多くはないが貴族などが住んでいるらしい。領主邸や、役所に兵舎、学校や図書館なんかも此処にある。
南東部が居住区で平民というか多くの一般人が主に住んでいる。
ただそれぞれの区で誰が住むか法で定められているわけではなく、居住区にも商店はあるし各区に兵の詰め所もあるし、学校ほどの規模はないが私塾などもある。
北西部以外の区では街の中央に行くほど、東西南北を通る大通りに近いほど治安は良いし、その反対ほど治安は悪化する。
特に南東、南西の市壁沿いは日当たりも悪く雰囲気は良くない。
ある程度実力が備わるまでは近づかないほうがいいだろう。
学校は4年制の大学のような位置づけだが、試験に受かれば誰でも入れるらしく、年齢も様々だが12~18歳のある程度裕福で、読み書きと四則演算ができる程度の教養がある人間じゃないと難しいようだ。
分身を作って通うのもありかもしれないが、増やしすぎてもな。
俺の異世界生活に学園編は無いのだ。
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スープを一口飲むと優しい味が口に広がる。野菜の旨みがでており、どこか懐かしい、ホッとする味だ。
パンも柔らかく、スープに浸さないと食べれないほど硬いなんてことはなかった。
ステーキもフォークでも十分切れるほど柔らかく、ニンニクと胡椒がきいていて意外に味の濃いパンチのある味だったが、転移してから結構歩き回って疲れた体にはありがたかった。
香辛料が同じ重さの金と同じ価値なんてこともなさそうだ。
酒が欲しくなってエミリアを呼んだが、さっきジト目で睨まれたのを思い出し、パンのおかわりだけ頼むことにした。
2個目のパンもおかわりしたが、夢中で食べたら10分ほどで食べ終えてしまった。
アイリスさんがカウンターにいたので、美味かったと告げ、今日はもう休むと言って部屋に戻った。
部屋に戻りベッドに横になり一息つくと、
頭にアナウンスが響いた。
「レベルが上がります」
無機質な機械音声みたいだったが、あの女神の声に似ている気がする。
いやそんなことよりレベルアップだ。なぜこのタイミングで?
と思っていたら日本の俺から同期されたのがわかった。
レベルアップ要素があるとしたらたしかに異世界の俺だよな。
俺も同期をして状況を把握したので、日本の俺に任せてこのまま寝てしまうことにする。
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出版社: アルファポリス
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【作者より、感謝を込めて】
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そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
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