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メロン
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「神の眷属であるフェンリルを連れてる奴が悪事をするとは考え難い。魔法で無理矢理従えてるようにも見えない。だから、盗品の可能性は低いと見た」
用心棒にシラユキを連れて来て良かった。
もしもシラユキがいなければ盗品だと疑われていたかもしれない。
「まあ、坊主の目を見れば解るもんさ」
「……まだまだ知見不足でした」
「いや、盗品を疑うのは商人としては間違っちゃいないさ。まだお前は若いから、目を養うんだな」
「はっ!」
コンドウさんはテーブルに置かれたお茶を啜った後、僕の方を見た。
「で、こいつを幾らで売る?」
「相場が解らないので教えて貰えないでしょうか?」
「そうだな……全部合わせて金貨五枚だ」
「ならそれで良いですよ」
「……本当に良いのか? 俺が話したのは飽くまでも相場だ。聞いていたと思うが、こいつは通常より高く売れる。つまり相場以上だ」
「はい、解っています。そちらは相場の値段で構いません」
「そちらは……成る程、これらは前座か」
コンドウさんの言う通り、本当に売りたいのはこちらではない。
僕は鞄からその売りたい物を取り出した。
「僕が本当に売りたいのはこちらです」
「そいつは……メロンか?」
そう、出したのはメロンである。
「これを幾らで売ってくれますか?」
「いきなりだな……まずは味見させて貰おうか」
「もちろん、良いですよ」
女性エルフがメロンを持って部屋を退出。
一分ほどでカットしたメロンを持って戻って来た。
「では、実食と行こうか」
コンドウさんと女性エルフがメロンを食べる。
シラユキや家族は美味しいと言ってくれたが……どうだろうか?
「…………」
しばらく沈黙が続く。
僕はゴクリと唾を飲み込みコンドウさんの判定を待つ。
「メロンはこの国であまり出回らない代物だ。うちでは七年前に数個だけ取り扱った……その額は一個金貨五枚だ」
円で考えると一個五万円……高級メロンならそれくらいはするだろう。
寧ろ、希少の割にはそんなに高くないと思った。
「安いと思ったか? その理由は味だ。ハッキリ言ってそんなに美味くなかったんだ」
希少でもそこまでの価値がないと言うことか。
「で、このメロンだが……一個金貨十枚で売って貰いたい」
「つまりそれって……」
「みなまで言わせる気か? 美味かったんだよ」
よし!
僕は心の中でガッツポーズした。
『当然だな。我の好物だぞ?』
そう言うシラユキはドヤ顔をしているように見えた。
「で、何個売ってくれるんだ?」
「取り敢えず十玉で」
「十……栽培しているのか?」
「はい、アルバート領で栽培しています。行く行くはアルバート領の特産品にする予定です」
「ほう……坊主とはぜひ今後もご贔屓にして貰いたいものだ」
「僕も長いお付き合いになれば良いと考えてます」
こうして、ハヤブサ商会との縁ができたのであった。
用心棒にシラユキを連れて来て良かった。
もしもシラユキがいなければ盗品だと疑われていたかもしれない。
「まあ、坊主の目を見れば解るもんさ」
「……まだまだ知見不足でした」
「いや、盗品を疑うのは商人としては間違っちゃいないさ。まだお前は若いから、目を養うんだな」
「はっ!」
コンドウさんはテーブルに置かれたお茶を啜った後、僕の方を見た。
「で、こいつを幾らで売る?」
「相場が解らないので教えて貰えないでしょうか?」
「そうだな……全部合わせて金貨五枚だ」
「ならそれで良いですよ」
「……本当に良いのか? 俺が話したのは飽くまでも相場だ。聞いていたと思うが、こいつは通常より高く売れる。つまり相場以上だ」
「はい、解っています。そちらは相場の値段で構いません」
「そちらは……成る程、これらは前座か」
コンドウさんの言う通り、本当に売りたいのはこちらではない。
僕は鞄からその売りたい物を取り出した。
「僕が本当に売りたいのはこちらです」
「そいつは……メロンか?」
そう、出したのはメロンである。
「これを幾らで売ってくれますか?」
「いきなりだな……まずは味見させて貰おうか」
「もちろん、良いですよ」
女性エルフがメロンを持って部屋を退出。
一分ほどでカットしたメロンを持って戻って来た。
「では、実食と行こうか」
コンドウさんと女性エルフがメロンを食べる。
シラユキや家族は美味しいと言ってくれたが……どうだろうか?
「…………」
しばらく沈黙が続く。
僕はゴクリと唾を飲み込みコンドウさんの判定を待つ。
「メロンはこの国であまり出回らない代物だ。うちでは七年前に数個だけ取り扱った……その額は一個金貨五枚だ」
円で考えると一個五万円……高級メロンならそれくらいはするだろう。
寧ろ、希少の割にはそんなに高くないと思った。
「安いと思ったか? その理由は味だ。ハッキリ言ってそんなに美味くなかったんだ」
希少でもそこまでの価値がないと言うことか。
「で、このメロンだが……一個金貨十枚で売って貰いたい」
「つまりそれって……」
「みなまで言わせる気か? 美味かったんだよ」
よし!
僕は心の中でガッツポーズした。
『当然だな。我の好物だぞ?』
そう言うシラユキはドヤ顔をしているように見えた。
「で、何個売ってくれるんだ?」
「取り敢えず十玉で」
「十……栽培しているのか?」
「はい、アルバート領で栽培しています。行く行くはアルバート領の特産品にする予定です」
「ほう……坊主とはぜひ今後もご贔屓にして貰いたいものだ」
「僕も長いお付き合いになれば良いと考えてます」
こうして、ハヤブサ商会との縁ができたのであった。
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