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プロローグ
「ぅ……。ぅぅ……」
とある県の西部に存在する、とある市。その中に建つ、どこにでもある一軒家。その2階にある寝室では、午前2時半ちょうど――丑三つ時になると同時に、『異変』が起き始めました。
「ぁ……。ぅぅ……。ぅぅぅ……」
泣き疲れて眠ってしまった中学1年生の少女、塚本いのり(つかもといのり)。ベッドで仰向けになっているいのりが苦しみ始めると、いのりの身体からどす黒い煙がのぼり始めたのです。
「ぅ……。ぁ、ぁ……。ぅぅ……」
その煙は苦しみの表情と声を無視して淡々と出続け、やがて空に広がる雷雲(かみなりぐも)のように天井を覆いつくしてしまいました。そうするとようやく黒い煙は出なくなって、終了を切っ掛けとして新たな『異変』が始まります。
「すぅ……。すぅ……。すぅ……。すぅ……」
元通りの様子となった、いのり。その真上では黒煙が一か所へと集まってゆき、集合したそれらは一つの球体へと変化しました。そしてその『球』はゆっくりと床へと降りていって――
「イノリ。ワタシ、ハ、ツカモトイノリ」
――人の形に変わってしまう。全身が真っ黒でのっぺらぼうなショートカットの少女、塚本いのりとまったく同じ姿になったのでした。
「イノリ。ワタシ、ハ、イノリ。……カナシイ。ユルセナイ。カナシイ」
床に降り立った化け物は、部屋の角に設置されている机を見つめます。
視線の先、机の上にあるのは、壊れたテニスラケットとナイフで裂かれたレギュラーユニフォーム。いのりが泣きつかれて眠る原因となっているものでした。
「ワタシ、ハ、ガンバッテル、ダケ……。ナニモ、シテナイ……。ナノ、ニ……。カナシイ。ユルセナイ。カナシイ。ユルセナイ。ユルセナイ。ユルセナイ。ユルセナイ……! ユルセナイカラ………………コロス……!!」
異形は穴が開くほどそれらを見つめ、やがて振り返り――。向き直るや窓へと向かって跳び、その身体は窓をすり抜け地面に着地。顔を11時の方角に向けたまま、ゆっくりと、夜道を進み始めました。
「コロス……! コロスゥ……!! コロスゥゥゥ……!!」
「「「「「カァァアア!?」」」」」」
「「「「「「!? ニャァアアアアアア!?」」」」」
身体から溢れ出す憎悪に、反応したのでしょう。
眠っていた鳥や猫が飛び起き、全員が一目散に逃げだしました。
「ミハル……! ミハル……!! ユルサナイ……!! コロス……!!」
動物たちの悲鳴なんて、気にしない。気にならない。
化け物は怨みを持つ相手の名を呟きながら静かに前進してゆき、やがてはオレンジ色をした屋根の一軒家へとたどり着きました。
「ミハル、ココニ、イル。ワタシ、ハ、カナシイ。ユルセナイ。ユルセナイ。ユルセナイ、カラ。コロスゥ……!!」
門扉の前で、吠える化け物。そうして彼女は夥しい殺気を放出し、ターゲットを殺害すべく建物内へと――
「ギィ!?」
突進しようとしてた化け物が、不意に止まります。
なぜなら彼女の前に、五芒星が刻まれた魔法陣が出現。そこから、
「お嬢様。到着いたしました」
「ありがとう、司(つかさ)。それじゃあ、『救済(きゅうさい)』を始めましょうか」
呪符を携えた燕尾服姿の美男子と、漆黒のドレスを纏った金髪の美少女。2人の人間が、現れたからです。
とある県の西部に存在する、とある市。その中に建つ、どこにでもある一軒家。その2階にある寝室では、午前2時半ちょうど――丑三つ時になると同時に、『異変』が起き始めました。
「ぁ……。ぅぅ……。ぅぅぅ……」
泣き疲れて眠ってしまった中学1年生の少女、塚本いのり(つかもといのり)。ベッドで仰向けになっているいのりが苦しみ始めると、いのりの身体からどす黒い煙がのぼり始めたのです。
「ぅ……。ぁ、ぁ……。ぅぅ……」
その煙は苦しみの表情と声を無視して淡々と出続け、やがて空に広がる雷雲(かみなりぐも)のように天井を覆いつくしてしまいました。そうするとようやく黒い煙は出なくなって、終了を切っ掛けとして新たな『異変』が始まります。
「すぅ……。すぅ……。すぅ……。すぅ……」
元通りの様子となった、いのり。その真上では黒煙が一か所へと集まってゆき、集合したそれらは一つの球体へと変化しました。そしてその『球』はゆっくりと床へと降りていって――
「イノリ。ワタシ、ハ、ツカモトイノリ」
――人の形に変わってしまう。全身が真っ黒でのっぺらぼうなショートカットの少女、塚本いのりとまったく同じ姿になったのでした。
「イノリ。ワタシ、ハ、イノリ。……カナシイ。ユルセナイ。カナシイ」
床に降り立った化け物は、部屋の角に設置されている机を見つめます。
視線の先、机の上にあるのは、壊れたテニスラケットとナイフで裂かれたレギュラーユニフォーム。いのりが泣きつかれて眠る原因となっているものでした。
「ワタシ、ハ、ガンバッテル、ダケ……。ナニモ、シテナイ……。ナノ、ニ……。カナシイ。ユルセナイ。カナシイ。ユルセナイ。ユルセナイ。ユルセナイ。ユルセナイ……! ユルセナイカラ………………コロス……!!」
異形は穴が開くほどそれらを見つめ、やがて振り返り――。向き直るや窓へと向かって跳び、その身体は窓をすり抜け地面に着地。顔を11時の方角に向けたまま、ゆっくりと、夜道を進み始めました。
「コロス……! コロスゥ……!! コロスゥゥゥ……!!」
「「「「「カァァアア!?」」」」」」
「「「「「「!? ニャァアアアアアア!?」」」」」
身体から溢れ出す憎悪に、反応したのでしょう。
眠っていた鳥や猫が飛び起き、全員が一目散に逃げだしました。
「ミハル……! ミハル……!! ユルサナイ……!! コロス……!!」
動物たちの悲鳴なんて、気にしない。気にならない。
化け物は怨みを持つ相手の名を呟きながら静かに前進してゆき、やがてはオレンジ色をした屋根の一軒家へとたどり着きました。
「ミハル、ココニ、イル。ワタシ、ハ、カナシイ。ユルセナイ。ユルセナイ。ユルセナイ、カラ。コロスゥ……!!」
門扉の前で、吠える化け物。そうして彼女は夥しい殺気を放出し、ターゲットを殺害すべく建物内へと――
「ギィ!?」
突進しようとしてた化け物が、不意に止まります。
なぜなら彼女の前に、五芒星が刻まれた魔法陣が出現。そこから、
「お嬢様。到着いたしました」
「ありがとう、司(つかさ)。それじゃあ、『救済(きゅうさい)』を始めましょうか」
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(⋈◍>◡<◍)。✧💖