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第4話 お茶の相手 アニエス&俯瞰視点(2)
「アニエス様? どうかされましたか?」
とある事情があって、自室とこの部屋以外では外しているエンゲージリング。それを指にはめていると、シャルル様の眉根が少しだけ寄った。
「疲労感……それも肉体的ではなく、精神的な疲れがあるように見えます。よろしけば、相談に乗らせてはいただけないでしょうか?」
「シャルル様、ありがとうございます。実は、ヒューゴ・ノズエルズ様が復縁を求めていらしたのですよ」
この方は鋭い観察眼をお持ちな、私の心身の健康を最優先で考えてくださる方。そのため正直に説明を行った。
「まだ諦めてはいないようなのですが、父と母が厳しく対応してくださいます。ですので不安が理由のものではなく、滅茶苦茶な言動に呆れての疲れなのですよ」
「そうだったのですね。……そうですか……。あの男が再び…………」(彼は一つに気持ちが向き始めたら、とことん向く性質を持っていた。そんな状態で、確信し気合を入れて用意した物が全て無駄になったのなら…………)
「シャルル様? すみません、なんと仰られたのでしょうか?」
中盤以降のボリュームが小さくて、聞き取ることができなかった。さっきは、何を口にされていたのかしら……?
「アニエス様、こちらこそすみません。今のは他愛もない独り言です、お気になさらないでください」
シャルル様は小さく微笑まれて首を振られ、それが済むと私は部屋の中央にあるテーブルへと案内される。そして、
「今日はそんな疲れを癒していただくために、僕が紅茶を淹れてまいります。少々お待ちください」
「いっ、いえ……っ。シャルル様に、そんなことをしていただくなんて――」
「貴方のためになるものでしたら、どんなことでも実行したくなってしまうのですよ。アニエス様、今回は僕の我が儘にお付き合いください」
お断りをしようとしていたら微苦笑と一緒に王子様然とした一礼をいただいて、やがてシャルル様はベルガモットとフィナンシェと共に戻られた。
「お待たせ致しました。それではアニエス様」
「はい。今日も、お話ししたいことがいくつもあるんです。シャルル様の出来事を、聞かせてください。私の出来事を、聞いてください……っ」
そうして紅茶と焼き菓子がテーブルに並んだら、お喋りの時間の始まり。
私達はいつものように交互に話題を出し合い、お部屋には笑顔と明るい声がたくさん咲いたのでした――。
〇〇
そうして邸内では幸せな時間が流れ、同時刻。外では――
とある事情があって、自室とこの部屋以外では外しているエンゲージリング。それを指にはめていると、シャルル様の眉根が少しだけ寄った。
「疲労感……それも肉体的ではなく、精神的な疲れがあるように見えます。よろしけば、相談に乗らせてはいただけないでしょうか?」
「シャルル様、ありがとうございます。実は、ヒューゴ・ノズエルズ様が復縁を求めていらしたのですよ」
この方は鋭い観察眼をお持ちな、私の心身の健康を最優先で考えてくださる方。そのため正直に説明を行った。
「まだ諦めてはいないようなのですが、父と母が厳しく対応してくださいます。ですので不安が理由のものではなく、滅茶苦茶な言動に呆れての疲れなのですよ」
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中盤以降のボリュームが小さくて、聞き取ることができなかった。さっきは、何を口にされていたのかしら……?
「アニエス様、こちらこそすみません。今のは他愛もない独り言です、お気になさらないでください」
シャルル様は小さく微笑まれて首を振られ、それが済むと私は部屋の中央にあるテーブルへと案内される。そして、
「今日はそんな疲れを癒していただくために、僕が紅茶を淹れてまいります。少々お待ちください」
「いっ、いえ……っ。シャルル様に、そんなことをしていただくなんて――」
「貴方のためになるものでしたら、どんなことでも実行したくなってしまうのですよ。アニエス様、今回は僕の我が儘にお付き合いください」
お断りをしようとしていたら微苦笑と一緒に王子様然とした一礼をいただいて、やがてシャルル様はベルガモットとフィナンシェと共に戻られた。
「お待たせ致しました。それではアニエス様」
「はい。今日も、お話ししたいことがいくつもあるんです。シャルル様の出来事を、聞かせてください。私の出来事を、聞いてください……っ」
そうして紅茶と焼き菓子がテーブルに並んだら、お喋りの時間の始まり。
私達はいつものように交互に話題を出し合い、お部屋には笑顔と明るい声がたくさん咲いたのでした――。
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