9年ぶりに再会した幼馴染に「幸せに暮らしています」と伝えたら、突然怒り出しました

柚木ゆず

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第1話 再会 アリアン視点(2)

「会えて嬉しいですっ! ソリーヌっ、どうしてここにっ!?」
「ここって、この辺りで一番大きいでしょう? 気晴らしにはもってこいで、のんびりしに来ましたの」
「そうだったのですね。こんな偶然、あるんですね……!」
「そうね。そういえば貴方も、あのあと孤児院を出ましたのね。どこに引き取られたの?」
「農園を営んでいる、ファザーナ家というお家です。ソリ―ヌが去ってから1年後に、お父さんがわたしを養子にしてくれたんですよ」

 お父さんの奥さん――わたしのお母さんに当たる人は病気で亡くなってしまい、周囲から『後継者となる子ども』を作るために再婚しろとの声があがる。ですがお父さんはお母さん以外と結婚するつもりはなく、養子縁組を決めたそうです。
 そこでお父さんは、旧友である院長先生のもとを――以前から援助もしてくれていたホライトール孤児院を訪ね、面談の結果わたしを引き取ってくれることになったのです。

「ファザーナ農園を、知っていますか? お父さんはその農園の園長をしていて、わたしはスタッフのひとりとして働いているんです」
「ふ~ん。だから荷車を引いていたのね」
「そうなんです。お父さんは少し前に腰を痛めてしまって、再発しないようにわたしが戻しに行くところだったんですよ」
「アリアンって園長の、要するにトップの娘なのよね? なのにそんな下働きをやっていますの?」
「娘ですが立場は他のスタッフと同じですし、普段はお父さんも運んでいますよ? ウチは園長自身も含めみな平等で、〇〇の立場にあるから○○はやらない、ということはないんですよ」

 専門の知識やスキルが必要なものは流石に無理ですが、今回のように誰でもできることは手が空いている人が行います。この方針は初代園長が定めたそうで、お父さんもわたしも賛同しています。

「へぇ。じゃあ、アレかしら。普段も毎日朝から晩まで、せっせと汗水流して作業していますのね?」
「あ、いえ、毎日作業はしていません。周辺の複数の農家や農園と協力をして品種改良を行うチームが結成されていて、わたしはそのチームのメンバーでもあるんですよ。平日は研究施設に通い、土曜日と日曜日と祝日に働いています」

 環境の変化などにより、いつかとんでもない不作が発生してしまうかもしれない。そういった危機を防ぐべく手を取り合い、日夜研究を行っています。
 わたしはそういった方面への才があったようで、お声がけをいただき一昨年から所属するようになりました。

「研究施設!? 施設ってっ、あの『ラテア研究所』!? 5年前にロンドローブに設立されたっ、あそこっ!?」
「ご存じだったんですね。はい、そうです。あそこにいます」
「…………………………」
「? ソリ―ヌ?」

 急に俯いて、何も喋らなくなってしまいました。
 どう、したのでしょうか……?


 

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