9年ぶりに再会した幼馴染に「幸せに暮らしています」と伝えたら、突然怒り出しました

柚木ゆず

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第4話 復讐をする ソリーヌ視点(1)

「お嬢様、ご指示に従い参りました。いかがなさいましたか?」

 大量の苛立ちを抱えながらお屋敷に戻って、すぐ。自室に入って10秒ほどで、丁寧なノックと共にライナスがやって来た。

「アリアン――ロズファーダルで、うっかり声をかけてしまった女がいたでしょう? アイツの顔に、一生傷が残る大怪我を負わせたいの。貴方にはその指揮を任せるわ」

 この世から消してあげようかと思った。でもよく考えてみたら、死んだら苦しみは一瞬で終わってしまう。
 ずっとずっと苦しみが残る方が断然よくって、様々な形で苦しむこの方法を取ることにした。

「適当な人間を見つけて雇って、実行させる。成功後に、その者の口封じをする。頼めますわね?」
「御意」

 ライナスは物分かりがよい人間で、報酬さえ渡せば何でもする。貯蓄の一部を差し出すと、即答して傅いた。

「上手く行ったら更にお礼をするし、苦しみ具合に比例して更に更に報酬をアップしますわ。期待していますわよ、ライナス」
「お任せください。必ずや、ご期待以上の成果をお届けいたします」
「楽しみにしているわ。……ふふ。面白いことになりますわね」

 同じく貯蓄から工面した必要経費を渡し、受け取ったライナスが恭しく退室したあと。わたくしは窓際へと移動し、茜色に染まり始めた空を眺めながらほくそ笑む。

 大怪我をさせられたら、痛い。
 それだけでも辛いのに、顔に大きな傷が残ってしまう。
 すでに辛いことが2連続で発生しているのに、顔が醜くなった影響で婚約の予定がなかったことになってしまう。

 悲劇3連発、楽しみで仕方がないわ。

「アリアン。本当に、運がない女ね」

 あの時あの場所にいなかったら。ずっとみすぼらしい生活を送っていたら。あそこで羨ましがっていたら。
 何も起きなかったのに。
 そうとしか言いようがないわ。

「とっても可哀想な女。でも、手加減なんてしてあげない」

 だって孤児院時代、散々わたくしを苦しめたんだもの。慈悲なんて与えない。

「今日の分にその頃の分も含め、た~っぷりとお礼をしてあげる。お・た・の・し・み・に」

 ライナスなら2日もあれば実行犯を見つけられて、アリアンの身分を考えると1日もあれば決行できる。
 つまり幸せにいられるのは、あと3日。
 優しいわたくしはせめてその間だけは幸福に満ちた時間を過ごせるように願い、絶望へのカウントダウンが進んでいって――

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