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第4話 復讐をする ソリーヌ視点(2)
「お嬢様。大事なお話がございます」
カウントダウンが始まって、僅か1日後。自室で読書をしながら紅茶を飲んでいたら、ライナスがやって来た。
「あら? どうしたの?」
有能な彼でも、たった24時間では目星をつけられない。なんなのかしら?
「こちらでは、お伝え出来ない内容でして……。お庭――花壇の前まで御足労願います」
「??? どういうことよ?」
今は二人きりなのに話せなくって、人がいる外なら話せるだなんて。普通は逆でしょうに。
意味が分からないわ。
「理由に関しては、現在はお伝え出来ないものとなっておりまして……。お嬢様、お願い致します。御足労願いします」
「………………まぁ、いいでしょう。分かったわ、行きましょう」
彼がここまで言うのは珍しいし、なにより今日のわたくしは気分が良い。本をテーブルに置いて立ち上がり、ライナスの先導で部屋を出た。
廊下を進んで階段を降り、玄関を潜って庭に向かい、広々とした花壇――親しい来客が楽しむ目的で作られた場所に着いた。
「ここでいいのよね? はじめて頂戴」
「承知いたしました」
ごくり、と。なぜか、ライナスは大きく唾を飲み込み――
「昨日(さくじつ)の、アリアン・ファザーナへの攻撃の件で――」
「あああああああああ!! 珍しい形の雲が浮かんでいますわぁああああ!!」
――突然信じられないことを口にし始め、わたくしは慌てて大声で声をかき消した。
(声量を落しなさい!! あなたねえっ、自分がやっていることが分かっているの!? 誰かに聞かれてしまったら大変なことになるのよ!?)
お父様は絶対に協力してくれない人間で、だからこの計画はわたくしとライナスだけで進めている。もし他の者が知ってお父様の耳に入ってしまったら、計画を進められなくなるどころか家族の縁を切られかねない。
(何かあったら責任を取れるの!? 取れないでしょう!? 次にふざけた真似をしたらクビにするわよ!!)
(申し訳ございません。つい声が大きくなってしまいました。今後は決してこのような失態は犯しません)
(……気をつけなさいよ? で、なに? アリアンの件がどうしたのよ)
いくらなんでもたった1日では見つけられないはずだし、たった1日で見つけられませんと諦めるはずもない。なんなのかしら……?
(本日、協力者を得ることに成功いたしました)
(まぁ!!)
どうやらわたくし、見くびっていたみたい。彼は予想を良い方に裏切ってくれた。
(素晴らしい!! 素晴らしいわ!! 確かに、大事なお話、ですわね)
(………………)
(? ライナス?)
(………………そうでは、ないのです。大事なお話は、別にございます)
?? これ以上に大事な話なんて、ないと思うけど……?
なんなのかしら……?
カウントダウンが始まって、僅か1日後。自室で読書をしながら紅茶を飲んでいたら、ライナスがやって来た。
「あら? どうしたの?」
有能な彼でも、たった24時間では目星をつけられない。なんなのかしら?
「こちらでは、お伝え出来ない内容でして……。お庭――花壇の前まで御足労願います」
「??? どういうことよ?」
今は二人きりなのに話せなくって、人がいる外なら話せるだなんて。普通は逆でしょうに。
意味が分からないわ。
「理由に関しては、現在はお伝え出来ないものとなっておりまして……。お嬢様、お願い致します。御足労願いします」
「………………まぁ、いいでしょう。分かったわ、行きましょう」
彼がここまで言うのは珍しいし、なにより今日のわたくしは気分が良い。本をテーブルに置いて立ち上がり、ライナスの先導で部屋を出た。
廊下を進んで階段を降り、玄関を潜って庭に向かい、広々とした花壇――親しい来客が楽しむ目的で作られた場所に着いた。
「ここでいいのよね? はじめて頂戴」
「承知いたしました」
ごくり、と。なぜか、ライナスは大きく唾を飲み込み――
「昨日(さくじつ)の、アリアン・ファザーナへの攻撃の件で――」
「あああああああああ!! 珍しい形の雲が浮かんでいますわぁああああ!!」
――突然信じられないことを口にし始め、わたくしは慌てて大声で声をかき消した。
(声量を落しなさい!! あなたねえっ、自分がやっていることが分かっているの!? 誰かに聞かれてしまったら大変なことになるのよ!?)
お父様は絶対に協力してくれない人間で、だからこの計画はわたくしとライナスだけで進めている。もし他の者が知ってお父様の耳に入ってしまったら、計画を進められなくなるどころか家族の縁を切られかねない。
(何かあったら責任を取れるの!? 取れないでしょう!? 次にふざけた真似をしたらクビにするわよ!!)
(申し訳ございません。つい声が大きくなってしまいました。今後は決してこのような失態は犯しません)
(……気をつけなさいよ? で、なに? アリアンの件がどうしたのよ)
いくらなんでもたった1日では見つけられないはずだし、たった1日で見つけられませんと諦めるはずもない。なんなのかしら……?
(本日、協力者を得ることに成功いたしました)
(まぁ!!)
どうやらわたくし、見くびっていたみたい。彼は予想を良い方に裏切ってくれた。
(素晴らしい!! 素晴らしいわ!! 確かに、大事なお話、ですわね)
(………………)
(? ライナス?)
(………………そうでは、ないのです。大事なお話は、別にございます)
?? これ以上に大事な話なんて、ないと思うけど……?
なんなのかしら……?
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ーーーーーーーー
初作品です。
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