私から婚約者を奪った妹が、1年後に泣きついてきました

柚木ゆず

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番外編その1 10か月後~懲りていなかったニナの末路~ 俯瞰視点(4)

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((はぁ!? どういうコト!? どういうコトっっ!? この男っ、狂ってるの!?))

 幸か不幸か――。ニナは今迄両親に毎日チヤホヤされ、こういった場でもほぼ常に自分が中心でした。そして彼女は未だに、『リュカの本性を目覚めさせるほどに魅了して、ルイーズから奪った』と思い込んでいます。
 それらの事実が『自身の過剰評価』をもたらし、ニナは本気で理解ができずに苛立っていました。

((あたしから誘われるのは名誉なコト・・・・で、そもそもあたしからのお願いを断った男なんていない……っ。なんなの、この男……!?))

 メラメラ、メラメラと。ニナの中でドンドンと、理不尽な怒りの炎が更に更に燃え上がっていきます。
 怒りの炎の着火剤は、半年間のストレスと『パーティーを目いっぱい楽しむ』という意思。最初から最後まで楽しむつもりだった久しぶりのパーティーで、非常に不快な思いをした。6ヵ月もの間、リュカの様子を気にするという我慢の生活を続けていた。
 そのためニナは、いつも以上に、沸点が低くなっていたのです。

「ニナ様のような方にお誘い頂けて、非常に光栄です。ただ今夜は、いつも以上に時間に限りがありまして。申し訳ございません」
((『ニナ様のような方にお誘い頂けて、非常に光栄です』? だったら応じなさいよっっ! 時間がないならやりくりして、あたしに合わせてお喋りしなさいよ!))

 サイロスの配慮は、逆効果。その台詞もその際の申し訳なさげな表情も、更なる燃料となってしまいます。

「何度もお声をかけていただけて、嬉しかったです。ニナ様、ありがとうございました」
((あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・し・た・ぁ? …………この美少女よりも、こんなブスを選ぶだなんて……! ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく……っっ))

 今のニナは引き続き、サイロスの言い分を理解できていません。それ故にすさまじいスピードで膨れ上がっていて、ついには心の許容範囲を超えてしまい――。ぽろりと、うっかり本音の一部が漏れてしまいます。


「チッ!」


 漏れ出た本音の一部、それは舌打ち。
 ニナの口内では無意識的に舌打ちが行われ、その音は周囲にしっかりと聞こえてしまって――。それによって、周りは沈黙。

「「「「「「「「「「……………………………」」」」」」」」」」

 全員の視線が、ニナに注がれるようになりました。




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