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第14話 迎え、と リシャール視点(1)
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「遅くなってごめん。迎えにきたよ」
父と母があのようになった日から、6日後。必要な処理がようやく終わったあとすぐ、アリスが待つ場所を訪れた。
本当は、3日前に迎えにいく予定だった。しかしマリオンがあんなことになり、祖父母も精神がやられたようで、その対応に時間を取られてしまった。
「ありがとうございます。……よかった、お怪我などはないようですね」
「うん、無事。心配かけてごめんね。あの時話せなかったことを、ちゃんと話すよ」
落ち着いたらすべて説明する、そう約束したからね。着いて早々だけれど打ち明けることにした。
「たくさん驚くことがある。知らない方がいいかもしれないことだって、ある。でもそうしないと、絶対に知らないといけないことを知れないから。伝えるね」
アリスは異母妹で、本当の母親はミア―ネットさんという女性であること。
ミア―ネットさんの身に起きた事件と、その後の母と父、祖父母も、醜悪な行動を取っていたこと。
そんな父と母、そしてマリオンは、復讐のひとつとして成人したその日にタチの悪い人間に売ろうとしていたこと。
その計画を全て止めるために、水面下で協力していただいて解決したこと。
その後父と母は抜け殻のようになり、マリオン、祖父母も同じような状態になっていること。
今日までに起きたものを、包み隠さず全て伝えた。
「………………そう、だったのですね」
「? あまり、驚いてないね……?」
「お父様とお母様、マリオンの計画は、驚いています。ですが異母妹に関しては、なんとなくですが、そうかもしれないという思いはあったんです」
「そうなのかい? どこでそう思ったの?」
俺達は父の色が濃く出ている影響で、真実さえ知らなければ双子と感じるほどに共通点が多い。それに俺とは違い、周辺を調べている様子はまったくなかった。
なのに、なぜ……?
「それは、その、内緒です。何でも話せるお兄様にも、言えません」
アリスは俯きがちになりながらボソボソと返事をして、言い終わると「あっ!」と大きな声をあげた。
この反応。本当に今気付いたことがあるみたいだけど、相当に触れて欲しくないのは明白。この件に関しては、なかったことにしよう。
「ここにいる間、お兄様のお知り合いという方2人が、とてもよくしてくださっていたんです。もしかしてあの方々は……」
「うん、そうだよ。おふたりは、ミア―ネットさんのご両親。アリスのおじいさんと、おばあさんだよ」
真実を知ったら本物の母親のお話を聞きたいだろうし、生家で様々な思い出に触れたくなるはず。そしておふたりはずっと、娘が遺した孫に会いたがっていた。
そんな理由でこの場所を選んでいたのだ。
「隣のお部屋で、待っていただいている。お母さんのお話を聞きにいってみようか」
「はいっ! 色々なお話を聞きたいです!」
なので部屋を移動して、兄の知り合いではなく祖父母として接する会話が始まり、3時間くらいが経った頃かな。
アリスが聞きたいお話が全部出たタイミングで、俺はとある提案を始めたのだった。
父と母があのようになった日から、6日後。必要な処理がようやく終わったあとすぐ、アリスが待つ場所を訪れた。
本当は、3日前に迎えにいく予定だった。しかしマリオンがあんなことになり、祖父母も精神がやられたようで、その対応に時間を取られてしまった。
「ありがとうございます。……よかった、お怪我などはないようですね」
「うん、無事。心配かけてごめんね。あの時話せなかったことを、ちゃんと話すよ」
落ち着いたらすべて説明する、そう約束したからね。着いて早々だけれど打ち明けることにした。
「たくさん驚くことがある。知らない方がいいかもしれないことだって、ある。でもそうしないと、絶対に知らないといけないことを知れないから。伝えるね」
アリスは異母妹で、本当の母親はミア―ネットさんという女性であること。
ミア―ネットさんの身に起きた事件と、その後の母と父、祖父母も、醜悪な行動を取っていたこと。
そんな父と母、そしてマリオンは、復讐のひとつとして成人したその日にタチの悪い人間に売ろうとしていたこと。
その計画を全て止めるために、水面下で協力していただいて解決したこと。
その後父と母は抜け殻のようになり、マリオン、祖父母も同じような状態になっていること。
今日までに起きたものを、包み隠さず全て伝えた。
「………………そう、だったのですね」
「? あまり、驚いてないね……?」
「お父様とお母様、マリオンの計画は、驚いています。ですが異母妹に関しては、なんとなくですが、そうかもしれないという思いはあったんです」
「そうなのかい? どこでそう思ったの?」
俺達は父の色が濃く出ている影響で、真実さえ知らなければ双子と感じるほどに共通点が多い。それに俺とは違い、周辺を調べている様子はまったくなかった。
なのに、なぜ……?
「それは、その、内緒です。何でも話せるお兄様にも、言えません」
アリスは俯きがちになりながらボソボソと返事をして、言い終わると「あっ!」と大きな声をあげた。
この反応。本当に今気付いたことがあるみたいだけど、相当に触れて欲しくないのは明白。この件に関しては、なかったことにしよう。
「ここにいる間、お兄様のお知り合いという方2人が、とてもよくしてくださっていたんです。もしかしてあの方々は……」
「うん、そうだよ。おふたりは、ミア―ネットさんのご両親。アリスのおじいさんと、おばあさんだよ」
真実を知ったら本物の母親のお話を聞きたいだろうし、生家で様々な思い出に触れたくなるはず。そしておふたりはずっと、娘が遺した孫に会いたがっていた。
そんな理由でこの場所を選んでいたのだ。
「隣のお部屋で、待っていただいている。お母さんのお話を聞きにいってみようか」
「はいっ! 色々なお話を聞きたいです!」
なので部屋を移動して、兄の知り合いではなく祖父母として接する会話が始まり、3時間くらいが経った頃かな。
アリスが聞きたいお話が全部出たタイミングで、俺はとある提案を始めたのだった。
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