貴方様に大事なお話があります ～正直に答えてください～

第３話 説明 俯瞰視点（３）

「ま、まだあるんだね。どうぞ。何を答えればいいのかな？」
「先ほどいただいた、お三方に関する回答。そちらを加味しても、やはりあのような行動をされるとは思えないのですよ」

　腹が立ったから婚約者の悪評を捏造して流し、ふたりの関係をぐちゃぐちゃにしてしまおう。そんな企みが発覚してしまったら、大変なことになってしまう。名誉棄損で慰謝料などを請求されてしまう上に、貴族界での居場所を失くしかねない。

　加えて相手はサンドレス商会の娘で、輪をかけて受けるダメージが大きくなってしまう。

　貴族なら当然それを理解していて、伯爵令息なら猶更その意味を理解しているはず。更には喧嘩をしたという前提があるため、特定もされやすい。
　どんなに不満を抱いても、その状況下で動くとは到底思えない。

　それが、アマリアの言い分でした。

「やはり何度考えても、いくらご説明いただいた一面がお三方にあったとしても、あの方々の犯行とは思えないのですよ。……カシアス様は、そう感じはしませんか？」
「………………………………」

　その言い分は想定外で、先ほどと異なり用意している台本はなし。しかしながらここで詰まってしまえば、一気に怪しまれて計画は台無しとなってしまいます。
　なので、カシアスは大急ぎで言い訳を探し始めて――