貴方様に大事なお話があります ~正直に答えてください~     

柚木ゆず

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第5話 衝撃の事実×2 俯瞰視点(4)

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「うまいこと考えるから!! 裁判なんてものがなくても全員が圧力はなく俺の捏造だと信じるようにするから!! それだけはやめてくれ!!」
「アマリア嬢っ、君が才能を買っていた者たちが真剣に練るのだ!! 必ずやうまくいくっっ!! 上手くいかないはずがないのだよ!! 頼むお願いだ!! それだけは勘弁してくれっ!!」
「そのご要望は呑めません。どんなアイディアを出そうとも、中立機関を挟まなければ邪推を避けられませんので」

 すでに友人3人の証言も手中にありますが、それを使っても完全に拭えない。商会にとって『完全ではない』は、ほころびとなる危険な火種となるのです。

「判決が出て慰謝料が支払われる、それらは必要不可欠なのですよ。ですのでその過程を踏めないご提案は、たとえ稀代の名案だったとしても受け入れられません」
「………………そんな……。残酷な……」「………………酷すぎる……。少しくらい、手心があってもいいじゃないか……」
「かつて貴方がたが再三仰られていたように、カシアス様が何もなさらなければウィンウィンだったのです。そちらを手放したのは貴方がたご自身なのですから、残酷でも酷すぎでもありませんよ」

 アマリアは静かに首を左右に振り、そうしたあとは静かにベルザックス家の馬車を一瞥しました。

「カシアス様、ジェス様。本日はこれ以上、お話しすることはございません。どうぞお引き取りください」
「……………………」
「……………………」
「カシアス様、ジェス様。お引き取りください」
「……………………」
「……………………っ、言われなくてもそうするとも! カシアス、行こう。こんな血も涙もない奴らのもとに――カシアス?」

 元凶とは思えないふてぶてしい態度で身を翻していたジェスは、息子が微動だにしていないことに気付きました。

「カシアス? お、おいカシアス。聞こえているのか?」
「…………………………」
「カシアス? きゅ、急にどうしてしまったのだっ? なんとか言って――……カシアス……?」

 そこで戸惑いながら呼びかけていると、ようやく反応。カシアスはいきなり立ち上がり、しかしながら再び動かなくなってしまいました。

「…………………………」

 止まる、動く、止まる。そんな異様な行動を繰り返したカシアスは――
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