婚約者に手を出したら許しませんよ?

柚木ゆず

文字の大きさ
8 / 21

第6話 さらに次の日~別の2人~ 俯瞰視点

しおりを挟む
((なんですって!? ヴェロニックとジャルッズ・ファユラが実家に戻った!?))

 翌日の、お昼過ぎのことでした。2人が短期間の休学手続きを取ったと学友経由で知ったロナは、心の中で唖然となりました。

「そんな、突然一週間も……。理由を御存じですの?」
「詳しくは存じ上げておりませんが、先生方は急用だと仰っておりました」
「そ、そうなのですね」((まさか、あの件を婚約者に告げて2人で逃げようと――そんなはずはありませんわね))

 他言したらどうなるか釘を刺しましたし、来週の日曜日の夜には戻って来るようになっていました。加えてどんな事情があれ、学院を退学してしまうと貴族界ではまともに生きてはいけなくなってしまいます。
 このまま姿を消す要素はどこにもなく、ロナの頭の中からその可能性はまったくなくなりました。

((なら……。アレは日曜日の――月曜日の深夜に行いましょうか))

 金曜日の夜から最愛の人アントワンとちょっとした旅行をする約束になっていて、日曜日の帰りは非常に遅い。
 そこから準備をするとなると時間がかかってしまいますし、なにより、その日はアントワンとの旅の思い出に浸って寝たいという願望がありました。ですので次の日に予定を定め、

((くふふ。週末から週明けにかけて、楽しいイベントが盛り沢山ですわねぇ))

 心の中で、ニヤリと薄笑いを浮かべたのでした。


 〇〇


((なんだって!? ジャルッズとヴェロニック・ロマールが実家に戻った!?))

 翌日の、お昼過ぎのことでした。2人が短期間の休学手続きを取ったと学友経由で知ったアントナンは、心の中で唖然となりました。

「突然、一週間もだなんて……。理由は知っているかい?」
「詳しくは存じ上げておりません。先生方は、急用だと仰っておりました」
「そ、そうなのか」((まさか、あの件を婚約者に告げて2人で逃げようと――いくらなんでも、そんなはずはないな))

 他言したらどうなるかしっかりと釘を刺した上に、来週の日曜日の夜には戻って来るようになっていた。加えてどんな事情があれ、フェナールス学院を退学してしまうと貴族界ではまともに生きてはいけなくなってしまいます。
 このまま姿を消す要素はどこにもなく、アントワンの頭の中からその可能性はまったくなくなりました。

((なら……。アレは、日曜日の――いや、月曜日の深夜に行おう))

 金曜日の夜から最愛の人ロナとちょっとした旅行をする約束になっていて、日曜日の帰りは非常に遅い。
 そこから準備をするとなると時間がかかってしまいますし、なにより、その日はロナとの旅の思い出に浸って寝たいという願望がありました。ですので次の日に予定を定め、

((くくく。週末から週明けにかけて、楽しいイベントが盛り沢山だ))

 心の中で、ニヤリと薄笑いを浮かべたのでした。


 〇〇


 そんなロナもアントワンも、まだ知りません。
 楽しみにしている日の、なかのひとつ。来週の土曜日が、最悪の日になってしまうことを――。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】そして、誰もいなくなった

杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」 愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。 「触るな!」 だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。 「突き飛ばしたぞ」 「彼が手を上げた」 「誰か衛兵を呼べ!」 騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。 そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。 そして誰もいなくなった。 彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。 これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。 ◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。 3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。 3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました! 4/1、完結しました。全14話。

悪役令嬢ですか?……フフフ♪わたくし、そんなモノではございませんわ(笑)

ラララキヲ
ファンタジー
 学園の卒業パーティーで王太子は男爵令嬢と側近たちを引き連れて自分の婚約者を睨みつける。 「悪役令嬢 ルカリファス・ゴルデゥーサ。  私は貴様との婚約破棄をここに宣言する!」 「……フフフ」  王太子たちが愛するヒロインに対峙するのは悪役令嬢に決まっている!  しかし、相手は本当に『悪役』令嬢なんですか……?  ルカリファスは楽しそうに笑う。 ◇テンプレ婚約破棄モノ。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

最後に言い残した事は

白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
 どうして、こんな事になったんだろう……  断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。  本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。 「最後に、言い残した事はあるか?」  かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。 ※ファンタジーです。ややグロ表現注意。 ※「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載。

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。 二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。 けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。 ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。 だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。 グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。 そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。

(完)聖女様は頑張らない

青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。 それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。 私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!! もう全力でこの国の為になんか働くもんか! 異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

真実の愛を証明せよ

ファンタジー
サンティア王国第一王女アウレリアは、公爵令息レオナールとの十年に及ぶ婚約を解消し、伯爵家の令息エルヴィンとの「真実の愛」を貫くと宣言する。茶会でそう告げられたレオナールは、二人の言葉を信じる代わりに、その愛を『目に見える形で証明してほしい』と求める。  彼が差し出したのは……。 ※他サイトにも投稿しています。

処理中です...