私のせいで婚約破棄ですか? 思い当たることがないのですが?

柚木ゆず

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第2話 一週間後

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「リコ……。無理して学校に行かなくてもいいのよ?」

 一週間後の朝。登校の支度をしていたら、お母様が不安げに首を振りました。

「平気ですよ。ウチは少々貧乏なので馬車はありませんが、学び舎は徒歩で行ける距離です。苦労はありません」
「……リコ、そうじゃないの。貴方はアルベール様と、その、色々あったのでしょう? 学校に行けば、辛い思いをするだけよ?」

 あの件を誤魔化そうとしましたが、やはり無駄でしたね。どんなに両親の耳に入れない努力をしても、一週間も経てば通用しなくなります。


 現在学び舎では、そこそこに酷い状態になっていました。


 全員無視は勿論のこと、様々な心身への嫌がらせが続いています。『教科書を破られる』や『机に手向けの花瓶を置かれる』、『階段を下りていると、何者かに突き飛ばされる』、ですね。
 私だから平気なものの、他の人ならそうはいきません。どこかしら怪我をしていますし、もしかしなくても精神を病んで自殺をしてしまうでしょう。

「あたしもお父さんも、貴方がそんな子じゃないと知っている。無実の罪で苦しむ必要はないのよ……?」
「お前はいつも冷静で大人びている子だが、まだ子供。我々大人のように、心も体も強くはない。無理はせず、逃げたい時は逃げていいんだぞ……?」
「お母様お父様、ご心配ありがとうございます。ですが、安心してください。今日からは反撃期間ですから」

 一週間じっくり周囲を調べ、ようやく材料が色々と揃いました。今日からはジワジワと『周り』を崩してゆき、近々『本体』を叩きます。

「「はん、げき……? リコは、なにを考えているの(いるんだい)……?」」
「それは秘密、です。お父様お母様、行ってまいりますね」

 私はどうも笑顔を作ることが苦手なので、左右の人差し指で口角を上げてニッコリさせます。
 これは……まあ……。娘の強がりに取られてしまったようですが、できないものは仕方がありませんね。
 私はいつものように家を出て、その時――放課後を待つのでした。
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