私のせいで婚約破棄ですか? 思い当たることがないのですが?

柚木ゆず

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第4話 危険な策士(2)

「「あっ、アンタ……っ! いつの、間に……!?」」
「レフィ・サネルさんがお家を出た直後に、入れ替わりました。ご家族に内緒の行動でしたので、簡単にお会いできて脅迫できましたよ」

 まともな家庭だとこの手の悪行は、許されませんもんね。おひとりでコッソリ出かけているところを呼び止め、ロンドさんの件などで脅してお家にいてもらっています。
 ちなみにこの方を狙ったのは、最も変装しやすいため。前髪で両目が隠れていることと声質、体型が近かったことが、選ばれた理由です。

「数日間お化粧を本格的に練習して、サネルさんに出来る限り寄せてみました。お二人が気付かなかったのであれば、大成功ですね」
「く……っ、まんまと嵌められたわ……! だけどね、詰めが甘いわよっ!」
「あたし達は2人で、そっちは1人っ。力ずくで――」
「追い詰められたら、力ずくで黙らせようとする危険性があります。ちゃんと自衛の術(すべ)を用意していますよ」

 私は服の下からナイフを2本取り出し、両手で持ちました。

「数が多くても、刃物には勝てません。それでも、やってみますか?」
「……………分かった。分かりましたっ。私達の、負けよ……っ」

 お二人は左右の手を上げ、無抵抗を表しました。
 もしも暴れていたら、本で覚えた投擲術を披露しなくてはいけません。この場で余計な血が流れないのは、よかったです。

「…………リコ・フェリア。あたし達をどうするつもり、なの……?」
「皆さんがアルベール様と手を組み、今日そんな皆さんと接触したことによって、新聞の原案の図――犯人しか持ちえない重要な証拠と、パーティーへの招待状――結託を裏付ける証拠が、手に入りました。私はそれらを入手できれば充分で、最後にお手伝いをしていただければ罪に問うつもりはありません。お二人はサネルさん同様に、合図を出すまで自宅待機をしていてください」

 これも、またウソ。
 皆さんにはロンドさん同様、厳罰を用意しています。楽しみにしていてくださいね。

「「ありがとう……っ。ありがとう、ございます……っ!」」
「いえいえ。それでは私がお願いをしたら、学校に来てください。お願いしますね」

 こうして私の反撃、第2弾は終わりとなりました。
 これで『本番前』の準備は、あと一つ。私は次の行動に備えるため、そして自然に登校するため、我が家に戻ったのでした。
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