28 / 37
幕間 十七年ぶりの再会(1)
しおりを挟む
「今日は、生涯忘れられない日となるだろう。リーズ、愛しの我が娘よ……。来てくれてありがとう……っ」
「私にとっても、今日は特別な日になります……っ。お父様、はじめまして。お久しぶりです……っ」
事件解決から4日後。私は兄様と共にジェナに向かい、お城で――『王の間』で、実父であるライノス・クアノス国王と再会しました。
物心ついて、初めて見るお父様。威厳と優しさが詰まった大きな目が印象的で、パストお父様とは正反対で大柄な方。でも同じく温かな眼差しを注いでくれる、愛に溢れた人でした。
「レティリア、リーズが会いに来てくれたぞ。お前の……。俺達の子は……。元気に美しく、育っていたぞ」
玉座にいたお父様は、指輪を――お母様の形見を持って歩いてきて、その指輪と一緒に私を抱擁。強く優しく抱き締めてくれて、それが終わると目を伏せました。
「リーズ。かつてのわたしは力不足故に、幼いお前を守る事ができなかった……。無様な父を許してくれ……」
「お父様は私の安全を第一に考え、苦渋の決断をしてくれました。感謝する事はあっても、恨む事なんて有り得ませんよ」
あのままジェナで生きていたら、私は今生きてはいないと思う。ここまで成長できたのは……。色んなことを経験してこられたのは、お父様が正しい判断をしてくださったおかげです。
「兄様から当時のお話を聞いていますし、今の御様子で一目瞭然です。お父様にとっても辛い決断をしてくれださり、ありがとうございます」
「…………リーズ……っ。リーズ……っっ。リーズ……っっっ」
ライノスお父様は感極まって、もう一度私を抱き締めてくれながら大粒の涙を流してくれる。
今この場にいるのは、家族だけ。私も腕を回してお父様の温もりを感じ、そんな私達は兄様の穏やかな瞳に見守られる。
こんな時間が、私は――私だけではなく全員が心地よくって、暫くこのまま。この家族で行う『家族水入らず』をたっぷり行って、抱擁が終わったのは10分以上あとだった。
「リーズ、ディオンも、ありがとう。おかげで、これまで秘めていたものを伝えらえれた。……ここからは、これからについて話をしたい」
涙を拭い鼻を啜ったお父様は、父であり国王然としたお顔になりました。
これから……。共和制への移行についてのお話、ですね。
「私にとっても、今日は特別な日になります……っ。お父様、はじめまして。お久しぶりです……っ」
事件解決から4日後。私は兄様と共にジェナに向かい、お城で――『王の間』で、実父であるライノス・クアノス国王と再会しました。
物心ついて、初めて見るお父様。威厳と優しさが詰まった大きな目が印象的で、パストお父様とは正反対で大柄な方。でも同じく温かな眼差しを注いでくれる、愛に溢れた人でした。
「レティリア、リーズが会いに来てくれたぞ。お前の……。俺達の子は……。元気に美しく、育っていたぞ」
玉座にいたお父様は、指輪を――お母様の形見を持って歩いてきて、その指輪と一緒に私を抱擁。強く優しく抱き締めてくれて、それが終わると目を伏せました。
「リーズ。かつてのわたしは力不足故に、幼いお前を守る事ができなかった……。無様な父を許してくれ……」
「お父様は私の安全を第一に考え、苦渋の決断をしてくれました。感謝する事はあっても、恨む事なんて有り得ませんよ」
あのままジェナで生きていたら、私は今生きてはいないと思う。ここまで成長できたのは……。色んなことを経験してこられたのは、お父様が正しい判断をしてくださったおかげです。
「兄様から当時のお話を聞いていますし、今の御様子で一目瞭然です。お父様にとっても辛い決断をしてくれださり、ありがとうございます」
「…………リーズ……っ。リーズ……っっ。リーズ……っっっ」
ライノスお父様は感極まって、もう一度私を抱き締めてくれながら大粒の涙を流してくれる。
今この場にいるのは、家族だけ。私も腕を回してお父様の温もりを感じ、そんな私達は兄様の穏やかな瞳に見守られる。
こんな時間が、私は――私だけではなく全員が心地よくって、暫くこのまま。この家族で行う『家族水入らず』をたっぷり行って、抱擁が終わったのは10分以上あとだった。
「リーズ、ディオンも、ありがとう。おかげで、これまで秘めていたものを伝えらえれた。……ここからは、これからについて話をしたい」
涙を拭い鼻を啜ったお父様は、父であり国王然としたお顔になりました。
これから……。共和制への移行についてのお話、ですね。
42
あなたにおすすめの小説
「地味な婚約者を捨てて令嬢と結婚します」と言った騎士様が、3ヶ月で離婚されて路頭に迷っている
歩人
ファンタジー
薬師のナターリアは婚約者の騎士ルドガーに「地味なお前より伯爵令嬢が
ふさわしい」と捨てられた。泣きはしなかった。ただ、明日から届ける薬が
一人分減るな、と思っただけ。
ルドガーは華やかな伯爵令嬢イレーネと結婚し、騎士団で出世する——はずだった。
しかしイレーネの実家は見栄だけの火の車。持参金は消え、借金取りが押し寄せ、
イレーネ本人にも「稼ぎが少ない」と三行半を突きつけられた。
3ヶ月で全てを失ったルドガーが街角で見たのは、王宮薬師に抜擢された
ナターリアが、騎士団長と笑い合う姿だった。
「なあ、ナターリア……俺が間違っていた」
「ええ、知ってます。でも、もう関係のない話ですね」
政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました
あおくん
恋愛
父が決めた結婚。
顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。
これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。
だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。
政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。
どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。
※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。
最後はハッピーエンドで終えます。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
訳あり侯爵様に嫁いで白い結婚をした虐げられ姫が逃亡を目指した、その結果
柴野
恋愛
国王の側妃の娘として生まれた故に虐げられ続けていた王女アグネス・エル・シェブーリエ。
彼女は父に命じられ、半ば厄介払いのような形で訳あり侯爵様に嫁がされることになる。
しかしそこでも不要とされているようで、「きみを愛することはない」と言われてしまったアグネスは、ニヤリと口角を吊り上げた。
「どうせいてもいなくてもいいような存在なんですもの、さっさと逃げてしまいましょう!」
逃亡して自由の身になる――それが彼女の長年の夢だったのだ。
あらゆる手段を使って脱走を実行しようとするアグネス。だがなぜか毎度毎度侯爵様にめざとく見つかってしまい、その度失敗してしまう。
しかも日に日に彼の態度は温かみを帯びたものになっていった。
気づけば一日中彼と同じ部屋で過ごすという軟禁状態になり、溺愛という名の雁字搦めにされていて……?
虐げられ姫と女性不信な侯爵によるラブストーリー。
※小説家になろうに重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる