霊能師高校迷霊科~迷える霊を救う、たった一つの方法~

柚木ゆず

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3話(12)

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「優君っ。あれっ、暴霊になる前のパニック症状だよっ!」

 負が善の部分を呑み込もうとする際に善と負がぶつかり合い、精神が激しく揺さぶられる。ああなると予測不能な行動を起こし、ますます攻撃が当たらなくなってしまう。

「虎クンっ! ね、ねえっ、これってどうしたらいいのっ!?」
「もう彼は、橋月さんを認識することすらできない――どうやっても呼び寄せられないので、英虎さんを追いかけて鎮静化させないといけません。制限時間は、おおよそ十分ですっ」

 先輩の予測は、少しでも安心させるため少々長め。実際は8分もないだろう。

「この中で足が速い俺と先輩は、このまま彼を追いかける。育美と夢兎さんは、随時連絡するから別ルートで挟み撃ちを狙ってくれっ」
「それが、適切ですね。土水さん橋月さん、頑張って! そちらはお任せしましたっ」

 先輩が二人にも強化を施し、ここでチームは一時的に二つとなる。俺達4人は男子と女子に分かれ、英虎くんの追跡を始めた。
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