24 / 24
エピローグ ルロアSide 俯瞰視点
しおりを挟む
「ルロア? どうしたんだい?」
「あ、レアンドル様。あの時の出来事を、思い出していました」
ソフィーとセニリアが毎晩震えている、廃墟同然の家――。そことは正反対の建物であるシュヴァリエ侯爵邸内では、ナイトウェア姿のルロアがカレンダーを眺めていました。
今は、午前0時3分過ぎ。短針が頂点を通過したことによって、日付が4月1日となっていたのです。
「レアンドル様があの子の本質を悟られていて、私を強く愛してくださっていたから、魅了は効かなかった。……レアンドル様のおかげで、私もお父様も救われました」
事件解決後――。家族なのに気付けなかったと、2人は改めて自分を責めました。ですがその際に『こうして無事だったのですから、それでいいではありませんか』『被害者がそう思っておりますので、僕のためにもお忘れください』とレアンドルが口にしたことで、2人は自分を許せるようになっていたのでした。
「それだけではなく……。その後も、いつも幸せをくださって。レアンドル様、いつもありがとうございます」
ずっと笑顔を作り続ける、自分の顔に触れて。
レアンドルの希望でルロアの好みを強く反映させた、広々とした夫婦の寝室を見回して。
壁の向こうにある、2つの部屋――11歳になる長男リックと9歳になる長女リラが眠る部屋の方向を見つめて。
最後に正面にある、最愛の人の手を取って見つめて。
ルロアは破顔し、改めて感謝の言葉を告げました。
「どういたしまして。でもね、ルロア。それは僕の希望、喜びでもあるんだよ。……君が傍に居てくれるから、毎日が幸せだ。僕の方こそ、いつもありがとう」
いつも釣られて笑顔になる、自分の顔に触れて。
これまで数々の言葉を交わし、様々な幸せな時間を共有してきた夫婦の寝室を見回して。
壁の向こうにある、2つの部屋――2人めと3人めの大切な人、愛の結晶が眠る部屋の方向を見つめて。
最後に正面にある、最愛の人の空いている方の手を取って見つめて。
ルアンドルも同じように破顔し、同じように感謝の言葉を告げたのでした。
ルロアとレアンドル。
2人はこれからも想い合い、お互いがお互いを幸せにしてゆきます。
だから、なのでしょう――。
おりしもはるか遠く離れた国・レーフェン国内にて、『廃墟寸前の建物に、奇妙な動きをする親子が長年住んでいる』という噂が広がった頃。この国テリオンでは国中に、
『いつも笑顔で仲の良い侯爵夫妻がいる』
こういった噂が広まり、それは後世に語り継がれることとなるのでした――。
「あ、レアンドル様。あの時の出来事を、思い出していました」
ソフィーとセニリアが毎晩震えている、廃墟同然の家――。そことは正反対の建物であるシュヴァリエ侯爵邸内では、ナイトウェア姿のルロアがカレンダーを眺めていました。
今は、午前0時3分過ぎ。短針が頂点を通過したことによって、日付が4月1日となっていたのです。
「レアンドル様があの子の本質を悟られていて、私を強く愛してくださっていたから、魅了は効かなかった。……レアンドル様のおかげで、私もお父様も救われました」
事件解決後――。家族なのに気付けなかったと、2人は改めて自分を責めました。ですがその際に『こうして無事だったのですから、それでいいではありませんか』『被害者がそう思っておりますので、僕のためにもお忘れください』とレアンドルが口にしたことで、2人は自分を許せるようになっていたのでした。
「それだけではなく……。その後も、いつも幸せをくださって。レアンドル様、いつもありがとうございます」
ずっと笑顔を作り続ける、自分の顔に触れて。
レアンドルの希望でルロアの好みを強く反映させた、広々とした夫婦の寝室を見回して。
壁の向こうにある、2つの部屋――11歳になる長男リックと9歳になる長女リラが眠る部屋の方向を見つめて。
最後に正面にある、最愛の人の手を取って見つめて。
ルロアは破顔し、改めて感謝の言葉を告げました。
「どういたしまして。でもね、ルロア。それは僕の希望、喜びでもあるんだよ。……君が傍に居てくれるから、毎日が幸せだ。僕の方こそ、いつもありがとう」
いつも釣られて笑顔になる、自分の顔に触れて。
これまで数々の言葉を交わし、様々な幸せな時間を共有してきた夫婦の寝室を見回して。
壁の向こうにある、2つの部屋――2人めと3人めの大切な人、愛の結晶が眠る部屋の方向を見つめて。
最後に正面にある、最愛の人の空いている方の手を取って見つめて。
ルアンドルも同じように破顔し、同じように感謝の言葉を告げたのでした。
ルロアとレアンドル。
2人はこれからも想い合い、お互いがお互いを幸せにしてゆきます。
だから、なのでしょう――。
おりしもはるか遠く離れた国・レーフェン国内にて、『廃墟寸前の建物に、奇妙な動きをする親子が長年住んでいる』という噂が広がった頃。この国テリオンでは国中に、
『いつも笑顔で仲の良い侯爵夫妻がいる』
こういった噂が広まり、それは後世に語り継がれることとなるのでした――。
64
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(155件)
あなたにおすすめの小説
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません
天宮有
恋愛
子爵令嬢の私カルラは、妹のミーファに婚約者ザノークを奪われてしまう。
ミーファは全てカルラが悪いと言い出し、束縛侯爵で有名なリックと婚約させたいようだ。
屋敷を追い出されそうになって、私がいなければ領地が大変なことになると説明する。
家族は信じようとしないから――これから何が起きても、私は知りません。
妹に婚約者を奪われたので、田舎暮らしを始めます
tartan321
恋愛
最後の結末は??????
本編は完結いたしました。お読み頂きましてありがとうございます。一度完結といたします。これからは、後日談を書いていきます。
妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです
hikari
恋愛
姉妹3人と弟1人の4人きょうだい。しかし、3番目の妹リサに婚約者である王太子を取られてしまう。二番目の妹アイーダだけは味方であるものの、次期公爵になる弟のヨハンがリサの味方。両親は無関心。ヨハンによってローサは追い出されてしまう。
せっかく家の借金を返したのに、妹に婚約者を奪われて追放されました。でも、気にしなくていいみたいです。私には頼れる公爵様がいらっしゃいますから
甘海そら
恋愛
ヤルス伯爵家の長女、セリアには商才があった。
であれば、ヤルス家の借金を見事に返済し、いよいよ婚礼を間近にする。
だが、
「セリア。君には悪いと思っているが、私は運命の人を見つけたのだよ」
婚約者であるはずのクワイフからそう告げられる。
そのクワイフの隣には、妹であるヨカが目を細めて笑っていた。
気がつけば、セリアは全てを失っていた。
今までの功績は何故か妹のものになり、婚約者もまた妹のものとなった。
さらには、あらぬ悪名を着せられ、屋敷から追放される憂き目にも会う。
失意のどん底に陥ることになる。
ただ、そんな時だった。
セリアの目の前に、かつての親友が現れた。
大国シュリナの雄。
ユーガルド公爵家が当主、ケネス・トルゴー。
彼が仏頂面で手を差し伸べてくれば、彼女の運命は大きく変化していく。
「優秀な妹の相手は疲れるので平凡な姉で妥協したい」なんて言われて、受け入れると思っているんですか?
木山楽斗
恋愛
子爵令嬢であるラルーナは、平凡な令嬢であった。
ただ彼女には一つだけ普通ではない点がある。それは優秀な妹の存在だ。
魔法学園においても入学以来首位を独占している妹は、多くの貴族令息から注目されており、学園内で何度も求婚されていた。
そんな妹が求婚を受け入れたという噂を聞いて、ラルーナは驚いた。
ずっと求婚され続けても断っていた妹を射止めたのか誰なのか、彼女は気になった。そこでラルーナは、自分にも無関係ではないため、その婚約者の元を訪ねてみることにした。
妹の婚約者だと噂される人物と顔を合わせたラルーナは、ひどく不快な気持ちになった。
侯爵家の令息であるその男は、嫌味な人であったからだ。そんな人を婚約者に選ぶなんて信じられない。ラルーナはそう思っていた。
しかし彼女は、すぐに知ることとなった。自分の周りで、不可解なことが起きているということを。
従姉妹に婚約者を奪われました。どうやら玉の輿婚がゆるせないようです
hikari
恋愛
公爵ご令息アルフレッドに婚約破棄を言い渡された男爵令嬢カトリーヌ。なんと、アルフレッドは従姉のルイーズと婚約していたのだ。
ルイーズは伯爵家。
「お前に侯爵夫人なんて分不相応だわ。お前なんか平民と結婚すればいいんだ!」
と言われてしまう。
その出来事に学園時代の同級生でラーマ王国の第五王子オスカルが心を痛める。
そしてオスカルはカトリーヌに惚れていく。
【完結】猫を被ってる妹に悪役令嬢を押し付けられたお陰で人生180度変わりました。
本田ゆき
恋愛
「お姉様、可愛い妹のお願いです。」
そう妹のユーリに乗せられ、私はまんまと悪役令嬢として世に名前を覚えられ、終いには屋敷を追放されてしまった。
しかし、自由の身になった私に怖いものなんて何もない!
もともと好きでもない男と結婚なんてしたくなかったし堅苦しい屋敷も好きでなかった私にとってそれは幸運なことだった!?
※小説家になろうとカクヨムでも掲載しています。
3月20日
HOTランキング8位!?
何だか沢山の人に見て頂いたみたいでありがとうございます!!
感想あんまり返せてないですがちゃんと読んでます!
ありがとうございます!
3月21日
HOTランキング5位人気ランキング4位……
イッタイ ナニガ オコッテンダ……
ありがとうございます!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
完結おめでとうございます♪
柚木ゆず様の描く、自ら状況を悪化させちゃう妹ちゃんたち、どの子も逞しくざまぁをたくさん見せてくれて好きです(笑)
毎日お話を届けてくださり本当にありがとうございました♪♪
弓はあと様。通知を見落としてしまっており、その影響でお返事が遅くなってしまい、本当に申し訳ございません。
こうして最後まで投稿できたのは、弓はあと様、皆様の存在があったからでして。
こちらこそ、ありがとうございました。
くださった感想、あたたかいお言葉。そのすべてが、大きな力となりました。
完結おめでとうございます💖
最後の締めかたが童話みたいで可愛かったです
(*´ω`*)
素敵なお話をありがとうございました💐
鍋様。通知をずっと見落としてしまっており、その影響でお返事が遅くなってしまい、本当に申し訳ございません。
こちらこそ。最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今回のお話では、いつもとはちょっと違った形にしようと、思っておりまして。そう仰っていただけて、幸せに感じております。
繰り返しと、なってしまうのですが。
完走できたのは、鍋様、そして皆様のおかげでして。
鍋様。本当に、ありがとうございました。
ルロアとレアンドルが幸せな家庭を築いて、これからもお互いを想い合って子供達と仲良く過ごすんでしょうね( ⸝⸝•ᴗ•⸝⸝ )
一方で、奇妙な動きをする2人……自業自得ですが心が休まらない日々ですね。
能登原あめ様。通知をずっと見落としてしまっており、その影響でお返事が遅くなってしまい、本当に申し訳ございません。
そう、ですね……!
2組は、今後もずっと、正反対。ルロア達は愛する人たちに囲まれて、いつまでも仲良く幸せな毎日を。
あちらは心配に襲われ続けて、不安な毎日を。過ごすことになります。
能登原あめ様。
最後まで読んでくださり、まことにありがとうございました。