お姉様。ずっと隠していたことをお伝えしますね ~私は不幸ではなく幸せですよ~

柚木ゆず

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第5話 7か月ぶりの再会 マルグリット視点(4)

「…………よし。できたぞ」
「こっちもできたわ」

 まずはお父様がティナの手首を縛って抱き上げ、お母様がティナの首にペティナイフを添える。これが作戦第2段階のその1で、その2は――

「「なっ!? ティナ様!?」」
「そう、アンタ達が気付かない間に大変なことになっていたのよ。下手な動きを見せたら首を切るから、大人しくしていて頂戴ね?」

 別室で控えていた、ティナの――ラファオール伯爵家の人間の前に姿をさらし、無力化しておく。そうしてわたし達は悠々と廊下を進んで、外に停まっているラファオール家の馬車へと近づく。

「……ティナ様に、なんということを……! おやめください!! このままでは大変なことになってしまいますよ!!」
「はぁ、御者風情がうるさいわね。大変なことになるのは、アンタのご主人様の方よ」

 馬車の運転くらいしか能がない人間だから、頭が全然回らないみたい。そこで現実をしっかりと教えてあげて、同じく無力化したあと右へと進んでゆく。
 その方向にあるは、ウチの馬車。まずは眠っているティナを車内に押し込み、そのあとは――

「だ、旦那様、奥様、お嬢様……」
「ど、どうかお考え直しを――」
「誰もお前達の意見など聞いていない。お前は黙って我々の言うことを聞いていればいいのだ」
「ティナの命がかかっている以上ヘンな真似はしないと思うけど、念には念を入れておかないとね。アンタたち、ラファオール家の人間を監視していなさい」
「いいわね!? しっかりとなさい!!」

 ――雇い主に物申す愚かな使用人達を3人で睨みつけ、馬車に乗り込む。そうしてわたし達を乗せた馬車はようやく動き出し、北を目指す。
 その方向にあるのはもちろん、監禁用に用意した所謂秘密基地。ティナにとっては地獄、わたし達にとっては天国をもたらしてくれる私的な場所を目指し、1時間半ほどで到着した。

「やっと着いた。ティナは……」
「すぅ、すぅ、すぅ。すぅ、すぅ、すぅ…………」
「まだ寝てる。これなら大丈夫ね」

 実はとっくに起きていて、隙を突いて逃げられてしまう。その心配はないと確認したあと、わたし達は馬車を降りる。
 そして再びお父様が抱きかかえ、ティナを建物のなかへと運び――

「おやおや? ハーオット邸に居るはずの人達が、どうしてこんな場所にいるのかな?」

 ――……………………。
 運び込もうと、としていたら……。信じられないことが起きた……。


「「「…………………………」」」

 なんで……。クロードが、いるの……!?

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