お姉様。ずっと隠していたことをお伝えしますね ~私は不幸ではなく幸せですよ~

柚木ゆず

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第7話 逆転? マルグリット視点(1)

「治安機関の皆様っ、わたしの話を聞いてください! わたしはっ、わたし達はクロード様とティナに陥れられてしまったのです!」

 治安機関所属の5人によって命じられ、両手をあげて立ち上がった直後。わたしは偽りの涙を流し、ふるふると首を左右に振った。

「実を言いますとわたし、お父様、お母様は、ティナを虐げてきました。ティナの正論を煩わしい言葉だと思い、嫌がらせを続け……。その挙句、大嫌いだと思っていたクロード様との政略結婚を行わせたという過去があります……」

 どうせ説明されてしまっているだろうし、この作戦は過去の行いを知ってもらわないと遂行できない。なのでたっぷりと罪悪感を放ちながら口を動かしていって、「だから……」と続ける。

「クロード様もティナもわたし達を怨んでいて、だから、なのだと思います……。わたし達に、ありもない罪を着せようとしているんです……」

 わたし達は5人だけで会いたいと言われて、所有していたこの場所を待ち合わせにしたこと。約束した時間になったら急に、ティナを拉致監禁しようとしたな! とクロード様が言い出したこと。それを否定していたら突然お父様とお母様は殴られ、わたしはあのように組み伏せらてしまったこと。秘密裏に屋敷の人間は買収されていて、いくら否定しても使用人達が証言してくれると嗤われたこと。
 演技力を総動員して、それらをあたかも実際に起きた出来事のように説明した。

「先ほど申し上げたように、わたし達は最低な行いをしておりました……。ようやく事実を理解し、反省しておりまして……。先日ティナにお手紙を送り、何かしらの形で償いをしようとしておりました……。ですので、罰を受けること自体に文句はありません……」
「「「「「……………………」」」」」
「ですがこのやり方は、受け入れられません……。やってもないものを認めることは、さすがに認められません……。なのでわたしは、無罪を主張します……」

 という訴えは真っ赤な嘘で、拉致などは実際にやったこと。
 で・も。
 それを目撃した人は、買収された疑惑のある人間達とさっきまでこの場にいた人間達のみ。治安機関の人間を含む、第三者は一切わたし達のあの姿を見ていないんだもの。証拠が一切ないんだから、罪には問えないの!

((ふふふふ。クロード、詰めが甘かったわね))

 睡眠薬は少々強力なものの邸内にあっても不自然じゃないし、落ちている指紋付きのナイフは『使用していたものを持ち出されていた』と言えば不自然ではなくなるし。どこにも物証もないんだもの!
 これなら、以降の対応を間違わなければ――

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